新卒一年目で適応障害になるのも無理はないよねって話【辛い時は辛いでいい】
本日もお疲れ様です。
こぺです。
僕は2019年8月末、新卒5ヶ月で適応障害を発症しました。
現場に配属されてからは僅か2ヶ月です。当時は絶対に認めたくありませんでした。自分が職場に行けなくなったことも、精神疾患を患ったことも。
なぜならそれまでの人生はそこそこ上手くいっており、自分が挫折するなんて思ってもいなかったからです。プライドって本当に厄介ですね。
この辺りの詳しい経緯はプロフィールをご覧ください。
しかし今になって考えてみると、仕方ない部分も結構あったんじゃないかなと思う今日この頃です。
そこで今回は、
・新卒一年目で仕事が辛くてたまらないが、どうしたらいいか分からない
・まだ入社一年目なのに適応障害と診断されてしまい、絶望している
・今さえ乗り越えれば楽になる日が来るはずだと無理をしている
上記のような悩みや考えをお持ちのあなたに、「新卒で適応障害になるのも無理はないし、逃げるのも全然悪くないよ」と声を大にして言いたいです。
もちろん適応障害になんてならず、皆が環境に恵まれ順風満帆の日々を送れることが一番です。しかし職場の数だけ違った環境があり、人の数だけ人間関係がありますよね。
だとすると、全ての新入社員が環境にマッチして、何も違和感を感じずに過ごせる方がおかしな話です。つまりどんなに優秀でも、ストレス耐性があろうと、適応障害を発症する可能性はあるんです。
そこで大切なのは、適応障害の正体を知り、自分の持つ選択肢を把握してそれらを冷静に選択すること。そして、自分の不調をいち早く察知し早期に対応することです。
この記事では、
・適応障害とは何者なのか
・なぜ新卒が適応障害になるのも無理はないのか
・適応障害になった場合に考えられる選択肢
・早期に手を打つために気を付けておくべき症状
など、もしあなたが今の環境に違和感を感じていれば、ぜひ目を通していただきたい内容を盛り込んでいます。
「自分だけ情けない」とか「周りはもっと大変そうなのに」と悩んでいるあなたを、少しでも勇気づけられれば幸いです。またそれに便乗して、新卒1年目で適応障害を発症して逃げ出した自分を励まそうと思います(笑)
では、書き進めてまいります。
新卒一年目で適応障害になるのも無理はないと僕が思う理由
新卒一年目で適応障害を発症するのは、ある意味仕方のないことだと思っています。
その理由をご説明する前に、適応障害とは何者なのかを簡潔にお伝えしようと思います。
適応障害とはストレスが原因で引き起こされる感情や行動の症状によって、仕事や学業、家事育児を行うなどその人の社会的機能が大きく阻害されたり、困難になっている状態である。
(引用:Docters File 適応障害)
つまり適応障害とは、外部からの刺激がその人の処理できる許容量を超えることで、誰にでも起こり得る精神疾患の一つなのです。
許容できるストレスの量・種類は人それぞれです。この点におい他人と比べる必要は全くありません。
これらを踏まえ、新卒1年目のあなたが適応障害を発症するのも無理はない、と僕が言う理由は以下の3つです。
・学生時代と生活が180度変わる
・新入社員は無理して当然だと思っている
・環境も仕事が合っているかも働いてみないと分からない
それぞれ一緒に見ていきましょう。
・学生時代と生活が180度変わる
「当たり前だろ。」そんな声が聞こえてきそうですね。しかし僕は、学生から社会人になるほど大きな変化はないのでは、と思っています。
・少し怠かったら休めた学生と休めない社会人
・嫌な人とは関わらないこともできた学生とできない社会人
・毎日好きに過ごせた学生と最低でも週5日40時間は拘束される社会人
挙げればキリがないですが、あなたを取り巻く環境はガラッと変わります。
それに加え、興味の持てない業務内容、複雑な人間関係、転勤などが絡んでくれば相当に大きなストレスとなり得ます。
・新入社員は無理して当然だと思っている
新卒で適応障害を発症する方の多くは、この考えをお持ちだとと思います。そのため、少し辛くても自分が頑張ることで物事を解決しようとし、許容量を大きく超えてしまいます。
もちろん新入社員が大変な立場であること、それを乗り越え成長する必要があることは重々承知です。しかし、それは環境が整っている前提です。
何もかも自分の責任として抱え込めば、そのツケはいずれ払うことになります。新入社員であっても許容量を超えて無理し続ける必要はありません。必要な休養は必ずとりましょう。
会社は人員が欠けても回るような仕組みを作っています。誰かが休んで回らないのは、そもそもの構造に問題があります。
まして新入社員が休むだけで仕事が回らないことはないですし、休養は決して逃げや甘えなんかではありません。自分の健康をセルフコントロールできることは立派なスキルの一つです。
・環境も仕事が合っているかも働いてみないと分からない
就職活動の際、多くの人は自己分析や企業研究をして、自分のやりたいことや適性とその会社での仕事がマッチしているかを考えます。
しかし就職活動を進める中で、入社したい大手企業に合わせた自分を演じたことはないでしょうか?
