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#ほろ酔い文学

『ルバイヤート』オマル・ハイヤーム

『ルバイヤート』オマル・ハイヤーム

ペルシアの詩人、ウマルの四行詩ルバイヤートを黒川恒男訳で読んだ(青空文庫に小川亮作訳がある)。この詩人は、同時代の数学者と混同されてきたようである。

詩集には、酌人である美しい若者や盃、酒壺などを詠んだものが多い。それは、宗派の定める戒律よりその実質的な徳や美観を重視するためであったと思う。この詩人は、悲しむ人や賢人、清らかな人たちへ酒を飲もうと呼びかける。その手にある盃は、以前は人であった土か

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