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【書籍収録】同じようでいて、みんな違う。|ハンバーグ

『ハンバーグ』は誰もが知る定番料理でありながら、これほどバリエーションが豊富な料理も珍しい。

お店で提供する料理では「普通である」ことは商品価値になりにくく、レシピ作りはまず「普通と違う」ことに重きをおいて考え始める。ひき肉は合挽きから牛100%豚100%もあり、そこに『つなぎ』の有無、それによって柔らかいのか固いのか、中にチーズを詰めるか何ならフォアグラか、さらにソースはどうするかなど、際限なく考えられる自由さは心強くもあり、裏を返せば正解の無いメニュー開発者泣かせの手強い料理とも言える。

そのせいか、家で私が作るハンバーグは「いたって普通」が好み。タネはつなぎ多めのふっくら食感で焼いた時に割れにくく、お店のように強火で焼き上げる熱さと香ばしさに代わって、フライパンで蒸し焼きにした湯気をしっとり纏う。ソースの味わいだけは少しおとなっぽく、赤ワインベースにバターでコクを加えるのがポイント。これがワインはもちろん、不思議なくらいごはんにも合う。

ただこれはあくまで私の思う「普通」であって、みんなそれぞれに違う「普通」がきっとある。こどもの頃から親しんだ味、通った店で満たされた味。「ひき肉を練って焼いたものに、何らかのソース」そこから先は、同じようでいてみんな違う。そんな懐の深さが『ハンバーグ』という定番料理の魅力です。

現在発売中の書籍『おとな料理制作室へようこそ』(ワニブックスより9月10日発売)に掲載の料理から、第三弾として『おとなのハンバーグ』の動画を公開しました。これが私のハンバーグ、みなさんの好きなハンバーグとの違いをぜひお楽しみいただけたらと思います。

●同じようでいて、みんな違う。『ハンバーグ』
家でもお店でも大人気のハンバーグ。仕事でたくさん作り続けてきた結果、わかったことは「とにかくみんなハンバーグが好きだということ!」


急に冷え込んで、湯気上るしっとり温かい料理が恋しい季節になりました。

大根おろしとなめこたっぷり“つゆだく派”『揚げ出し豆腐』も、つるりつるりと体の芯から温まる、秋におすすめの料理です。書籍[三章-秋-]収録

それでは今日はこのへんで。
最後までお読みいただきありがとうございました。

お読み頂きありがとうございます。 これからもおいしいお料理とおいしいお酒をたくさんお届けします。