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子どもと大人が島の未来について話し合う場を。

世界共通の海洋ごみの問題、私たちにできることは何でしょうか?

隠岐諸島は海に囲まれているため、海流や風の影響を受けやすく、多くの海洋ごみが流れ着きます。西ノ島では毎年観光客が訪れるシーズン前に、島民の方がボランティアでビーチクリーンをしている現状があります。

今回、そんな環境問題を考えるきっかけとして、6月1日と6月15日に大人の島留学生で西ノ島の観光協会で働く波多野さんと、教育委員会で働く照内さんによる「ゴミアートワークショップ」が行われました!2人のインタビューは記事の後半にあります。

左:照内さん   右:波多野さん

第1回目は西ノ島のいかあ屋フェスにて開催されました。
内容はビーチクリーンなどで集めたペットボトルキャップでキーホルダーを作るというもの。午前中はしまっこ向けに、午後は一般客向けに行われました。

しまっことは
土曜日に行う西ノ島小学校に通う子どもたちを対象とした教育活動のこと

はじめは大人の島留学生が準備したポスターと動画から、海洋ごみが引き起こす影響を子ども達に伝えます。

真剣に話を聞く子どもたち。海洋ごみが地球や私たちの生活にどのように影響するのか、分かりやすく学ぶことができました。

さっそくキーホルダーを作っていきます!

好きなフレームの中に細かくしたペットボトルキャップを山盛りに置いて…
アイロンをギュッと押しつけて溶かします
すると…
完成!

ペットボトルキャップが溶けて素敵なキーホルダーができました。
作り終わった後は、ゴミを減らすために「自分ができること」をそれぞれ考えます。

子どもたちにとって想像しやすい題材があると、このような問題に対しても小学生から意識できるようになるんだなと実感しました。楽しんで学んでもらえたのではないでしょうか!


ワークショップ終了後、照内さんと波多野さんにお話を伺いました!

左:照内さん 右:波多野さん

ーー本日はお疲れ様でした!早速ですが、2人でワークショップを始めた経緯を教えてください。

波多野さん:
4月のはじめ研修で島めぐりをした時、耳浦海岸とか外浜海岸に行く機会があったのですが、すごい海にゴミが落ちてるなって思って。それから観光協会で働き始めて、観光客に見せてるパンフレットとかチラシとか、全部綺麗な状態の海ばかりなことに違和感を覚えて。

前に香川県の直島に1人旅をした時に、美術館にゴミが展示されているのを見たことがあって、その時境問題に対する意識が芽生えたから、それをこの島でも形として残せたらなって思ったのがきっかけです。

ゴミって身近にあるものではあるけど、それを意識的に見るってあまりないから、それをあえてみせることが環境問題を考える上で大切なことなんじゃないかなって。

香川県の直島にあるベネッセハウスミュージアム

照内さん:
子ども達にはビーチクリーンの活動に誇りをもってもらいたいし、島の外に出たときに話せるような経験をさせてあげたい。
綺麗な海しか見たことがない子も中にはいて、もっと西ノ島のすべてを知ってほしいなって思った時、テレビ番組で見た廃棄物でアートを作る美術家の長坂真護さんという方を思い出して。それで観光協会と教育委員会で協力したという形ですかね。

ーー進めていく中で難しかったことはありましたか?

波多野さん:
まだ仕事が始まって2週間も経ってない4月下旬に企画書を作ったので、まず誰にその話をしていけばいいのか分からなかったです。最初海月堂に行ってオーナーの方に話してみたら相談に乗ってくださって。あそこだったらこの人が教えてくれるかもしれないよって教えてもらって、そこからどんどん人脈づくりをした気がします。

照内さん:
これ以外にもタスクを抱えているし、お互い違う職場だからミーティングするタイミングも難しかったね。
あと多くの子ども達に来てもらうために、楽しそうなイベント名にした方がいいよって上司からアドバイスをいただいて。ただの「ビーチクリーン」じゃなくて「材料ハンティング」にして心が躍るような言葉にしました。

耳浦海岸で行われた材料ハンティング

ーー今日のワークショップを振り返ってみてどうですか?

波多野さん:
意外と子ども達が来てくれて嬉しかったです。でも、当日の流れをあまり考えられていなかったのは反省点。キャップを溶かしている間の待ち時間が結構あって、待つことが苦手な子も多いと思うから、待ってる間にミニゲームみたいなのができたらよかったのかなと思います。

照内さん:
その面ではいかあ屋フェスの中でワークショップができてよかったよね。いろんなお店が出店していたから、待ってる間はそこに遊びに行ってもらってもいいし、走り回れる広場もあるからね。

コミュニティ図書館 いかあ屋

ーー今日のワークショップで大事にしたことはありますか?

照内さん:
失敗したら失敗したで気づくことだったり得ることはあるから、基本的に自由にやってもらって。今日だったらキーホルダーを作って「ここ穴空いてるね」とか、「ちょっとキャップの量が少なすぎたね」みたいな、気づきから改善するサイクルが、彼らの中に出来たらいいなって思って接していました。あとはキーホルダーを作るだけじゃなくて、環境問題について意識を持って欲しかったので、ポスターを使って説明したり梅ちゃん(大人の島留学生)に動画作ってもらったり。ありがたかった。

波多野さん:
この問題を100%理解するのは今は難しいと思うから、5%とか10%とか少しでも覚えてもらうのが子どもたちにとってはいいのかなって。やったことがいつか何かと結びついた時に、「こういうこともあったな」って思い出してほしいです。 

ーーこれからどんなことにチャレンジしていきたいですか?

波多野さん:
本当は、子どもと大人と観光客が参加していろんな人が集まるワークショップがやりたくて。それでいろんな交流が生まれて大人の島留学生と関わる機会が増えたら、今ある現状に対する島民の方のアイディアと観光客や大人の島留学生のアイディアをじっくり話せる場所づくりにもなるのかなって思っていて。あと外国人のお客さんも最近増えてきていて、島の方は町中で外国人と話す機会は多分あまりないだろうから、文化と年代と国籍を超えたイベントができたらいいなと考えています。

西ノ島は温かい方が多いところが、1番の魅力ではないかなと個人的に思っているので、観光客の方には景勝地だけではなく島民の方の温かさに触れてもらえるようなイベントを今後も考えていきたいと思います。

照内さん:
これからも海岸に流れ着くゴミをはじめとする環境問題だったり、この西ノ島という土地だからこそできる活動は、続けていければいいなと思っています。あとは、子どもと大人の交流ができる機会を増やしていきたいです。子供から大人へ、大人から子供へと刺激を与えあうことで、お互いに成長できる機会は大切だと思うので。

何より子どもたちに「楽しかった!」と思ってもらえるような活動をやっていけたらと思います。

(R6年度大人の島留学生:中島)


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