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声にならなかった人の心を身体表現で描きたい


10月27日に岡山市の蔭凉寺で開催のCultivation program2024 リーディングパフォーマンス『人魚の器官/漂う海馬』に関する情報をお届けします。

今回は、演出を担当する桐子カヲルさんの公演に向けたコメントとプロフィールをご紹介します。

企画や作品についてはこちらの記事をご覧ください。



 今回の公演は、OTOさんのCultivation program2024の一環です。
9月には、4人の若手の演出家たちが、河合穂高さんの戯曲「ノコサレタ熱」を上演しました。4者4様に変化する様子を目の当たりにして、改めて戯曲のポテンシャルを感じる公演でした。

 河合さんの描く世界には、医療用語をはじめとして、数々の耳慣れない表現や造語が出て来ます。人間はどこまで受け入れられるのか、人間の境界線はどこなのかなど、テーマも重く、難しく感じるかもしれません。
だけど出てくる人たちは、一言で言えばエキセントリック。
一般の基準からはちょっとはみ出して生きている人たちで、お茶目でロマンチスト。
そのギャップが河合さんの戯曲の魅力だと感じています。

今回の公演は「リーディングパフォーマンス」です。
耳慣れない言葉ですが、朗読劇でもないし、音読や、読み合わせとも違います。舞台上にいる8人がやることは演劇です。
違うのは本を手にしていることだけです。

リーディングパフォーマンス、すなわち本を「読む」行為は人にとってどういうことなのかとまず考えました。
出演者たちが読んでいるのを聞いていると、声を出すのは一人で、他の人たちは黙っていることに気付きました。でも実は黙っている人たちって、何でもできるのではないかしら。掃除しても、食事しても、踊り出してもいいし、眠ったり、ほかのことを考えていてもいいのではないかしらと。
でもなぜそうしないかというと、一人ではないからです。

人は、目の前の人と一緒にいるために、言葉に耳を傾けて、その人を知ろうとします。だけどときに言葉は嘘をつき、誰かを傷つけて、口を閉ざしてしまいたくなることもあります。
心なんて目に見えることなどないかもしれません。
だけど、ときに本当の心が、仕草や行為となって姿を見せることがあります。その声にならなかった人の心を身体表現で描きたいと思っています。

蔭凉寺は、お寺として祈りを捧げる場所でもあり、音を大切にする音楽家の方にライブ会場として使われている会場です。ライブ感あふれるこの空間で、五感を開いて、普段は見落としてしまいがちな、身体が語る言葉たちをひとつでも見つけてみてください。

桐子カヲル


《桐子カヲル プロフィール》
コキカル 主宰・演劇作家・俳優・演出。
香川県出身。大阪外国語大学在学中に演劇を始める。大阪を中心に多くの舞台に出演する。 2010 年にコキカルを設立。瀬戸内国際芸術祭 2016 指輪ホテル「讃岐の晩餐会」に出演し、香川県での活動を開始。
コキカルでは、身体表現と音楽と言葉を用いて戯曲のない演劇づくりを行っている。また、音楽家とコラボしたリーディング音楽会などの創作・出演活動のほか、戯曲の音読会をはじめ、演劇を活用した市民向けワークショップのファシリテーターとしての活動も行っている。
香川県在住。
高松ワークショップ Lab.メンバー/大阪大学ワークショップデザイナー育成講座 15 期修了/2017年度 芸術士®

《予約フォーム》
https://docs.google.com/forms/d/1VB9AKPJxtDETXWRF7HibdrgC4pfRYRzGg6S0JNeYK9c/edit


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