僕は企業に合わせて色々な自分を演じていました。
また企業の明会に参加してもOB訪問をしても、実際の職場環境は働いてみなければ分かりません。
入社前に話を聞いた人はその企業の社員の一人です。
入社後にあなたの上司になるのは、全く違った人という可能性は大いにあり得ます。
このように、実際に働き始めると、入社前に抱いていた理想とギャップを感じることがあります。
その際に、上述した「新入社員だから」とか「頑張って入社した会社だから」のように、自分の心に背き続けると必ず無理が生じます。
あなたが肌で感じた違和感は、ほとんどの場合正しいです。
その感覚をあなた以外の誰にも否定する権利はありません。
一度立ち止まって考え直すのも良いでしょう。
このように新卒一年目は、環境の変化やその立場、理想とのギャップなどストレスとなり得る要因が多くあります。
人はストレスに抵抗できますし、一時的ならば火事場の馬鹿力で乗り切ることもできます。
しかしその抵抗力も長くは続きません。継続的にストレスを受け続ければ抵抗力も枯渇します。その結果、適応障害という疾患に発展します。
新入社員は日々、大きなプレッシャーやストレスを感じる立場なので、その抵抗力が持続できず適応障害を発症してしまうのも無理はないと思えます。
新卒で適応障害になっても焦らず一歩ずつ
ただ、僕がどれだけ「新卒で適応障害になるのも無理はないし、焦らなくて大丈夫!」と言っても、あなたは焦ると思います。絶望すると思います。
初めはそれでもいいですが、僕が伝えたいことは今後も変わりません。
決して焦る必要はないし、絶望する必要もありません。
僕も当時は何度も自殺を考えるくらい絶望しました。同期は辛いと言いながらも、仕事の愚痴を言いながらも、毎日通勤して着々と結果を出しているのに僕は何をやっているんだろうと。
ただ、今では「適応障害にはなるべくしてなった」と考えられるようになりました。自分の心から目を背け、誰かの期待に応えることを第一に行動し続けた僕に、心身がSOSを出した結果なのだと。
それに、適応障害になって悪いことだらけではなかったと思っています。
・自分に嘘をつき続けるには限度があると分かった
・本当にダメな時には逃げていいと学んだ
・自分と向き合う必要性に気づき、行動に移せた
・他人軸ではなく自分軸で生きていいと強く感じた
もっともっと多くの気付きを適応障害という病気から得られました。もちろんそうなる前に自ら実践できるのが一番ですが...(笑)
しかしどんな形であれ、適応障害は今後生きていく上での重要な気付きをくれました。
まだ治療の真っ只中ですが、必ず改善できると信じていますし、新しく生まれ変わる自分を今から楽しみにしています。
劇的に自分が変わることも、これまで培ってきた価値観を一気に変えることも難しいです。ただし、少しずつなら必ず変わることができます。できなかったこともできるようになります。
だからあなたも決して焦らず、僕と一緒に歩みを進めて行きましょう。
新卒一年目で適応障害になったあなたが持つ選択肢
少し精神論的な話になり熱くなってしまいました。失礼いたしました。
ここからは、新卒で適応障害になったあなたに、具体的にはどんな選択肢があるのかをお伝えしたい思います。
追い込まれると恐ろしいほどに視野が狭くなります。
いくつかの選択肢があるにも関わらず、会社を辞めることしか見えなくなるケースも往々にしてあります。
もしあなたが、「こんな会社辞めてやる!」と退職しか見えなくなっているのならば、どんな選択肢があるのかだけでも理解していただきたいと思います。
あなたが持つ選択肢は以下の4つです。
・環境調整を願い出る
・休職して療養後、復職する
・転職して環境を変える
・退職して療養に専念する
個人的には、上から順に試していただくのが良いのではないかと思っています。では一緒に見ていきましょう。(細かく別記事にしているものもあるので、よかったら覗いてみてください)
・環境調整を願い出る
恐らく初めに思いつくのは、転職や退職という完全に現状から離れられる選択でしょう。ただ、新卒ではハードルを高く感じる部分もありますよね。
そんなあなたは、まずご自身のの状況や悩みを社内の誰かに相談できないか考えましょう。
伝えるまでは吐き気がするほど緊張しますし、弱い自分を晒すようでかなり抵抗があると思います。
しかし、意外にも真摯に聞いてくれることや、「気が付かずにごめんね」と対応をしてくれることもあります。
それで業務量や人間関係を見直してもらえれば、その会社で仕事を続ける可能性も見出せます。
転職は退職では一時的にストレス要因から離れられますが、また違ったストレスや不安に襲われることも少なくありません。
今の場所で改善できるならそれがベターでしょう。「それでもダメなら転職や退職しよう」と考えても全く遅くないですよ!
