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【シナリオ・脚本】ネームのお仕事

今日はお仕事として関わらせて頂いたシナリオ・脚本からのネーム作りについてです。

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はじめに、何故このお仕事が来たのかだけ書いておきたいと思います。

わたしはシナリオセンター(大阪校)という、所謂シナリオ習うならここだろうという学校(そもそもそういった学校はそうないのです)に一時期すこし在籍していました。この仕事をくださった広告代理店さんの社長に「シナリオも書けますよ」と雑談でお話をさせて頂いことがあり、その後すぐにこの仕事のご依頼が来たという流れです。

では、まずはお仕事内容です。

【内容】
叩き台となる原稿を元に、48ページ内の〈約40ページの漫画のネーム〉を描く。

【スケジュール】
この分量を約3日で仕上げるというものです。(まったく内容を知らない状態です)

結局2日連続深夜3時頃まで起きて2日半で仕上げました。

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この企画は完全に途中参加でして、最終案だけがぽっと渡されました。
その内容が以下です。(根入れて読まなくて大丈夫です)

日本農業遺産認定啓発漫画冊子シナリオ最終案

1.タイトル(仮題)
「黒大豆『丹波黒』とともに」

2.冊子作成のねらい
黒大豆栽培は、 家族農業で支えられてきた。 「 農家の夫婦が 家族の 転機に触れて、これまでの農業 と の関わりを見直し、家族 とともに農業(黒大豆栽培)に携わっていく」ことを基軸に、日本農業遺産認定の要素(歴史、栽培技術、種子生産、灰小屋)を織り込みながら、生産者の誇りを喚起し、今後の後継者確保、 持続的な生産・普及 維持への啓発につな げる。

3.主な掲載シーン
・日本農業遺産に認定され た「丹波篠山の黒大豆」の特徴
・一粒で2度美味しい(枝豆と子実)
・ 大人気の 黒枝豆 10月 の 人出と 露天販売)
・300年 にわたる栽培の 歴史
・伝統の 栽培 技術 (乾田高畝栽培
・ 選抜育種 と優良種子生産 の取り組み (波部本次郎の功績
・ ため池と 用水路が育む 生物多様性
・ 自然資源循環 のシンボル「 灰小屋 」
・家族農業 による栽培継承(市内農家の60%が栽培)

4.登場人物
主人公 ヒトミ (35歳 神戸市出身 、農業に関心があり丹波篠山へ
副主人公 コウイチ(38歳) 丹波篠山市出身 、 ヒトミの夫
長男 ノボル 9歳) 小学4年生
長女 ミノリ 5歳) 幼稚園
義父 タダシ (68歳 農業〔農地面積1㏊、米 80 a、黒大豆 15 a〕
義母 フサヨ (63歳 農業女性農業者 ソノコ 27 歳) 集落内に住む若手就農者 で タダシ を師と仰ぐ

5.シナリオの骨格
主人公の ヒトミは 神戸市出身 。 夫 の実家 横で居を構えている。 学生の時から農業に関心があ り、子育てが一段落して、 農業に関わってみたいと考えている。夫も 農業は父母に任せっぱなしで、殆ど携わって来なかった 。今年こそは 黒大豆栽培に チャレンジしてみたい ・・・・ 。 家族のつながりの中で、ヒトミ夫婦 の奮闘が始まる。

原稿①

次に4枚程シナリオの内容がありました。

―― ここまでで皆さまは、これを読んでどう思ったでしょうか?
わたしの感想は正直「これではいかんな」でございました。

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この冊子は「役所」が発行するものですので、テーマは「わかりやすく」が前提ですが、スッキリしない部分が多すぎて読者側からすると「だらだらした内容が多く」なってしまっています。読者はハッキリした筋がないと付いてきてくれません。それに物語の登場人物の関係も読者には入ってきにくい設定でもありました。

すぐに連絡して「ちょっと原稿をいじります」とお伝えして、設定から「これだけは伝えたいのだろう」という部分だけ抜き出し、後は、ガボっと変更していきました。

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作業内容の前に、まずは実際のネームを載せます。

ネーム①


ネーム②


ネーム③


ネーム④


ネーム⑤


ネーム⑥


ネーム⑦


ネーム⑧


ネーム⑨


ネーム⑩


ネーム⑪


ネーム⑫


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【作業内容】

①ストーリーを整理して落書きのようなものでメモして終了。

②その後、この黒大豆についてネットで調べます。
わかっておかなければいけないのは「黒大豆」についてと「乾田高畝栽培」についててで“ポイント”だけさくっと理解します。

ネームの全体の割り振りをします。
ここまでで半日以上はかかっています。

④で、あとの約2日でネームを描きました。
はっきり言ってコマ送りの工夫などはしている暇がありません。
それは次のイラストレーターさんや漫画家さんとの打ち合わせに回せばよいです。とにかく形にするのが先決でした。

でも、会話上計算が合わない時や逆に足りなくなるなど、そんなすんなりすべてがいった訳ではありませんが、愉しく最後まで描かせていただきました。勿論クライアントの代理店の社長様も大満足してくださいました。

付け足しですが、ほぼ自動的な「ベタ」で「わかりやすい」物語にしていますが、一コマだけ自分色を出したのは、この場面でした。

ネーム

これの出所わかる方いますかね(文化系なら簡単ですね)。
では、今日はこの辺で。シナリオのお仕事、お待ちしております。


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