読書記録#1 ただしい人類滅亡計画-反出生主義をめぐる物語 品田遊
近頃落ち込む出来事が重なり、「辛いことから逃れるために死にたい」「やりたいことはあるけど、そこに到達するまでが長すぎてさっさと死んだほうが楽だ」と思うようになりました。
そんな中この本を見つけ、タイトル買いしました。
この本は、反出生主義者を中心に、その他の考えを持つ人々と議論する形で進んでいきます。わたしは人類が繁殖することに反対なので、反出生主義者だと思って読み始めたのですが、読み進めるうちに虚無主義者に近い部分もあることが分かりました。虚無主義者とは、以下のように説明されています。
『虚無主義者というのは、すべての価値観の価値を認めず 「だからなに?」 を繰り返すような奴らさ。彼らは生きることが虚しくて仕方がない。(略) たとえば死刑制度の是非について議論しているとき、虚無主義者はこんなことを言う。「でも、 死ぬことのなにがいけないんですか」 「人を殺すのってそんなに悪いことですか」 とかなんとか。』
………うん、なんとも関わりたくない性格ですね。でも気持ちは分かる。
一方、反出生主義者の考えは、正義感が強く、論理的な主張をしていて、説得力がありました。
ただ、最後は「利己的に生きる」という主張がダークホース的に現れて、やっぱり人間って生きる価値ないなと思いました。
まとめ:生殖の是非について様々な意見が開示されるとともに、特に反出生主義について分かりやすく述べられている点が良かったです。どの考えが良い悪いではなく、自分はどの立場にあるのかを知る、他の考えを知るだけでも面白いので、読んでみて欲しいです。
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