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視覚に囁く『小ご絵』

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いつも大きくて立派な扉ばかり見せられてきたように思う。 深く考えることなく、大きくて立派な扉ばかり追いかけてきたように思う。 だけどいつもうまく開けられるわけじゃない。 ある… もっと読む
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2022年5月の記事一覧

うらはらな。

「素直になれないのは性分。たくさん甘えたくなっても、ワンコと違って『遊んでよ』とは口が裂…

女「あ」

 字句を連ねてつづる物語がある。連ねず語る物語もある。  1枚の絵は、時に饒舌な物語だ。…

デジタル化の非効率。

 スマホで注文する店が増えた。QRコードを読み込むとお店のメニューが現れて、注文するシステ…

誰だ?

誰だ? この時期になると決まって空に穴を開けるヤツは。

ビアノ・レッスン。

 五指の運指じゃかなわないけど、四肢の運肢で名曲に挑む。どうよ、可憐なステップ。  今?…

どこでも出口。

 毎日過ごしていると、目盛りが上がるように息が詰まってくのは、呼吸領域が限定されているか…

平和の鳥瞰図。

 テレビを観ていた。人を嫌う山々が三角頭を並べる山中に、されるがままにたゆたうオフィーリアのように、運命さながらゆらゆら四万十川が映し出されていた。  山と川には木々があり、命がある。非人工的な装いに、非人間的な世界広がる。  木々は爪先立ち、草は膝を抱えている。枝葉は影をつくり、影は命を隠していた。清水が川底から蠢きをうかがい、空を仰ぐ。  すると、ふと、空に。命を繋ぐために渡ってきた野鳥。  その中に、乾いた美声を、見つからず探させず、遠くで囀りを響かせ、原色の絵の具を引

棄てられた猫を拾う。

 似たものというものがある。偽か、真か。亜種としてなら本物でいられる。  血統書がなんぼ…

願い弾(ねがいだま)。

 願いを込めるのは叶えるため。願をかけるとも言う。銃鉄に指と願をかけ、願い玉を込める。思…

樹立。

 比較級で生きてると、しんどい。絶対価値で立たないと。でないと、足場探りの手探り狼狽。 …

そこのあなた、見えてます。

 見ているはずが、見られていることってある。遥か彼方の昔にいなくなった浦島の帰りを見越し…

遠き日、意識が目覚める日。

 ラジオをつけたまま眠ると、朝の目覚めと共に『音』なり『音楽』なり『声』が意識と符合する…

トップガン。

 終わっちまったGWは一巡しないと巡り訪れてはくれないけれど、GWが終わった直後、無性に映画…

わたしを離さないで。

「よしよし、また読んでいたんだね」  しゃべる猫がネットで有名だけど、うちのキャシーは本を読む猫。インスタ映えするわけじゃなし、とくだん有名になって欲しいわけでもないので動画アップはしたことないけど、少し読み進めては飛ぶようにやってきてしがみついてくる。 「今度は原語版に挑戦中なんだね」 『Never Let Me Go』  人それぞれ、猫それぞれに、心の琴線を揺さぶるものってある。