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チェックリスト化のすすめ

はじめに

 このnoteでは、業務マニュアルや引継書、商品知識が整理された資料などが用意されていない中小企業に中途入社した事務員さんに向けて、異なる業界で事務職に携わってきた私がこうした状況でより早く正確に仕事を覚えるにはどうしたらいいか? と試行錯誤してきた内容を紹介しています。

前回の記事では、社内システムを使って事務処理をする際の手順のまとめ方を紹介しました。

 今回は、事務処理の精度を上げる「チェックリストのすすめ」です。事務処理後にチェックリストを使って30秒ほど見直しする時間を取り入れるだけで、ミスのリカバリーに労力を割くことが減ったり、自分の知識やできることを効果的に増やしたりしながら処理ができるようになりますよ。

チェックリスト化の利点

 たとえば書類作成であれば、わざわざチェックリストを作成しなくとも、見直しの時間を設けるだけでもある程度ミスを防ぐことができます。特に見積書作成のように得意先から依頼書を受け取り、その依頼書を基に見積書を作成・提出するような場合、依頼書に記載された内容と作成した見積書の内容が一致しているか(依頼された内容で見積りができているか)を確認するのが基本ですので、得意先からの依頼書がチェックリストの役割を兼ねる、と考えることもできます。それでも私がチェックリストを作成して見直しをする方法を選択しているのは、こんな利点があると思うからです。

・“確認した気”を防ぐ
・当たり前の知識になるまで繰り返し目にする機会を作る
・注意点がしっかり身に着いたかどうかの目安になる
・ときどき更新することで、その時の自分に最適な見直しができる
・相手からの依頼書には記載されていない項目も確認できる

 チェックリストはいろいろな場面でアレンジして活用できるので、自分の業務に合わせて取り入れると良い場面を想像してみてください。

こんな場面でも役立ちます

 たとえば電話口で保険の加入相談を受けながら見積りを作成する場合、相手の話をよく聴くことと、加入要件は早めに漏れなく確認することを両立したいですね。働く職場で加入要件の確認に特化した資料があればいいのですが、ない場合もあるでしょう。その場合は毎回、分厚いマニュアルや各プランのパンフレットを見て確認することになります。色々と商品について説明した最後に、加入要件を満たさないため加入できないことがわかると、お互いに残念な気持ちになりそうです。こうした場合、「加入要件を漏れなく案内するためのツール」があると便利ですよね。

 具体的には、あらかじめ各プランの加入要件を書き出し、各要件にナンバリングしたリストを作成しておく方法があります。電話対応の際は、希望プランを聞きながら必要なリストを準備して、そのプランの加入要件リストの番号を手元のメモ用紙に手書きし、確認した項目にチェックを入れることで、確認していない要件がわかりやすくなり、確認漏れを防ぐことにつながります。

 ルーティン化された月次業務も同様に、必ず行う処理とときどき行う処理をリスト化しておき、毎月リストを使って処理したorしていない、と意識を配る機会をつくるとスムーズです。

 こうした理由から、できるだけ忘れずに処理したい項目はチェックリスト化しておくと役に立つのでは? と思っています。事務職は成果が見えにくい仕事でもあるため、小さな仕事一つひとつに「よし、OK!」と思える機会を作るという意味でも、おすすめです。文章ばかりでは、少しイメージが掴みにくいかもしれませんね。次回は、前回挙げた事務処理(見積書作成)に活用できるチェックリストの作り方と活用方法を、資料もアップしながら具体的に紹介します。

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