庭にふくらむ春
この季節になると、我が家の庭には蕗のとうがなる。
なぜ庭に出てくるのかというと、いつも近くの山に蕗のとうを採りに行く父親が、庭に苗を植えたからだ。
おかげで、私は毎年天然の蕗のとうを食べられる。
ありがたいことだ。
朝起きて着替えをしたら庭にむかう。
木々が茂る地面には、たくさんの枯れ葉が敷き詰められている。
手をのばして枯れ葉の下を探してみる。
ここにはないな、次はこっちをみてみよう。
何度かその作業を繰り返すと青くぷっくりとしたつぼみが姿を現す。
そういえば、父が草の隣に蕗のとうが出やすいよ、言っていたな。
そんなことを思い出して、草の周りを掘り起こしてみる。
あった、ここにもあった。
コツがわかると次から次へと出てくるもので、つぼみを見つけるのが楽しくなる。
15分ほど蕗のとうを採っていたが、両手で抱えきれないくらいになったので今日はこれでよしとしよう。
さて、今日はこれで何を作ろうか、やっぱり定番の天ぷらか、いやいや蕗みそにして白いご飯といっしょに食べるのもいい。
はやる気持ちをおさえながら、いそいそとキッチンに向かった。
大田ちえこTwitter👇
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