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アラサー女子・おひとりさまでバースデー初フライト

こんにちは。アラサー女子のOtamaです。
突然ですが、先週末は私の誕生日でした。
ちょうど休日と被ったので、オットとバースデーデートでもできそうなものですが、私の仕事上、休日こそ働きどきなので通常どおり勤務日でした。

誕生日の記念に思い出に残る何かはしたかったですが、それが誕生日当日にするというこだわりはなかったので、有休などを使って休みを取ることはしませんでした。

その結果、あいにく私の公休日と、中学教員であるオットの部活動の予定が合わなかったので「思い出に残る何か」は一人でやることにしました。

それが、人生初のパラグライダー!!

今回はその様子をご紹介します。

l. おひとりさまでパラグライダー・タンデム体験を予約

私はここ数年、誕生日に何か新しいチャレンジをするというのがお決まりになっています。
一昨年は逆上がり、昨年はヘアードネーションをしました(下記参照)。

今年はなにをやろうかと考えたとき、直感的に思いついたのは

「鳥のように空を飛びたい」

ということ。

しかし、女子が(しかも誕生日に)一人で空飛ぶのもなんだしなぁと思って決断を後回しにしていたらいよいよ今週末に誕生日が迫り、えいやあでパラグライダー・タンデム(二人乗り)体験の予約ボタンを押しました。

ll. 雲が流れるのを待つ

パラグライダーの予約をしたは良いものの当日はあいにくの曇り空。
飛べるかどうか怪しいところでした。

しかし、私が予約したKPS那須高原パラグライダースクールからは中止連絡がなかったので、朝6:39の電車に乗り込み単独で那須塩原市に向かいます。

駅からは、前日に電話で予約しておいたゆータク(乗合タクシー)を利用しました。
第1便のゆータクは那須塩原駅発がなかったので、那須塩原駅から最も近いバス停「波立」まで普通のタクシー(1400円)、波立からスクールの最寄りである「田舎ランド前」までゆータクで行きました(200円)。

スクールには9:20集合でしたが、8:30には到着しました。
山の麓から見上げると、パラグライダーが飛び立つ地点があると言われたあたりは厚い雲に覆われ、このままでは飛び立つのは不可能でした。
しばらく待って雲が流れるのを待とうということで、スクールの事務所で待たせてもらうことになりました。

事務所の中ではスクールの入門生が、注文していた自分のパラグライダーがちょうど届いて、中身を出して広げているところでした。

スクールのインストラクターさんいわく、翼と予備のパラシュートや着地時用のクッションなどの装備品を合わせたセットは、初級者用でも50〜60万円するそうです。

さらに技術が高まるとより軽いものやシャープに動ける高性能なものが欲しくなるそうで「なんでパラグライダーなんて始めちゃったかなあ。」と呆れながらも楽しそうに話していました。

そんなこんなしていると、雲が晴れそうな兆しが見えてきたので、離陸地点に移動し、そちらで飛び立つタイミングを待つということになりました。

インストラクターさんからは次の2つ、注意点を伝えられました。

1つは
「飛び立つときの助走は怖くても走るのをやめないこと。」

助走区間のギリギリになると斜面の角度が急こう配になり、恐怖で足を止めてしまう人がいるのだそうだが、危険なのでそれはしないように、と。
「飛ぶと決めたら覚悟を決める。空の上でも足を動かすつもりで。」
と活を入れられました。

2つめは
「降り方は足で着地するか尻もちするかのどちらか。着地直前にインストラクターが指示をするので従うこと。」
そんなに柔軟な対応が必要なのかあ、とビビりながらも了解。

ワクワクとドキドキを抱え、山の上に向かうハイエースに乗り込みました。

lll. 意思疎通不可のインストラクター

ハイエースには、私とスタッフの方が2名、個人で参加のおじさま1名と運転手さん、それから謎の外国人1名の計6名が乗り込みました。

スタッフの方と運転手さん、個人参加の方は顔見知りのようで車内は和気あいあいとした雰囲気でした。
一方、謎の外国人は日本語はおろか英語もままならないようだったので、みんなも彼には話しかけませんでした。おそらくタンデム体験に来た観光客なのでしょう。

麓から頂上までは車で15分程度。

まもなく頂上というところで、個人参加の方がスタッフの方に「Otamaさんのタンデムは誰がやるんですか?」と聞いてくれました。
スタッフの一人は女性で、私が事務所に到着したときから受付やらお手洗いの案内やら世話を焼いてくれたので、きっとこの人だろうと勝手に想像していたところ、その女性が言いました。

「ジョンソン(仮名)だよ。」

・・・!!!
てっきり彼は観光客だと思っていた私はびっくり仰天、と同時に、空を飛ぶという死と隣り合わせの状況を共有するパートナーが意思疎通不可の外国人とは・・・と不安が募りました。

しかも受付時に受けた説明。
「降り方は足で着地するか尻もちするかのどちらかで、着地直前にインストラクターの指示するので言われたとおりにすること。」
・・・コレ、どうすんの?!

