見出し画像

かかわり方のまなび方

「ともに学び合う」
僕は今まで10年以上医療保険領域で臨床をしてきて,目の前のクライエントに相対しながら,現場で悩む後輩に実践の中で教え続けてきました.臨床の疑問というのは正解がなく,個々でその悩みは様々ですが,それを解決するための多くの場合はやはり人と人の対話であり,そこには「教える人」と「学ぶ人」という構図ができる場合もあります.僕はこの両者は一方的な関係性ではなく,それを双方向的・相互作用的に活かすことができる教育の場(空気?)を作りたいと考えています.ですが,容易にそういった仕組みは創り出せません.まずは誰でも気軽に「教え合ったり,意見交換したり,成長し合う機会や場を作ろう」.そんな思いで2024年度のOTサークル・居酒屋「海の家」はてつさんとシラタキさんの3人で始まりました.

居酒屋「海の家」の詳細を知りたい方はコチラからどうぞ.



第1回目 居酒屋「海の家」を終えて

今回のお題は「個人の力を活かすチームの作り方」で,やや管理職目線の内容でした.今回の内容についてはてつさんとシラタキさんがそれぞれnoteで非常に分かりやすくまとめて下さっています.ですので,このnoteでは第1回目のZoomを実施したことで感じたワークショップの難しさについての話をしたいと思います.

素晴らしいお二人のnoteはコチラ.

率直に感じたのは「時間がないこと」と,「ファシリテートの難しさ」でした.今回グループワークを30分設けて,それぞれのグループの運営メンバー3人がファシリテーターをしたのですが,参加者によって抱えている問題は当然色合いが違います.それを分ける要因は,分野や領域だけでなく,今までの経験,任されている役割,直面している問題の種類など様々で,それによって見えている景色(視座)の違いを特に感じました.例えば,若い世代と管理職世代では問題の性質が異なっており,それを一緒くたに取り扱うことができず,結論をどのように持っていくか非常に悩みました.

かかわり方のまなび方

上述したことは僕にとって大変悩ましい問題でしたが,「ファシリテーターは参加者の意見をどのようにまとめればよいのか」,そもそもこの出発点が良くなかったかもしれません.そこで今回,上記の同タイトルの書籍を引用しながら以下に意見を述べてみます.引用も含んでいるので割と強く言い切っていますが,あくまで個人的な意見です.


ーーーーーーーーーー
「ワークショップでは参加者が主役」,「ファシリテーターは無色透明」という意見がありますが,ファシテーターとはおそらくそういったことを考えるべできではありません.ワークショップは参加者に預けるべきでもなく,ファシリテーターが一人で引っ張ったり,頑張ったりするものでもありません.だからファシテーターは流暢に語る必要はないし,そういった期待を参加者にさせるものでもないのです.どういった方が集まったかによって話すことも変わるし,結論がしっかり出ないこともあるでしょう.そんな時に「時間が足りない.だからもうやめましょう」ではなく,1時間でやらなければならないのであればその中で最善を尽くすしかないのです.参加者が「素直に感じて,素直な自分を出すことができる」.そんな場を作ることがファシテーターの大事な役目です(書籍ではファシリテーターの役割や在り方について「掘り起こし」や「場をぐらぐらさせない」,「そそのかし役」,「一貫性を保つ」といったように表現していました).もしも,ワークショップの結論が「無理矢理な感覚」,「予定調和的」と感じたのだとしても,それを参加者が指摘できて,言い合えればそれで良いと思います.また,事前にファシリテーターがそうなってしまうかもしれないと言っておけば良いと思います.つまりコミュニケーションが取れていることが重要だと言えます.逆に,ファシリテーターとコミュニケーションが取れていないと感じたら参加者は諦めてしまいます.そのために最初のオリエンテーションと終わり方は非常に大事で,「今日はどこまでいくのか」という到達点は大まかでも言わなければならないのです.狙いや目的,そして「どこまで行こうと思うか」,「今日はここまでみんなで進めることができた」,という会の流れを必ず確認するということが重要になります.ファシリテーターはあらかじめこうしておけばよいと決めておけるものではなくて、「在り方」が大事だと言えます.
ーーーーーーーーーー

さいごに

ファシリテーターがどうあるべきかについて書いてみましたが,ファシリテーターは集まった人がどんな人なのか?これを理解し,何が「足りない」のか,もしくは「何に迷っているのか」といったことを把握して適切な対応し対話をする,これに尽きると思います.これを実行するためには頭で理解するというより,何度も難しいファシテーターの場を経験することが必要になるのかなと思います.
また今回,第1回目のZoomが良くなかったとは決して思っていません.とても有意義な場になりましたし,予想外のインタラクションも生じて楽しい場になりました.ですが,「もっと良いものが作れないか」,「もっと良い場にできないか」という自分の疑問に答える形で今回のnoteを書きました.

次回の第2回目は5月18日にまずスペース(開店準備)があります.ご興味がある方はぜひそちらにも参加していただければと思います.
ここまで読んでいただきありがとうございました.



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?