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俳文

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俳句と文
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群像

群像

群像の一人となりし春の服

雑誌や服を買いに百貨店へ行った。寝起きのような格好だったが、俳句では、現実と異なる人間像を想像できるから良い。市民文芸の締切が近い。それぞれが生き生きと活躍する様を群像というらしい。文芸誌への投稿は、仕事用の服を買うなど簡単な取材から書こうと思った。

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   群像

芥子の粒ほどの人格水温む

花粉のせゐ年金事務の目の赤さ

春雨や自動ドアより子の足跡

春宵の

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胡蝶の夢

胡蝶の夢

 渡良瀬遊水地のヨシ焼きを観た後、「コッポラの胡蝶の夢」という映画をレンタル視聴しました。観念的な鮮やかな色彩の対比は、火を見て疲れた目には厳しかったです。

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   胡蝶の夢

背二人過ぎて野焼の火の盛り

火の中のヨシの影より灰昇る

胡蝶の夢野焼き疲れの目に眩し

紙襖の穴より余寒のぞきけり

猫払ふ玄関の杖春の闇

春一番や砂のざらつく缶の口

春の夢電気ショックは遠慮して

金箔は

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