IV. 災難に次ぐ災難

離陸地点に到着したものの、雲で前方も地面も見えません。
同乗したみなさんと雑談しながら20分ほど待っていると、ポツポツ雨まで降ってきました。

一同、車から下ろした荷物を再び車に積み始めたので、私も地面に置いていた自分の荷物を持ち上げようとしたその時!!

チクッッッ!!!

左の人差し指の指先(爪のすぐ下あたり)に強烈な痛みがあり、咄嗟に手を引いて振り払いました。
姿は見えませんでしたが、蜂かなにかに思いっきり刺された痛みでした。

本来ならすぐに毒抜きしたかったのですが、傷そのものは小さくて血が出ません。
しかし指先にしびれを感じ、すぐに傷口まわりが膨らんできました。

もしも握力が弱まって片手が使えなくなったらパラグライダーどころじゃないぞ、と焦ります。

雲は晴れるどころか雨が降り、何かに刺されて指は腫れ、踏んだり蹴ったりです。

雲に覆われる離陸地点

IV. 奇跡の晴れ男

今日飛ぶのは無理かな、とみんながそう思い始めたであろうその時、スタッフさんの無線から他のタンデム体験のお客さんを上に連れて行くという連絡が入りました。

そこから15分ほどしてハイエースが到着し、大学生くらいの若い男性4人グループが降りてきました。
するとなんて不思議なんでしょう。
彼らが地に降り立った数秒後に、サーっと少しずつ雲が晴れていくではありませんか!!

奇跡を起こした4人組男子

個人参加の方が「あなた(運を)持ってるね〜。」と私を称えてくれましたが、どう考えても男子4人組のなかに奇跡を起こした晴れ男が紛れているとしか思えません。どなたか存じ上げませんが、ありがとう!!!

さて、この機を逃すまいと外国人インストラクターさんが急いで準備に取りかかります。

翼を広げ、お互いに装備を身につけた後、スタッフの女性が「こっちに来て!」とジョンソンの前に来るよう促します。
言うとおりにすると、目の前のジョンソンが「My passenger?」と聞いてきました。いま、知ったんかい!!

さて、ジョンソンの装備と翼を繋げ、そして私の装備と繋げ、全てが確実に装着できているかを点検し、完璧な状態にしたまま、良い風が吹くのをただただ待ちます。

雲が晴れて地面が見えると、ワクワクと同時に恐怖も沸き上がってきます。
私は何度も大きく深呼吸しました。

するとジョンソンが、
「Don’t be afraid.」「Safety」と言って励ましてくれます。

その言葉がなぜだか私を落ち着かせてくれました。
今思えば、英語で声掛けしてくれたのが良かったのかもしれません。
というのも「大丈夫だよ。」「安全だからね。」という言葉は、日本人なら今まで何度も言われてきていて、それで大丈夫じゃなかったこともあるので、あまり信頼できる言葉ではない気がするからです。
でも「Safety」と言われて安全じゃなかったことは私は一度もないからね。

V. 鳥が見ている景色

離陸地点の両サイドには吹き流しが設置されています。
それが手前に吹き始めました。

その瞬間、ジョンソンが「ハチコーハチコー!」と声を掛けます。

この状況でやることは一つなので通じたけど、なぜ「ハチコー?」と思いつつジョンソンを振り返り、「Now?」と聞くと「Yes」と言うので、覚悟を決めて思いっきり走り出しました。

「もう、どうにでもなれーーーーー!!!」

するとすぐにフワッと足が地面から離れ、自分では何一つ自由に動けない身となりました。

こわい!!と思ったのはほんの一瞬だけ。

その後は目の前にひたすら、緑色をした畑と小さく見える家々の大パノラマが広がりました。
遠くでは鳥が翼を広げて、風に乗って飛んでいます。
パラグライダーも離陸したらあとは風に乗るだけ。

あの鳥と同じことをしている・・・
同じ景色を見ている・・・とただただ感激しました。

鳥が見ている景色

私が胸を打たれて声を失っていると、ジョンソンが「君も持ってみなよ。」と言って翼に繋がれている綱を持たせてくれました。
左手を強く引くと左に旋回し、右手を強く引くと右に旋回します。

また、私が綱を持っているあいだ「ほらほら僕を見て〜」というので振り返ると両手を離しています。「君もやってみなよ〜」といいますが、それは出来ない(笑)

