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そびえ立つ反射炉の真ん中で 下克上の早雲


成り上がりの早雲

下克上とは、下のものが上のものを凌ぎ倒そうと猛威を奮うことである。
そんな下克上の代名詞とも言える戦国大名がいる。
その名も北条早雲。
一介の素浪人から戦国大名にまでのし上がったとされた、
まさしく下克上を成し遂げた人物だ。

早雲_R (1)

そのような人たちを尊重し、ビールに早雲の名をつけたビールブランドがある。
その名も反射炉ビヤ。伊豆の国市で活動する蔵屋鳴沢が製造しているビールブランドだ。


韮山反射炉と蔵屋鳴沢

反射炉ビヤについて紹介する前に、反射炉とはなんなのかを説明したい。
反射炉は金属を融解する設備の1種で、鉄の精錬などに用いられていたものだ。
全国の反射炉の1つが、江戸時代末期に伊豆の韮山に建てられ、
その韮山反射炉の目の前にて製茶業に従事していた株式会社蔵屋鳴沢が、1994年の酒税法改正によりビール市場に参入できるようになる。
そこで、反射炉を訪れる人々にも喜んでもらうために、ビール製造を始めたのが今の蔵屋鳴沢だ。

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幕末の頃、伊豆の名代官だった江川太郎左衛門英龍が、韮山の地に国防のため反射炉を築き、日本初のパン製造を行ったりと、西洋文化を採り入れることに秀でた人物であったため、この地で造るビールも先人の功績にあやかり、「反射炉ビア」とした。

隣接するビール工場には網焼きレストランがあり、新鮮な肉、魚、野菜などが造り立てのビールと一緒に楽しむことができ、観光好き、ビール好きなど、幅広い人が楽しめる場所となっている。
そんな反射炉ビヤだが、現在3種類の定番ビールと2種類の準定番ビールを展開している。
そんな中でも、今回紹介するのは戦国大名にちなんだビール、早雲だ。

反射炉の目の前で造るビール

反射炉ビヤ 早雲は、紛れもないただの浪人から戦国大名にまで至った北条早雲からとった名だ。
昔、米国のホームブルワー(自家醸造家)たちが奮起し、ビール業界にクラフトビールを普及させたことに敬意を評すためにこの名前がつけられた。
その敬意によるものなのか、スタイルはアメリカンペールエールで、米国産ホップが使用されているために、それ由来のシトラスのような風味と爽やかな香りが特徴的なビールである。
2、30種類のモルトを用いて多様なフレーバーを産み出し、数種のホップを使い分けて味を調整するなど、香りにも苦味にも質的な面において物差しでは測りきれない深さを感じさせる。

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この香りは、山中で吸う空気と近似している。
空気に混入物が無いのではないかと思わせるほどに爽やかでつい胸いっぱいに吸い込みたくなるため、ワインを初めに香るように、一度飲む前にしっかりと香りを確かめてから飲んでみていただきたい。
下克上の過程にいる人にとっては勇気づけられる背景の名前でもあり、
言語化できぬ苦しみに取り憑かれている方には、このビールはおすすめできる。

飛躍の一助に

下克上を成し遂げた戦国大名の名前がモチーフになった早雲。
どんなに強靭な相手に対しても奇策で潜り抜け、頂まで上り詰める。
そんな、上に駆け上がる姿を想像すると、幾分勇気をもらえることが多いものだ。

観光地としても有名な伊豆韮山反射炉と、その目の前でビールを醸造する株式会社蔵屋鳴沢が作る反射炉ビヤ。
どれも十全と語るには時間が足りないほど背景となる歴史が奥深く、
その歴史に恥じないビールとなっている。

反射炉ビヤロゴ_R (1)

是非一度韮山反射炉や北条早雲の歴史に触れてから早雲を飲んでみて欲しい。
このビールが小さな一歩を踏み出せないでいる人に届きますように。


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