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【最終?】純喫茶・星港夜での年越し珈琲(たしか8年目)

松の内の明けるのを待たずして、もうお正月気分すっかり抜けてしまいました。おしゃまです。
なんにも正月らしいことしなかったですからね。3が日は寝て曜日でしたよ。

唯一、震災以後出入りするようになり、おそらく2013年の大晦日から通い詰めていた、仙台市青葉区上杉の純喫茶・星港夜 シンガポールナイトでの年越しには行ってきました。
ズミクロン?とか心配ではありましたが…

年越し珈琲と「旅に出ます」

2022年12月27日閉店をマスターが予告して以来、ついったや各メディアで話題になり、一時は満席御礼でどうなることかと思いましたが、秋以降また酒がのめるようになったらみんなそっちに行っちまったようで、過ごしやすいけれどもやはり閉店の方針は変わらないかな…というくらいの入りになってしまいました。

はじめての年越し珈琲はたしか2013年でした。
わたしはまだ仙台市外に住んでいて
歳が明ければジェイアールの初詣臨で帰ったものですが、仙台市民になって以降仙台地区では初詣列車は全廃になったとあとで知りました。

その次の年の大晦日だったか、早めにお店を訪れたところ
「旅に出ます」の貼紙があり誰もいない。

これは2013年9月20日バージョン(あいほんで撮影)

小一時間程度どこかに出かけてしまうのです。
「あんまり客来ないから頭にきて」と笑いながら話すマスターがかえってくるまで人影まばらな県庁周辺をあてどなくさまよっておりました。

そんな思い出もある年越し珈琲ですが、もう2022年大晦日にはないのです。

いろいろな思いをかかえて、18時半すぎにお店に到着しました。
例年の年越しをご一緒している常連さん1名すでにいらしていて、ご挨拶をしたあとで注文聞かれるより前に出てきたのは、なんと! これでした。

たこ焼き!笑

「割り箸はキープね」と言われましたがその理由はのちほど。
しかるのちに1杯目の特濃「無伴奏」を注文。

このお店の珈琲は、各ブレンドごとにうすいほうから「ノクターン」「月の光」「珈音(カノン)」「運命」「無伴奏」というネーミングがつけられています。
わたしも当初は月の光あたりからスタートしましたが、昨年あたりから無伴奏でないとしっくりこなくなりました。お店がなくなったらどうしよう的な感覚に陥ります。

大晦日の読書もカメラと写真尽くし

ひとりでカメラならべて、本棚からこんな本をもってきて眺めていたりしました。

朝日新聞社刊「広告にみる国産カメラの歴史」

国産カメラ黎明期からの「アサヒカメラ」上の広告がずらっと並んでいるのですが、巻末ちかくには発行当時の最新の広告も載っていて、京セラコンタックスG1、オリンパスOM-3ti、それとオリンパスの普及機(ブリッジカメラ)L-10などもありました。
余談になるけどL-10はOM-1と前後して使っていました。30代くらいのころ、もりおかのカメラセンター松村という中古店で一番安いのを買ったのですが、数年で故障してしまいました。ズームレンズ固定の一眼レフで、オリンパス流にいうとパワーフォーカスですか。昨年お店でみかけましたが数千円で買えてしまうお値段でした。

そしてnoteでフォローさせていただいております薄明さんの写真集2冊。

植木鉢のわきにあるのはチェンバロです

最新刊は中判フィルムですべて撮影されたそうなのですが、スクエアフォーマットに水平軸と垂直軸が自然におさまっているようで、一枚いちまいから薄明さんのつつましい立ち姿が浮かび上がるような印象を受けて、とてもすてきでした。

その前にまとめられた「私は石ころみたいな写真が撮りたい」は、大きな世界のなかのごく小さな瞬間、小さなものをとらえた写真がおおくおさめられています。こちらもとても良かったです。

ティラミス、たい焼き、年越しそば

一時間かそこらして、このお店の常連同士であるGさん到着。
仕事帰りだそうで、お腹をすかせていると話していました。

おしゃまは「無伴奏」2杯目といっしょに名物ティラミスを注文。
向かいに座るGさんはいつものたい焼き。
いずれも珈琲にとても合います。
むろん時期が時期ですので黙食、話すときは口と鼻は隠して。

中央に置いてある赤いのは、純喫茶ガチャを回したのをこの日に合わせて開封したもの。
1回500えんもするので何回も回せなかったのですが、赤いモケットの椅子が出てきました。

そして、例年より早め、10時過ぎには年越しそばが振る舞われました。
割り箸はこのためにとっておいたわけです。
この時点で8割程度の着席率だったでしょうか、もっともテーブルの間隔ももともと広く、15人程度で満席になるようなお店です。
秋に導入された空気清浄機で除菌などもされてるようでした。

ここでの年越しそばも最後なのでした。

わたしはこのあと3杯目の無伴奏注文。

珈琲で新年の乾杯!

で、3分前くらいになるとみなで表に珈琲片手に出て、時報を合図に乾杯するのです。

OM-4tiに一脚をセットして、左手にコーヒーカップもって例年どおり記録写真と意気込んだものの、逆光ゆえみなさん影になってしまいました…笑
片手ではスポットボタンもシャドーボタンも押せない。
まあこういう雰囲気でしたということで。
右から3人目の侍みたいな影がマスターです。風貌はぜんぜん侍とかではなくいつも笑顔なのですが、シルエットですからね。。。

「割り箸*千円で珈琲はタダ」(笑)

「0時半で閉店です」とマスターの声がかかり、談笑しながら帰り支度にかかります。
23時50分すぎから雪がちらつきはじめ、30分後くらいに窓の外をみれば真っ白です。
お会計でいつものように「お釣りはいりません!」宣言するも(実際は数十円~多くて100円玉数枚)、「割り箸が*千円で珈琲はタダだからね」とマスター一流の冗談をかまされ、常連のお兄さまたちとマスターに挨拶をして、原付で来店したわたくしおしゃまはひとり帰途に。

スタッドレス履いてるとはいえ、また乾燥路面の上の新雪なので凍結はしてないのが救いとは言っても、雪の上を走るのは10年ぶりくらい。
元日未明で車も人もごくまばらでしたが、大通りではなく狭い間道を中心に、時速20キロ以上にならないように、そして極力エンジンブレーキで停まるようにして(幸い4ストのスクーターはエンブレが効くのよね)スロリスロリと走行して帰宅しました。

信号待ちで一枚カシャッと。マイナス側に2段補正かけっぱなしなのに気づくいとまもなく、ゆえにあんまり白が白っぽくありませんな。
帰着しましたら、コートも手袋も雪まみれでした。

ひとり夜珈琲はこれからも

もうお店での年越しはないんだな、と思うとさびしいですね。

でも、星港夜でおぼえた夜のむ珈琲の味は忘れられないので、毎晩自室で豆を挽いてのんではいますし、ことしの大晦日もそうするつもりです。

*特記の一枚以外すべてOLYMPUS OM-4ti×LOMOGRAPHY COLOR NEGATIVE800で撮影

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