彼は写真もバシャバシャ撮ってくれます。
「ほらほら横向いて~」「上向いて~」「足をひろげてごらん~」
とサービス精神旺盛。
しかし私はこの感動の景色を落ち着いて堪能したいのだが・・・

しばらくすると、ジョンソンがパッと足を上に挙げる仕草をするので私も真似をして足をあげました。
すると彼は足を下げます。
そのため私もすっと足を下ろしました。
するとまた彼は足を上げます。

あ、コレ、着陸の準備なのね。
受付のときに説明された尻もち方式で着陸するという意味ね!
と思い出し、今度は私は足をあげたままにしました。

地面が近づくと、急にスピードが速くなった気がしました。
なので、尻もちの時かなり衝撃が大きいそう!!と心拍数が急上昇しましたが、着地寸前にフワッと少し浮かせてくれたので全く衝撃なく着地できました。
彼はきっと凄腕パイロットなのでしょう・・・!

着地した場所には既にハイエースが待っていて、すぐに装備を外し、翼をトランクに詰めて事務所に戻りました。

ジョンソンはまたすぐに男子4人組をタンデムするそうで、ハイエースは私を降ろしてそのまま山の上へ向かいました。 

VI. 気持ちがいい人達

帰りのゆータクの時間までまだ40分ほどあったので、下からパラグライダーが飛んでいる様子を見たいと思い、着地地点に歩いて引き返しました。

ちょうど着地地点に着いた頃に大学生が上空を飛んでいて、私に気付いて手を振ったので、私も大きく振り返しました。

するとあの女性のインストラクターさんが空から「Otamaさ〜ん」と大声で叫んでくれました。

ただ名前を呼ばれただけですが、呼んだ相手が自分の頭上を通り抜けていったのがなんだか新鮮でした。

パラグライダーのお腹を見ることができて満足したので、事務所に歩いて引き返している途中、朝一緒に山に行って、雲が晴れるのを待っていた個人の方とスタッフの方が着陸して一息ついているところに出くわしました。

ちょうど彼らが私に気がついたので、私がペコっと頭を下げると「今度は飛んじゃいなよ!」と叫びました。
パラグライダー始めろって意味だと思います。

彼らの年齢は40~50代頃で、社会的にもそれなりの立場にある方々だと思いますが、今日ともにすごした時間の彼らはまるで少年のようにキラキラした笑顔を爆発させていました。
そんな姿を見て、紅の豚のフィオの言葉を思い出しました。

飛行艇乗りの連中ほど気持ちのいい男達はいないっておじいちゃんは いつも言ってたわ。
それは海と空の両方が奴らの心を洗うからだって。

『紅の豚』スタジオジブリ

VII. 真に”まるごと”な絶品ブルーベリータルト

帰りのゆーたくでは、行きと同じ運転手さんが迎えに来てくれました。
帰りは黒磯駅まで乗せてもらいます。

運転手さんは無口な人で、話題を振っても2~3の往復で会話が途切れてしまうような方でした。
しばらく無言が続きましたが、それを切り込んだのは運転手さんでした。

「お姉さん、もしカフェが好きだったらSHOZO CAFEがおすすめだよ。」
「黒磯でSHOZO CAFEを知らない人はいないくらい地元では有名だよ。」

予定通りにフライトできて時間に余裕があったので、少し観光して帰ろうと思っていた私は、そのSHOZO CAFEに立ち寄ることにし、近くで下車させてもらいました。

本日のケーキ「ブルーベリータルト」と森のブレンドを注文しました。

するとびっくり。
タルトの上に、まんまのブルーベリーが贅沢にちりばめられています。
すこし濃い森のブレンドコーヒーとまた合う。
オシャレな空間に、美味しいケーキとコーヒー。
素敵な休日を過ごせましたとさ。

ブルーベリータルトと森のブレンド

VIII. おまけ

ちなみにその夜、オットとは近所のオシャレレストランでディナーしました。
ワイン飲み放題で二人ともベロベロに酔い、なんだかムネアツないい話をした気がしますが思い出せません。
自宅に帰って倒れ込むようにそのまま就寝。
するとオットが深夜に目覚め、トイレに駆け込み・・(自主規制)

ボディメイク中の彼は普段は低脂質のものしか食べない(ついでにアルコールも摂取しない)ので、急に食べなれないものを食べて胃が驚いたのかそのまま2日間寝込みました。

そして、山の上で蜂(?)に刺された私の人差し指は、指先にとどまらず指全体がパンパンに膨れ上がり、痛痒いのなんの。
しかし世は3連休のため病院があいていないので、シップとテープでぐるぐる巻きにして物理的に掻けないようにして、自然治癒力と忍耐でなんとか回復させましたとさ。

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