・休職して療養後、復職する
しかし、あなたが長期にわたって自分に無理を強いていた場合、心身ともに回復の時間が必要になります。また環境を調整するにもすぐには難しいという会社も多いでしょう。
そんな時は、休職制度を使って心身のエネルギーを充電する期間を設けましょう。
まずは、会社に休職制度があるか、また新卒でも問題なく使えるかどうかを就業規則または上司に確認しましょう。(在職期間によっては使えない場合もあるため)
ここでは復職としていますが、必ずしも復職をゴールに設定しなくても大丈夫です。休んで心身ともに充実しても、元の環境には戻れないと感じれば、転職や退職も視野に入れて行動しましょう。
まずは冷静な判断を下せるレベルまで、心と頭をクールダウンしてあげる期間を設けることが非常に重要になります。
・転職して環境を変える
確実に環境を変えることが可能なのが転職です。
「新卒で適応障害になって転職なんてできるのか」と不安もあるでしょうが、結論は可能です。
ただし、転職するにしても焦りは禁物です。
転職活動も、転職後の環境の変化も全てがあなたのストレスになり得ます。
心身の状態が芳しくなければ、まずは療養に専念しましょう。
また、転職で必ず状況が改善する訳ではないという点は注意しておきましょう。
せっかく転職した先で再発というのが一番もったいないことなので...(そうです、僕のことです)
・退職して療養に専念する
休職をするのにも最低限会社とのやりとりが必要になります。また、嫌でも休職期限の満了はちらつきますし、復職を考えさせられます。
そうした会社との繋がり全てがストレスに感じられ、あなたの心身を蝕むようであれば、退職してまっさらな状態で療養することも一つの選択肢です。
しかし新卒で退職すると、失業手当の対象にならなかったり退職後の傷病手当金が受給できなかったりします。そういった経済的な不安から療養が疎かになるのは、これまた本末転倒です。
では一体どうすればいいのでしょうか?
心身ともに疲弊している状態で正常な判断をするのは困難です。休職制度を利用する(有給や病欠で少し休ませてもらう)などして回復の期間を設け、冷静に判断できるようになってから決断すると良いでしょう。
もちろん、一刻も早く離れた方が良い職場で働いている方もいるので、勢いで辞めてしまうことも否定はしません。
しかし、選択肢を比較検討し冷静に判断することだけは、忘れずに行うと良いでしょう。
新卒一年目で適応障害になった僕が犯した3つの間違い
僕も今でこそ、少し冷静に適応障害と向き合うことができるようになってきました。
しかし今振り返ると、当時の考え方は間違っていました。
特に下記の3つは、適応障害の再発にも結び付いた誤りでした。
・まだ頑張れると言い聞かせた
・全てを外部環境のせいにした
・適応障害になる前の自分に戻ろうとした
何がどういけなかったのか、振り返りもかねて書いてまいります。
・まだ頑張れると言い聞かせた
適応障害と正式に診断される前の話です。
仕事は確かにキツかったです。
真夏に自転車に乗って延々と飛び込み営業をしては名刺すら受け取ってもらえない。
話すら聞いてもらえない。
歓迎されていないのを分かっていながら何度も足を運びました。
毎日確実に精神をすり減らしていました。
それでも「まだ頑張れる」「努力が足りない」と自分に言い聞かせていたら、ある日突然プツンと糸が切れました。
新卒だから、社会人だから、仕事だからと自分の感情をどんどん後回しにしたのが一番の間違いでした。
世間の普通や順調な道から逸れるのは怖いですが、それ以上に自分の気持ちに無関心になってしまう方がよっぽど恐ろしいです。
本当にまだ頑張れますか?
頑張るべきですか?
