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「PM」って、なに?

PM」というワードを耳にしたことはありますか?PM=プロジェクトマネージャーは、一言でいうとプロジェクトの進行管理責任者。大規模なビジネスを進行する現場には欠かせないこの役割、もちろん『逆転オセロニア』運営チームにもいるんです。

私たちの運営する『逆転オセロニア』は、先日2021年4月に国内3,000万ダウンロードに到達。本当にありがたいことに、たくさんの方々に遊んでいただいています。

運用は6年目になり、キャラクター数では合計約5,000体(図鑑ナンバーより)、イベント数では多い時で月10〜12回という量を生み出し続けています。その開発現場で行われる業務は、まさに怒涛。この進行を支える「PM」には、どんな秘密があるのか?担当者にインタビューを敢行しました。

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1. PMってなに?

ー 改めて、「PM」とはどのような仕事なのでしょうか?

いーさん:「プロジェクトマネージャー」の文字通り、「プロジェクトを管理し、推進する」という仕事をしています。具体的には、私たちの場合ですと『逆転オセロニア』という一つのプロジェクトの中で、こんな業務を行っています。

▼「プロジェクトを管理する」とは?
・スケジュールを管理する
・納期を管理する
・進捗を管理する
・リスクを管理する
・品質を管理する など

プロジェクトに関わるあらゆる管理業務を遂行し、円滑に問題なく進行できるように推進するポジションです!

正直、”管理する仕事”って皆さんにも興味を持っていただけるかな?と不安ですし、少し小難しい話になるかもしれないのですが、オセロニアを運営する上で絶対になくてはならない仕事、ということだけでも、今日はお伝えしたいなぁと思っています。

ー ぜひ詳しく聞かせてください!まず、すごく責任範囲が広そうなのですが……?

いーさん:そうなんです。一般的に、生産業務の評価を決める「QCD」という指標があり、PMはこの3つのバランスを取って、プロジェクト責任者に選択肢を提示し、最適解の決定を促すことが役目です。

生産業務の評価を決める「QCD=Quality / Cost / Delivery
 ・Quality:品質(クオリティ、質の高さ)
 ・Cost:コスト(かかる金額)
 ・Delivery:納期(遅延がないリリース)

オセロニアのPMチームでは、「(タイトル運営における)全セクションのハブとなり、主にQualityDeliveryに責任を持つ」というミッションを掲げて、任務の重さを意識をしています。

ー 具体的にはどんなことをするんですか?

いーさん:例えば、不具合など緊急の問題が突発的に起こったとします。その際はいち早く、具体的な方針をプロデューサーのけいじぇいさんとディレクターが決める必要があります。

私たちは、彼らの方針決定のために「何が根本的な問題になっているのか」「何がリスクとなり得るのか」を洗い出し、具体的な選択肢として提示して、決定の手助けをするような役目を担っています。

ー 意思決定の責任者というより、彼らに対するアドバイザーというような立場なんですね。

いーさん:そうですね。ちなみにオセロニアの場合、「Quality」の中で、PMが担保するのは「①当たり前品質」「②面白くする品質」の内の前者で、後者はディレクターが担います。この「当たり前品質」は、世に出すにあたって最低限の品質、つまり不具合などがないか、事故なく遊べるか、というレベルの部分のことで、私たちが特に注視したい所ですね。

2. もしもPMがいなかったら……。

ー なぜプロジェクトには、管理する人が必要なのでしょうか?売上やゲーム内容に直接関係がないようにも思えますが……?

いーさん:それはよく聞かれる質問です。イメージがしやすいように、一例としてPMが「いない現場」と「いる現場」を比較してみましょうか!

(例)PMがいない現場
・スケジュールや工数の管理ができず、無限に企画や開発をする
・〆切がなく、1ヶ月も2ヶ月も企画フェーズが続く
・開発目途が経たず、イベントがいつリリースするかわからない
・前工程の作業がいつ終わるかわからないので、後工程の関係セクションも動けない
・開発がいつ終わるかわからないので、検証予定も立てられない
・プレイヤーの皆さんは、いつ開始されるかわからないイベントを待ち続けなければならない

上記のような状況が続くとどういう未来が待っているか……想像がつきますよね(笑)

ー 恐ろしいですね……。

いーさん:世の中には数えきれない量のゲームがあり、お客様はそう長くは待てません。遊んでもらえないタイトルはサービスの継続ができないのです。

反対に、PMがいる現場ではどうかというと、プロジェクトを進める上で必要不可欠な「計画」「スケジュール」をガチッと握って舵取りをしています。少し細かく説明すると、

(例)PMがいる現場
・開発開始前に必要な開発タスクやその日数
・検証日数を盛り込んだスケジュールを作成
・日々スケジュール通りに開発が進行しているかの確認
・各工程ごとのタスクを管理
・決まった日程で、イベントをお客様へお届け
・何かの理由で元々のスケジュール通り進行ができない場合は、速やかにリリースに支障がない範囲での調整
・調整に際して開発チーム以外のセクションへの調整も行う

このように管理を徹底することにより、予定通り開発を進行させ、無事にイベントをオセロニアンの皆さんとお約束した開始日までに届けられるようになります。こういった”管理”って時計の歯車のようで、表立っては見えないのですが、ないと機械として動かない、絶対に外せない部分なんですよね。

▼運営チームの全体向けに、現状をアナウンスすることも多いです

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なお、理想形は、PMがいなくともスケジュール通りに開発が進んで公開されること。ですが、そのためにはプロジェクトメンバー全員に、高いタスク管理能力やスケジュール意識が必要です。3,4人ほどの少人数チームでは、PMはむしろ不要なのですが、オセロニア運営チームのように大規模で開発を行う現場においては必要不可欠になると考えています。

3. オセロニアチームでは、やっぱり特殊な存在?

