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Ginga Otake
2021年11月6日 20:22
粘菌を探せし母と小春下 少し早いですが、秋と冬の句を。表題の句は、現実味があるかわかりません。変形菌を一度は見てみたいです。 ✳︎ #16 粘菌裏声の裏の爛漫読書の秋とちの実の煎餅いふを貰ひけり絆創膏の指が木の葉のお金拾ふ革ベルト毛皮とともに吊られゐし盆栽の鉢に枯れ葉の二枚寄すきつつきの話膨らみ紅茶の香撒き散らす副流煙を野分せよ粘菌を探せし母と小春下
2021年11月3日 20:40
柚子五つ袋の皺を透かしたれば薄手の袋を透かせば摘んだばかりの柚子が入っています。もうすぐ立冬。秋もわずかです。✳︎ ♯15 秋の陽紅茶から庭にコゲラの話へと夕食の前のポテチとみかんの皮みそ汁や白菜のほか輪ぎりして回送の幼稚園バス柿渡る選挙来て校庭の葉の二三枚看板の文字はつきりと刈田行く煙突から煙今年の豆腐はどう小銭ばかりの財布を椅子に行く秋ぞひと
2021年10月6日 19:54
天高し回送電車高架ゆくも 仕事終わりの夕方、高架の上を回送電車が走っていました。何度も利用した路線です。しばらく天気が良く、澄んだ空が高くにみえました。✳︎ #11 天高しハッカ油とは団扇二枚の涼しさよ白鵬の眼にモンゴルの地平線マスクべったり四畳半漂流す鮭ときのこの炊き込みご飯貰ふ曇りなき容器へ何を入れ返す天高し回送電車高架ゆくも青海苔の静脈透ける磯辺揚
2021年9月30日 21:23
芋づるの紅葉一枚の絵として見よ 色づいた葉の入り乱れる姿が好きだ。どこか調和が取れている。木の紅葉もいいけれど、葉の形のはっきりとした草の紅葉がよい。✳︎ #10 芋づる庭石の奥メヒシバの点と線芋づるの紅葉一枚の絵として見よ屋根の上人影暗し秋の暮三輪車ノウゼンカツラの塀を打つ蓮根の大き穴より盆の菜蓮根の穴よりお茶の湯気登る掃除機の中の小言や流れ星縄跳
2021年9月26日 10:44
聞き馴れし酒の今年や惣社町 栃木県道2 号線沿いに「鳳凰美田」で知られる小林酒造の第二工場がある。惣社とは、地域の祭神を集めた神社のことだそう。✳︎ #9 聞き馴れし酒の今年や惣社町鼻先をかすめてゆくは畦の風秋の田と夜風を走る友の声冷ややかな風父の声聴こえない同級生の顔が曖昧マスクなど夕飯の食器の嵩が夜食後も居待月立看板の見飽きたり改装後のスーパー明し