自分の心の声に今一度耳を傾けてみましょう。
ちゃんと意識しないとかなり難しいです。結局転職先でも「まだまだ」と頑張っていたら再発してしまいましたから...。
・全てを外部環境のせいにした
「転職して環境さえ変えれば絶対に次は失敗しない」というのも大きな勘違いでした。
要は前職の環境が悪かっただけで、自分に問題があるとは思っていなかったんですね。
しかし実際には、僕の考え方には偏りがあり、対人スキル(コミュニケーション能力)においても未熟な部分が多かったです。
そのため、転職先で業務内容のストレスは減りましたが、人間関係が原因で適応障害を再発してしまいました。
もちろん明らかなブラック企業やハラスメントなど、外部環境が大きな要因になっているケースもあります。
しかし、適応障害は外部要因と内部要因(ストレス耐性や物事の捉え方)の双方が絡み合って発症します。
つまり、ストレス耐性がある人も過剰なストレスには耐え切れないし、ストレスが小さくても繊細な人は深く受け止めすぎてしまうことがあります。
そんなことも考えずに、外部環境だけを変えた僕は見事に適応障害を再発しました。
自分を責める必要はありませんが、心身が回復して冷静に物事を考えられるようになったら、カウンセラーなどの第三者を通じて客観的に自分を見つめ直すのも重要です。
・適応障害になる前の自分に戻ろうとした
適応障害になってしまった時、一番に考えたのが「早く前の自分に戻りたい」ということでした。しかし、今ではそれが不可能かつ無意味だと考えています。
まず、不可能だという点については簡単です。起きてしまったことをなかったことにはできないし、時を戻すことはできないからです。
そして無意味だという点については、前の自分に戻ったところで同じことを繰り返すからです。
事実僕は、新卒一年目で適応障害を発症しましたが、休職を経て心身ともに順調に回復しました。
正に元通りでした。しかし復職しては3日で再休職、転職しては再発と散々な結果です。
それはただ元通りになっただけだったからです。
何も自分をアップグレードすることなく、同じようなストレスに何度もやられていたんです。
傍から見たらとんでもなく滑稽ですよね。
なので今は、前の自分に戻りたいという気持ちはなくなりました。
必要なのは適応障害という経験をして、一皮剥けた自分になることだと考えています。
新卒だからって我慢しない‼こんな症状があれば適応障害を疑おう
ここまでは、新卒で適応障害になってしまった方に向けて書いてまいりました。
ただ、中には実際に診断を受けた訳ではないけれど、今の環境が辛くて仕方ないという方もいらっしゃるのではないでしょうか
そんなあなたにとって何より大切なのは、早い段階で手を打つことです。
早期に対応するためにはあなた自身がご自分の不調に気づき、無理や我慢をせずクリニックに相談する必要があります。
ただ一口に適応障害と言っても、症状は様々で個人差があります。
そこで、以下のような症状が出てきたら「心からのSOSかな?」考えていただきたいものをご紹介します。
・睡眠障害(夜眠れない、深夜何度も目が覚める、朝起きられない)
・職場(仕事)が近づくと動悸や吐き気がする
・悲しくないのに涙が出てくることがある
・言われたこと、書いてあることが理解できなくなる
・イライラしやすくなったり、何かに依存したりする
・好きなことをするにも気が進まなくなる
症状は他にも多岐にわたりますが、僕が経験したものや代表的なものを挙げました。
特に、睡眠については非常に多くの方が問題を抱えているように感じますし、実際に睡眠と適応障害の発症リスクは大きく関係します。
睡眠時間が6時間を下回ると、抑うつや適応障害の発症リスクは高まり、4時間未満の睡眠が20週以上続くと発症率は80%にもはね上がります。
(参考:もしかして、適応障害? 会社で“壊れそう”と思ったら )
上で挙げた症状に合致する、もしくは少しでも不安な方は下記のセルフチェックを試し、クリニックを受診する目安にしてみてください。
「辛い、苦しい」と思う気持ちに立場は関係ないし、新卒だからといって我慢をする必要もないです。
何度も申し上げますが、対応は早いに越したことはありません。
これを読んで、少しでも早く相談できる方が増えれば嬉しく思います。
最後に:新卒で適応障害になっても焦らない!そこは星の数ほどある環境の一つ
この記事では新卒で適応障害になり、誤った向き合い方で再発した僕からあなたに向け、
・新卒一年目が適応障害になるのも無理はない
・そうなったとしても決して焦る必要はない
・適応障害を発症した後に考えられる選択肢
・僕が適応障害になった時に犯した過ち
・こんな症状があれば注意してほしい
という流れでお伝えしてまいりました。
もちろん新卒一年目が大変なのも、努力して乗り越えるべきことがあるのも分かっています。
壁を打ち破ってこそ成長の機会を得られるでしょう。
それ自体を否定するつもりはありません。
しかし、それはあなたの心身を犠牲にしてまでやりたいことでしょうか?
新卒で入った会社、なんだか人生の全てのように感じてしまいますよね。
一年目で辞めたり休んだりするのは逃げだと言われると、益々そんな気がしますよね。
めちゃくちゃ分かりますが、全然そんなことありません。
その会社、その環境は星の数ほどある中の一つでしかないです。
あなたにより適した環境は必ずありますし、それを見つけ出すこともきっと可能です。
だから決して、新卒で適応障害になったとしても焦らないでください。
この記事が少しでもあなたに勇気を与えられれば非常に嬉しいです。
ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。
ではまた(^^)/