CSチームも「ストロングスタイル」と題してかなり尖ったチームビジョンを持っていましたが(笑)、やっぱりPMチームも普通ではなさそうな気がしています。他のPMと、どんなことが違うのでしょうか?

いーさん:お察しとの通り、PMチームも違うでしょうね(笑)一つ明確に感じているのは、「実行するためにはどうすれば良いかを、一緒に考える」こと。

PMって本来は、いわばストッパーのような守りの役目が強いんです。「締切過ぎちゃダメですよ!」とお尻を叩いたり、「計画からずれていますよ!」と軌道修正したり、管理者なので漏れを正すことが仕事というか。ただ、それを続けていると、だんだんとNGばかりを唱える人になってしまいがちで。

もちろん、計画通りにオンスケジュールで進行することが大前提。ですが、クリエイティブな現場では、常に新しくて面白いものを生み出そうと奮闘している方々で溢れているので、素敵なアイディアにより差し込み案件が加わることや、何かしらの事情で遅れてしまうだとかはつきものなんです。


では、そんな状況でどのように動くべきか?ですが、まず第一に来るのは、オセロニア運営のテーマである「オセロニアンファースト」であること。オセロニアンの皆さんに喜んでいただけるものを届けられるか、は日々現場で各自が議論して進めていますが、そうではないとわかった時点で計画を中断することもあります。ここは、プロデューサーのけいじぇいさんと密に相談しながら判断し、いざ中断となれば真っ先に計画の軌道修正に向けて動きます。

第二に、変動が尽きない開発現場に対して思っていることで、私たちは「プロジェクトは生き物」だと認識しています。自動化されたロボットが決まった通りの手順で作るものではなく、作るのも「人」で、届け先も「人」。だから、届け先にいるオセロニアンの皆さんのプレイスタイルやプレイ環境も、常に変動する。より楽しんでいただけるものを提供し続けるために、皆さんの日々変わっていくニーズに合わせた柔軟な対応が必要だと考えています。

「プロジェクトは生き物」であるならば、この生き物をどう育てていくか。計画や管理至上主義になり「出来ない前提」ではなくて、どうしたら実現できるのかを一緒に考える「できる前提」に立って、常に動くようにしています。もちろん全てをOKするわけではないですし、やること・やらないことはハッキリと定めて運営していますよ!

ー なるほど……!それってとても現場ではハードではないかと思いますが、何か工夫などはありますか?

いーさん:作り上げる人たちに寄り添って可能な限り叶えたいと思っているので、「彼らが叶えたいものが何か」を把握できるよう、自主的に動いています。こうして責任範囲を広げることで、自分の首を絞めている側面もありますけどね(笑)

このように、本当は皆がやりたいことを思う存分叶えてあげたいものの、追加や仕様変更を入れると、一緒にチェックなどの工程も増やすことになってしまうんですね。あまりにも無理に差し込みすぎると、「Delivery」の担保ができない可能性が出てきてしまうので、その際は全体のバランスを見つつ判断します。

4. チームの全会話を把握?PMに向いている人

ー 普段から心がけていることはありますか?

いーさん:そうですね、例えば個人的な回答になるんですけど、毎日寝る前にslack(社内で利用しているチャットツール)の白い文字がない状態にしています。「白い文字がない」=未読がない状態のことで、ボールを漏れなく拾うという意味でも、メンションが自分に向いていないものも含めて全て、自分の入る約120くらいの全てのチャンネルの会話は把握するようにします。

ー 全会話を把握!? そんな激務、本当に好きじゃないとやりきれないというか……!どういう方がPMに向いていると思いますか?

いーさん:まずは、世話焼き役なので「人の面倒を見るのが苦じゃない」というタイプであることは、必須かなと思います。キャッチすべき範囲が広い仕事なので、視野が広く色んなところに向けられて、「これは拾うべきものかな」と適切に判断できるか、人の立場に立って考えられるか、などが重要だと思います。

実際に、私たちオセロニアPMチームで現在4人中3人が、「16Personalities」という性格診断テストの結果が「擁護者」で。16種類中の1つなのですが、「他人のフォローをする」という性格が一致したんですよ。

※オセロニア運営では、チーム全員のことをもっとよく知れるよう、定形のプロフィールを作って共有しているのですが、その中のお遊び要素として「16Personalities」の性格診断を取り入れていたりします。

よく言うと「面倒を見る」ですが、日々チームメンバーに向けて小言もたくさんいっています。(笑)例えばこんな感じで……。

▼いーさんから運営チームへの号令

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皆、元気よく返事をしてついてきてくれます(笑)

こうして日々つきっきりで管理している分、オセロニアンの皆さんに無事にイベントをお届けすることができて、喜んでいただいたお声を伺えた時の喜びは計り知れません。


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運営チームで最もコミュニケーションが多い人と言っても過言ではない、PMの役職。メンバーから日々色々なことを聞かれ、頼りにされている縁の下の力持ち。そんな絶対にいなくてはならない存在である「チームのお母さん」のお仕事にスポットを当てました。


運営チーム 広報担当 こりん
〈次回の配信予定日:2021年6月上旬〉

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