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デジタル化の非効率。

 スマホで注文する店が増えた。QRコードを読み込むとお店のメニューが現れて、注文するシステム。
 接触も減るし、人件費も節約できる。一石二鳥かと思いきや、落とし穴は大きい。
「スマホ、持っていないんですが」と、一期一会の隣客が言った。→ お店は貸出用端末を用意しなければならない。となると何台必要なのか、検証しなければならない。経費は?
「バッテリーがもうないんです」電池がカラだとスマホをカラカラ降って見せる客がいる。→ 各席コンセントが必要になるなと店思う。経費は?
「今月のパケットもう残っていません」肩を落として客嘆く。→ お店はお客にスマホで注文して欲しいから、WiFi環境整えにゃならんと思う。経費は?

 お店は、タブレットを用意すればしたで故障リスクや盗難リスクに遭遇するし、WiFi環境を整えれば整えたで電波泥棒対策を施さなくてはならなくなってくる。ほかにも、取扱説明用従業員の確保と教育も要る。

 あれ? 人件費分が浮くはずだったのに、とっくに浮いた分を超過しちゃってね?

 誰だ? ネット環境整えればビジネスは安泰、感冒の抑止効果にも貢献できるし、経済循環再稼働の波に乗れると、おだてるだけおだてて嘘ついたやつは。

 で、誰なのよ、結果として儲けたヤツは?

 飲食店の陰に、おかげで売り上げ伸びました、とほくそ笑む者あり。「次はどの店に導入してもらおうかな」

 経済再稼働の看板掲げて営業しにきた者こそ、経済活動の波を根こそぎ持っていっていたんだね。テレワークであれだけ儲けたっていうのにさ。

 という絵空事を、焼き鳥つまみながら、2杯目のビールをスマホで注文しながら、つらつらと、つらつらと考えていたのでありました。

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