学ぶべき4つの科目
今日は、「とてつもない数学」(永野 裕之)の感想を書きます。
「とてつもない」=「途轍もない」
「途」=「道」と「轍(わだち)」から、「途轍」は、「道筋」や「道理」ということ。つまり、「とてつもない」とは、「道筋から外れている」こと、「常識では考えられない」「並外れている」という意味を表すことになったそうです。なるほど。
さて、どんな「とてつもない」だろうか・・・
完全にタイトル買いした本です(笑)
どんな本か
著者の永野先生は、大学の先生ではなく、数学の個人塾を主宰されている方です。
数学と向き合う人生の中で何度も数学のとてつもなさを感じ、多くの方に数学を広めたいという思いも何度も出会う発見や感動から湧き出たのではないかな・・・と、これは私の勝手な想像なので、本当のところ、どうなんでしょう。
ですが、今日ご紹介する「とてつもない数学」が数学愛にあふれているのは間違いないです。
さて、この本、章立ては以下のようになっています。
ある章だけ読む、というのもOKな形式です。
ちなにみ、私は電子書籍と紙の本の両刀使いなのですが、こちらはKindle版を購入しました。
1章 とてつもない数式 数で世界のすべてを記述する
2章 とてつもない天才数学者たち 奇人・変人たちが抽象思考の極北に挑む
3章 とてつもない芸術性 完成に訴える数学の「美」
4章 とてつもない便利さ 現代社会のテクノロジーを支える
5章 とてつもない影響力 世界史は数学とともに発展した
6章 とてつもない計算 インド式、便利な暗算、数学パズル
私の気になりポイント
「数学」と聴くと、・・・ちょっと
という方や
テクノロジー的な話? インド式?
などと、想像をしがちですが、
私が最も気になったのは、数学という学問について書かれている「3章 とてつもない芸術性」です。
mathematics(数学)の語源はギリシャ語で「学ぶべきもの」だそうです。
算術( 静 なる 数)
音楽( 動 なる 数)
幾何学( 静 なる 量)
天文学( 動 なる 量)
おお、、、
凄いなぁ。
算術、音楽、幾何学、天文学か。
そして、さらに、なんと哲学を学ぶ前提にこれらを学ぶべきであると!
古代 ギリシャのプラトンが自身の開いた学園(アカデミア)におけるカリキュラムを定める際、哲学的問答を学ぶための準備として、16〜17歳までに 特に訓練する必要があると考えたもの
この話、初めて知りました。
たしかに、これはとてつもない!
もちろん、きちんと学び、身に着けてこそ、なのでしょうけれど、とてつもない学ぶものとして再認識しました。
身近な数学
さて、テクノロジー路線の話は数々ありますが、それはそれで。
今回は、音楽ですよ、音楽。
音楽動画の編集時にノイズ除去とかしますよね。
「しますよね」って特定の人だけかもしれないですが、最近の自分の身近な話として、ライブが思うようにできず、演奏動画を編集する機会あったので身近な話題なのです。
演奏者がそれぞれの環境で撮った録音データを集めて編集ソフトに取り込むと結構雑音が入っていることがあります。
これは編集ソフトの機能でノイズ除去をできるのでとても便利なのですが、数学的に言うと、「負の数」の概念で説明可能ですね。
もっと身近な話だと、少々ざわついた環境でも自分の世界に入って音楽を味わえるヘッドホンの機能、そうです、ノイズキャンセリング機能です。
性能の良いヘッドホンだと、ある特定の周波数のノイズを軽減したり、その加減の調整もできたりするようですが、これも数学的に「負の数」の概念へ到達できた結果生まれているテクノロジーの1つなんです。
さすがに、こっちの例の方が多くの皆さんに共感してもらえる話題かな。本ではヘッドホンの例が「1章 とてつもない数式」で紹介されていました。
結局、なんなのか
本自体は、「とてつもない」というキーワードに惹かれて購入、「数学」の話だと思って読み進めた訳ですが、
最初に学ぶべきは数学 「なるほど、やはりそうか・・・」
数学は芸術だ! 「そうそう(っていうほど理解できていないけど)」
芸術は必須の学問 「ですよね~(これが言いたかった(笑))」
・・・・と、全く個人的に好きな領域のお話でした。
という、読んで元気になった1冊でした。
音楽 の 美し さを 裏付ける 合理性 は、 そのまま 数学 における 合理性 に 通じる こと も 発見 し た。
著者の永野先生も音楽で生計を立てていたこともあるという方で、上記が書かれていました。
合理性と美しさ・・・いろいろ納得です。
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