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映画、ドラマ、アニメーションetc.
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光の連想

 プロセカやあんスタのMVで、各キャラのライティングが担当カラーになる演出に実は今までそれほど良さを感じていなかった(推しの色でステージが染まるのも嬉しいが、それよりも全体の演出効果を考えてほしい)んだけど、fineとKnightsの「スターライトパレード」MV冒頭の、伴奏に合わせてそれぞれの色のライトが一つずつ当たっていく演出はすごく綺麗で好き。

 プリズムみたいな、オーロラみたいな、いやステ

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『シャドーハウス』

アニメをきっかけに手に取りましたが、アニメも原作も、どちらもとてもおもしろく、良い作品でした。
原作の、世界観に合った繊細な絵柄やコマの端々の小さな遊びと、アニメのくりっとしたかわいらしい絵柄と生き生きとした動き、どちらもとても好き。

主人公たちが少しずつ互いを知り、協力しあいながら、自らの知恵と勇気、そして個性的な能力によって、都合のいい情報しか与えない「大人たち」に対抗していくストーリーはも

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『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』感想

『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』感想

 あの……TVアニメ本編より断然完成度高くなかったですか……!? 観に行ってよかったです。TVアニメはこの映画に辿りつくために生まれたんだと思いたくなるような、それでいてエピローグのような、続編にして完結編……「ようやく終わった、私たちのレヴュー『スタァライト』が」。
 こんなに良い作品になってると思わなくて本当にびっくりした。

 アニメを観たとき、絵もキャラもかわいくてアニメーションも劇中歌と

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Question

映画『ファーザー』

ラストまでずっと、観客もどこまでが本当で何が真実なのか、わかるようなわからないような不安の中に置かれて、それがアンソニーの感覚と(完全に同じではないものの)重なっていて、最後の最後に「そういうことだったのか……」とわかる。
とはいえ、我々観客は何がどうなっていたのか把握できるけど、アンソニーはおそらく最期まであの記憶と現実の混濁の中に取り残されるわけで……救われようがない……

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はばたいていく

映画『はちどり』

※以下、台詞の引用はうろ覚えです
※明確なネタバレはしていませんが、わかってしまう部分もあるかもしれません

 映画館で観られてよかった。
 少女であったことがなくとも、誰かに軽んじられたことのあるひと――すなわちこの世のほとんど全てのひとの鑑賞に堪える作品だと思う。
 この映画を観たひとが黙って殴られることのないように(そして、誰かを殴りつけることのないように)、そのことに自

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『ノマドランド』

期待していたほどおもしろくなかった……。
現代アメリカ資本主義社会に対するアンチテーゼ、ではあるんだけど、それ以上の深みが感じられなかった(一度観ただけの個人的な印象としては)。
中盤から出てくるノマドのカリスマ宣教師みたいなおじさんはやばいひとなのかなと思ったら、全然そんなこともなく。
現代アメリカ社会で生きていたら、もっとクリティカルに自分の実存に迫ってくるものがあったのかもしれないけど。

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『燃ゆる女の肖像』

『燃ゆる女の肖像』

 観に行ってきました。
 ものすごい名作かどうかはわからない(まだそこまで消化できていない)んですが、わたしはとても好きでした。

※以下、核心には触れないけどストーリー展開上の多少のネタバレを含みます。

 画家の女のひと(マリアンヌ)と貴族の娘(エロイーズ)の話だというのは事前に知っていたんだけど、もう一人、館にいる唯一のメイド(ソフィ)がいて、その三人での束の間の共同生活シーンがとても良かっ

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「お前たちの物語にはならない」

TBSドラマ『MIU404』

※遠慮なくネタバレしています
※批評や考察ではなく感想覚書のようなもの、かつ、それぞれ放送当時に一度見たきりなので、記憶違いがあったり、当時の自分のツイート見返して足してる箇所があったりします。引用も不正確。最初からまた見返したいな。

テレビドラマを一クールきちんと追った経験があまりないのですが、この作品は毎回テレビの前で真剣に観ていた。
実を言うと、最初は「綾野

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〈花丸〉の花、安定の桜

※この記事は2017年12月12日に、はてなブログにて公開したものです
※「追記」に初日舞台挨拶の覚書があります

映画「刀剣乱舞-花丸- 幕間回想録」アニメ自体は毎週リアタイしていたのですが、今回、総集編という形で再構成されたものを観たことで、桜がきちんとモチーフとして機能していたんだなあってようやく納得しました。というわけでそのことをつらつら。

アニメ視聴時は刀かわいさに脳がとろけていたのと

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ニートの夜明け

『俺の話は長い』

テレビドラマは、家のひとが観ているのをうしろから眺めるくらいのことが多くて、これも初回から観ていたわけじゃないんですが、久しぶりに、自分でも最後まで観たいと思ったドラマだった。
言葉の応酬がおもしろくて、それぞれキャラが立っていてキャストの演技もはまっていて、そしてバランス感覚に優れた良い作品だった。
30分ずつの2話で1セットになっているのも、連作短編集のようにテンポよくまと

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CALL ME BY YOUR NAME

※この記事は2018年5月24日に、はてなブログにて公開したものです

映画『君の名前で僕を呼んで』を観てきました。

この記事のタイトルは英語ですが、日本語字幕付きで観たし、使用言語については「英語だなあ」「フランス語だなあ」「たぶんイタリア語だなあ」くらいの区別がついたくらい。
というわけで、日本語字幕に頼った理解です。簡単な単語くらいなら聞こえたけど、それだけ。

※以下で内容にがっつり触れ

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Dance in Pride & Prejudice

※この文章は、2013年秋に友人知人と出した映画批評の同人誌に載せたものを、2018年1月10日に、はてなブログにて公開したものです

It is a truth universally acknowledged, that a single man in possession of a gook fortune, must be in want of a wife (Austen, Pride

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映画プリアラ ~パリッと! 想い出のミルフィーユ!~

※この記事は2017年11月8日に、はてなブログにて公開したものです

ミラクルライトを握りしめた子どもたちに混じって観てきました、映画「キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと! 想い出のミルフィーユ!」。

プリキュアはみんなかわいいし応援しているけど、推しはシエルちゃんなので、シエルちゃんがたっぷり描かれた今回の映画はとても楽しかった。
わたしもミラクルライト振ってプリキュア応援したかったな

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