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【追悼】モダンと優雅さについて

たまたま昨日岡村靖幸さんの新しい対談集(あの娘と、遅刻と、勉強と 3)を読んでおりまして、そのなかの井上順さんの章を読んでいて、「そうだよなぁ」と思っていたことがあり、そのあとにこのニュース(中尾彬さんご逝去)が入り、思うところがあり、なんとなく書いています。

井上順さんや中尾彬さん(妻のしのさんのおじいちゃんは5代目古今亭志ん生さんです)が所属していたのが『野獣会(のちに六本木野獣会)』という文化的な集団(メンバーは、大原麗子さん・中尾彬さん・峰岸徹さん・田辺靖雄さん(甥は小山田圭吾さん)・ムッシュかまやつさん)です。

そのような集団は、若人が集う場所(例えば、書物によく出てくるのは『レストラン キャンティ』:音楽家でもYMOの細野晴臣さんや坂本龍一さんもお話になってたと記憶しています)に夜な夜な通っていたようです。

そういった文化的なモダンで上品で野心的な方々が、この時代には沢山いて、六本木辺りで飲食をともにしたりしていたんですね。

― 他にも有名人を挙げれば切りがないですが、この本でも加賀まりこさん・三宅一生さん・コシノジュンコさんなどが売れない頃から将来を語っていたそうです。

この国にもそういった文化が根付く土壌があったんですね。羨ましいです。

井上順さんもご両親から、そういった活動の場に行くことを薦められて、バンド活動などをしていた流れから、あの「スパイダース」の結成の最後の一人として活動に参加します。で、それからの話を書いていく物凄いことになるので、ここでおわります。

ここで書きたかったのは、歴史の流れを受けて、そこに反応するように文化やカルチャーが熟成していくような集団がいて、その文化的なモダンさは、もう今の時代には殆ど残っていません。その原因の最たるものは、これはわたしの感覚ですが「知的なもの」「品性」をどんどん「笑って」潰していった結果かなという感じがします。それがパンク音楽であり、第3世代的な笑いの流れのような感じがします。わたしもどっぷりだったのでなんともな感じですが。。

それが、よい悪いではなくその「お上品さ」がしゃらくさい、という流れで(確かに殆どの形式や上品さに付随するものは偽物で「しゃらくさい」感じだったんでしょうけど)本当の優雅な上品さが失われてしまったように思います。

その原因のもうひとつが時代の「効率化」という流れかなと愚考します。
「効率的」に動こうとすると悠長に優雅になんて動いていられません。
その「効率化」で失われるのが「文化」「品性」の持つ特有の「優雅さ」ではないでしょうか。

対抗策は「時短」「効率」を避け、「ゆっくり動く」「めんどくさい」に向かうこと

私見

と適当なことを書き出したので、この辺で。

中尾彬さんのご冥福をお祈りします。


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