見出し画像

深海のフシギな生きもの ー水深11000メートルまでの美しき魔物たち


深海のフシギな生きもの ー水深11000メートルまでの美しき魔物たち

 深海生物の本です。類書の中では、読みやすいほうだと思います。

 その理由は、第一に、写真が多いことが挙げられます。
 第二に、その写真が、どれもこれも美しいです。解説文を読まずに、写真だけを見ていても、目を奪われます。
 解説文を読めば、もっと、ためになります(^^)

 深海生物の写真には、どうしても、死んで標本になったものが多いです。
 それは、仕方ないことだと思います。生きている深海生物に出会うのが、難しいからです。そのうえ、人さまに見せられる写真を撮るとなると、さらに難易度が上がります。

 本書は、そのような悪条件がそろう中では、健闘していると思います。
 比較的、生きている深海生物の写真が多いです(^^)

 載っている生物の種も、これまでの深海生物の本では、あまり紹介されなかったものが多いです。
 オオタルマワシ(大樽回し)、ミツマタヤリウオ(三叉槍魚)、カエデゾウクラゲ(楓象水母)なんて、種名さえ、聞いたことのない方が多いでしょう。そういう生物の写真が、見られます(^^)

 これだけ贅沢に写真を使って、このお値段は、安いと思います。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。


 究極の愛のかたち ●オニアンコウの一種
 出合えなければ、死 ●オニアンコウの一種
 性転換する作戦 ●オオヨコエソ
 死体の中で子育て ●オオタルマワシ
 育つほどに強面【こわもて】になり ●キアンコウ


 大口を開けて静かに待つ ●オオグチボヤ
 思いっ切り口を開ける ●ミツマタヤリウオ
 あまりにも大きな口 ●フクロウナギ
 とことん広がるノド ●フウセンウナギの一種
 はずれるアゴ ●ダナホウライエソ
 鋭いキバ ●オニキンメ
 広がる胃袋 ●オニボウズギス
 シャベルつきの口 ●ゾウギンザメ
 ニセえさで釣る ●クロアンコウの一種


 限りなく透明に近づく ●トウガタイカの一種
 貝をなくした巻き貝 ●カエデゾウクラゲ
 扁平、銀色、発光作戦 ●トガリムネエソ
 赤いカーテンで隠す ●アカチョウチンクラゲ
 粘る光玉で隠れる ●ヒカリダンゴイカ


 大きくてつぶらな瞳 ●オオメコビトザメ
 双眼鏡搭載! ●クロデメニギスの一種
 見ることをあきらめて ●ソコオクメウオの一種
 感じる毛を、精一杯広げる ●ヒレナガチョウチンアンコウの一種


 ヒレとスカートでゆらゆら漂う ●ヒカリジュウモンジダコ
 妖しく泳ぐナマコ ●ユメナマコ
 奇妙な指のクラゲ ●ユビアシクラゲ
 美しい光の謎 ●テマリクラゲの一種
 骨から生える華麗な花 ●ホネクイハナムシ
 鉄の鎧をまとう ●スケーリーフット
 もうひとつのオアシス ●ゴエモンコシオリエビ

column
 ウナギ。その長旅の謎 ウナギのレプトケファルス幼生
 最新技術で深海に挑む ペリカンアンコウの骨格標本
 人魚伝説――竜宮からの使い リュウグウノツカイ
 見えてきた深海のドラマ クダクラゲの一種
 生命誕生の謎に迫る ガラパゴスハオリムシ



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?