見出し画像

魔法少女の系譜、その99~『ヤッターマン』~


 今回は、新しい作品を取り上げます。『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』です。テレビアニメです。
 『タイムボカン』の直接の後番組ですね。題名に『タイムボカンシリーズ』と付いていて、『タイムボカン』の後継であることが強調されています。
 昭和五十二年(一九七七年)一月から、昭和五十四年(一九七九年)一月まで、放映されました。まる二年以上も、放映が続き、全百八話もあります。これからして、人気作品だったことが、わかりますね。

 二〇一九年現在、二十代以下の方でも、『ヤッターマン』なら知っているという方が、多いのではないでしょうか。
 二〇〇八年に、『ヤッターマン』のリメイク版が、放映されたからです。二〇〇九年には、実写の映画が公開されました。深田恭子さんのドロンジョさまが、話題になりましたね。
 二〇一五年には、『夜ノヤッターマン』というスピンオフのテレビアニメ作品まで、作られました。

 最初に放映されてから、三十年以上も経って、リメイクやら、スピンオフやらができるのは、非常に根強い人気がある証拠です。
 実際、『タイムボカンシリーズ』の命運を決めたのは、『ヤッターマン』だと言えるでしょう。この作品こそが、シリーズの「定型」を作りました。それが、ヒットしたのです。

 『ヤッターマン』の主人公は、少年と少女の二人組です。これは、前作の『タイムボカン』から引き継がれています。
 対抗する悪役は、女性一人、男性二人の三人組で、女性がリーダーです。これも、前作から引き継がれています。
 奇想天外なメカが、毎回、登場することも、『タイムボカン』と同じです。

 『ヤッターマン』が、『タイムボカン』と大きく異なるのは、主人公の少年少女が、「変身ヒーロー/ヒロイン」であることです。メカに戦闘を任せるばかりではなくて、自分たちで戦うんですね。より戦闘要素が強くなっています。

 主人公の少年は、高田ガンという名です。名字が呼ばれる機会は、ほとんどありません。常に、ガンちゃんと呼ばれます。十三歳の中学生ですが、学校に通っている描写はありません。
 主人公の少女は、上成【かみなり】アイという名です。こちらも、名字が呼ばれることは、まずありません。常に、アイちゃんと呼ばれます。十二歳の女子中学生です。作中で、誕生日を迎える描写があったので、たぶん、十三歳になったのでしょう。彼女も、学校に通う描写はありません。

 ガンちゃんとアイちゃんとは、とても仲良しです。けれども、直接的な恋愛描写は、ほとんどありません。中学生らしく、健全なお付き合いのようです(笑)

 ガンちゃんの父親は、おもちゃ屋を経営しています。アイちゃんの父親は、電気屋を経営しています。でも、どちらの両親も、名前が出てくるだけで、画面には登場しません。家族の描写は、ばっさり切り捨てられています。

 敵役の三人組は、『タイムボカン』では、まとめて三人を呼ぶ名前がありませんでしたね。『ヤッターマン』では、ドロンボーという名が付いています。リーダーの女性がドロンジョ、男性二人が、ボヤッキーとトンズラーです。

 ドロンボーという名のとおり、彼らの職業は、「泥棒」です。ドクロストーンというお宝を探していて、常に悪だくみをします。泥棒というよりは、わりとケチくさい詐欺に手を染めることが多いです(笑)

 作品の全体のテイストは、『タイムボカン』と同じく、コメディです。細かい描写(ガンちゃんとアイちゃんの日常生活など)については、見事なまでに省略され、定型のギャグと戦闘に描写が割かれます。
 二〇一九年現在の目で見ると、突っ込みどころ満載ですが、そこまで含めて楽しむのが、『ヤッターマン』だと思います(^^)

 主人公のガンちゃんとアイちゃんは、ガンちゃんの父親が作りかけて、途中で放り出してしまったメカ、「ヤッターワン」を、協力して完成させます。ヤッターワンは、直立したイヌ型のロボットです。自我を持っていて、しゃべります。
 こんなメカを作れるんですから、ガンちゃんやアイちゃんは天才のはずですが、そういう描写は、作中にはありません。

 ガンちゃんとアイちゃんは、ヤッターワンを正義のために役立てようと考えます。ドロンボーの悪だくみを察知すると、ガンちゃんはヤッターマン1号に、アイちゃんはヤッターマン2号に変身します。そして、ヤッターワンに乗って、出動します。

 ガンちゃんとアイちゃんとが、なぜ、ヤッターマンに変身できるのかは、作中に、説明がありません(*o*) 普通の少年少女が、説明なく、変身ヒーロー/ヒロインになってしまいます。ここは、思い切った省略だと思いますね。

 ヤッターワンからは、毎回、動物型のメカが出てきて、ドロンボー側のメカと戦い、倒します。ドロンボーは、毎回、ぼろぼろになって負けるのに、毎回、懲りずに悪だくみをします。

 今回は、ここまでとします。
 次回も、『ヤッターマン』を取り上げます。



この記事が参加している募集

アニメ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?