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職場環境の改善が、引いては人手不足の解消につながるのではないか?

人手不足が叫ばれるようになって久しいですが、皆さんの職場ではいかがでしょうか?人手が余って困っているというところはかなり少ないと思います。むしろ、人手が足らないことで機会損失が起きている現場の方が多いのではないでしょうか。

私の経験上では、人手不足を声高に叫んで募集をかけても人が集まらないと言っている事業所ほど職場環境の改善がされていないように感じます。テーマが壮大なので、今回ですべてを網羅することはできませんので、今回は人材育成と採用コスト、職場改善を中心にまとめてみたいと思います。


1)職場改善

 あなたの職場で新たな人材が採用できずに一人にかかる負荷が高まっていませんか?適度な負荷であれば人材の育成に適正かもしれませんが、それが過度になれば心身ともに不調をきたすことがあります。そのリミットも人それぞれなので、「自分ならこれくらいは大丈夫だった」は厳禁です。一度メンタルがやられてしまうと簡単に復元することはありません。また、一度壊れてしまった場合、それまでよりもリミットは早くなっています。これでは、その人の人生に多大な影響を与えてしまうとともに、職場の環境も悪化します。
 チームで動いていた場合、一人が抜けた穴を周りでカバーすることになります。往々にしてそういうチームはそれぞれのメンバーにかなりの負荷がかかっていますので、メンバー全てに過度な負荷がかかることになります。これではチームの崩壊は目前です。自分がこういったチームのメンバーであると自覚のある方は上司に相談するか、早めの転職をオススメいたします。上司としては、最初のメンバーが抜けてしまうもっと前から、個々の動向を常に把握していなければなりません。部下の人生も背負っている自覚を持ちましょう

2)人材育成

 次に人材育成です。部下への適度な負荷は成長のきっかけになりますが、それはキャリアパスがあっての話です。人は暗中模索では成長できません。努力と同じでベクトルである必要があります。そのためにも、組織でのキャリアパスの作成を行い、どれに沿っていくのかをキャリア面談を通じて決めていきましょう。この活動には人事の力量が大きく関わってきます。戦略的人事、人的資本経営、健康経営などを取り入れ成長している企業は数多くあります。人材育成、人材採用競争に負けないためにも、人事部門の強化は喫緊に取り組むべきことです。中小企業では、経営者が人事を兼ねていることも多いと思いますが、これからは専門人材を活用することが求められています

3)採用コスト

 最後に採用コストについてです。企業における採用にかかるコストは膨大なものです。各大学や高校への案内、情報誌への広告、イメージアップなど費用がかかるものばかりです。それなのに、せっかく採用した人材が早期で辞めていく、という職場も多いでしょう。「新人はやる気がない」「堪え性がない」など他人のせいにしている方が多いと思いますが、実際は職場環境が劣悪なことが原因でしょう。上記(1)、(2)が充実できていないのに他責することはできません。
 まずは、自らの組織の土台をしっかり固めた上で、組織の将来設計図、そして個人のキャリアパスを明確に定めることです。人材が早期で辞めることなく、力をつけていけば、自ずと採用コストも下がりますし、離職率が低い、職場環境が常に改善されている組織であれば集まってくる人材の質も高くなるでしょう。

【まとめ】

 以上、3つの点から「職場環境の改善が、引いては人手不足の解消につながるのではないか?」という内容についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
 ご自身が所属されている組織にこのような視点がない場合は、早期の改善を求めるか、違うところを探すことが必要です。また、自分が組織を運営する側であれば、部下の人生を背負い、組織を成長させていく視点が必要です。
 今回の内容が、みなさんのキャリア開発の一助となれば幸いです。



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