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第22話 『どーなる!?ユメちゃんをめぐる三角関係だオセロッチ!?』

      ☆白黒★オセロッチ!

【前回までのお話】
1組の小谷ショウヘイがユメちゃんに愛の告白をした!ユメちゃんはなんて返事する!?オセロッチは何を思うのか!?

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第22話 『どーなる!?ユメちゃんをめぐる三角関係だオセロッチ!?』

ユメちゃんが1組の小谷ショウヘイから告白されてちょうど1週間が経っていた。

一週間前と同じように、ユメちゃんは一人で帰宅していた。

「(今日は帰ってなにしようかなー?そうだ!半分残してあるハーゲンダッツ食べながらアッコから借りた別冊マーガレット読もう!そんでお兄ちゃんが帰ってきたら一緒にロマンシングサガやろーっと!でもその前にモジャの散歩行かなきゃまたお母さんに怒られるしなー、古畑任三郎も見なきゃだし、まーた宿題やる暇ないなー)」

帰宅後の予定を考えるユメちゃんの後ろを、誰かがついてくる気配がある・・・。

「ん?」
振り返るユメちゃん。

電信柱にササっと隠れる人影。


「・・・なにしてるんだよオセロッチ?」

電信柱の陰からばつの悪そうな顔をしたオセロッチが出てきた

「べ、別に…帰る方向が同じだけだろ!」

「ふーん。」
じとーっとした目でオセロッチを見るユメちゃん。


一定の距離を置いて歩く二人。

妙な沈黙が二人の間に流れている。

「あ、あのさ、」
オセロッチが恐る恐る話しかけた。

「なんだよ。」
立ち止まらないユメちゃん。

「この前のことだけど、・・・ごめん。」

「なんのこと?」
くるりと振り返るユメちゃん。

「ほら、僕が入院してた時、お見舞いに来てくれたろ?それなのに、ひどいこと言っちゃってさ、悪かったよ。」
オセロッチは後頭部をポリポリと掻いた。

「あー、あれね。」
また歩き出すユメちゃん。


「あたしも、ジュースかけちゃったし、ごめん。おあいこだな!」
ニカッと笑うユメちゃん。

「正直さ、ユメちゃんが来てくれて、助かったよ。ほんと退屈だったからさ…」

「そっか!今度入院したら、またお見舞いにいったげるよ!」

「もう入院はコリゴリだよ!」

「それもそーだな!」

「「あははははははっ!」」

二人して大笑いした。
ひとしきり笑い終えると、また妙な沈黙が訪れた。


「あの、小谷だけどさ、」

「ん?」

「あいつとは3年の時、公文で一緒だったんだ。あいつ、すごく良い奴だよ。」

「そーなの」

ユメちゃんは落ちていた空き缶をカンコロコーンと蹴飛ばした


「だ、だから、ユメちゃんと、合うと思うよ・・・」
オセロッチは伏せていた顔を上げ、
ユメちゃんの目を正面から見て言った。


「・・・・・・ぷっ(笑)」

吹き出すユメちゃん。

「え?」

ポカンとするオセロッチ。

「・・・ふふふ、ははは、あーはっはっはっは(笑)」

ユメちゃんはお腹を抱えてさっきよりも大笑いした。

「なんだよ、なに笑ってんだよ!!まじめに言ってるんだ!」
オセロッチは真っ赤になって怒っている。

「あはは(笑)オセロッチの真剣な顔見てたら、おかしくなっちゃって・・・」

お腹が痛そうなほどユメちゃんは笑っている。



「チェっ!なんだよ!僕はユメちゃんのことをおもっ・・・」

「断ったよ」

「え!?」

「小谷くんのことでしょ。昨日断ったよ。」

「な、なんでだよ!!あいつは良い奴だぜ?」

「だってあたしたち、まだ小学生だよ!?付き合うとかよくわかんないし!!そんなのキョーミない!」

「・・・そっか、そうだよね!!」

「あははははっ!!」

高らかに笑うオセロッチ。

「なんかオセロッチ、嬉しそう!?」

「そうかい!?そんなことより競走しないかい?神社の鳥居まで早く着いたほうの勝ち!それー!!」

言うが早いか駆け出したオセロッチ。



「あー!ズルいぞ!待てー!!」

追いかけて走り出すユメちゃん。


オセロッチはごきげんな様子だ。
そして、ユメちゃんもなんだか嬉しそうだった。

(つづく)



(まったく!世話が焼ける二人だなあ!)




☆白黒★オセロッチ! 次回 第23話 『オセロッチVS人工知能!スーパーコンピュータ、オッサム現る!?』


☆白黒★オセロッチ! 第1話はコチラから

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