何年も前の毛の話。いづこに。

昔から、人をイラっとさせたり、
キレさせたりすることが多い。

最近、だいぶマシになってきたが、
一触即発になりそうなことがたまにある。

それが怖いし、嫌なので、
人と距離を取ったり、
話すことを減らしたりもしたが、
あんま変わんないのと、
話すのを止めるのは違うかと思い、
最近は話すことを増やしている。

んで、数年前の出来事を思い出した。

友人と食事をしていた時のこと。
確か、五反田あたりのどっかの居酒屋。

だいぶ酒を飲み、上機嫌だったアタイ。

トイレに行き、席に戻ろうとしたら、
ちょっと先に、若い兄ちゃんらがいた。

テンションが上がっていたのもあり、
何か、兄ちゃんと仲良くなりたくて、
兄ちゃんの方をじっと見た。
数秒は見ていたかなあ。

あ、ちょっとカラむ空気じゃないかと思い、
兄ちゃんから視線をずらし、席に戻った。

で、自席で仲間と楽しく飲んでいた。

そしたら、怒号が響き、
首から上に激痛が走った。

さっき目を合わせた兄ちゃん、
そして、その兄ちゃんの仲間2人が、
「てめぇ、このやりゃああぁ！」
って言いながら、
俺の髪を引っ張るわ、
俺の顔面を引っ掻き回していた。

どうやら、俺が兄ちゃんにメンチ切ったと勘違いされ、それにキレた兄ちゃん＋兄ちゃん2号が攻めてきたのだ。

友人は、俺が「兄ちゃんと仲良くなりたいな……あ、今じゃないか……」のくだりを知らないので、急に目の前で起きてる惨事に慌てふためいていた。

「一体何が起こってるんだ！」と。
そりゃそうだ。そして、それは俺も同意見だ。

長いこと、その状況が続いてたんだけど、
兄ちゃんらの先輩らしき人が現れ、
「おうい！何しとんねん！」
って、一喝してくれたら、何か収まった。場が。

せっかくの飲みの場を乱して申し訳なかったなあ。
双方に。
仲良くなりたかっただけなんだけどなあ。
ちょっとだけ、シザーハンズの気持ちが分かった。
泣いた赤鬼の気持ちも、ちょっとだけ分かった。

顔面に、かなりの切り傷ができ、
次の日の職場で「ちょっ、どしたの！？」
って、つっこまれるとワクワクしてたら、
誰からも触れられなかった。

酒飲んでイキるのが良くないんだなあ。
楽しく飲まねばなあ。
楽しかったんだけどなあ。
自分だけ楽しくてもダメよねえ。
早く人間になりたい。
の、ベム、ベラ、ベロの気持ちも、
ちょっとだけ分かった。

酒は楽しく。
人に優しく。