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短期実習の思い出

言語聴覚士になるためには、実習という関門があります。

私が学生だった頃、あそこの実習はきついから絶対に行きたくない!と有名な病院がありました。



今ちょうど実習の時期だったなぁとふと思ったので、今回は自分の実習がらどうだったのか振り返ってみようと思いました。

私の母校は、言語聴覚士の4年制の専門学校です。

3年時に短期実習、4年時に長期実習を1期と2期それぞれ別の病院に行きました。

短期実習、長期実習1期、長期実習2期、それぞれ3日間に分けて書いていきます。


まずは短期実習から!

地獄の寮生活


短期は公立病院。

急性期、回復期を兼務している言語聴覚士歴20年以上の大ベテランの先生がバイザーでした。


2週間の実習で一番きつかったのが寮生活。

その寮は、築数十年の古い建物で今にもなにか出そうなだだっ広いところで、風呂とトイレは共同でした。

ただし、その時期の実習生は私一人だったので、寮も当然一人で生活。

そこでの生活は、ネット環境もなければテレビもない。

しかも、田舎で車もないため最寄りのスーパーまで20分近く歩いて行ってました。

周りにはなにもなく、娯楽など全くありません。

古いおかげでコンロがつかない、お風呂に入ろうと思ったら水しか出ない(しかも実習時は真冬)といった不具合がおきまくり、ほんとに心が折れそうでした。

することがなさすぎて、合宿のような感じで、人生の中で一番勉強した2週間になりましたね。


特徴的なリハビリ室


基本的に病院にはリハビリ室があり、近くに言語室が設けられていることが多いです。

しかし、その病院は理学療法室と作業療法室は一緒だけど言語療法室は少し離れた場所にありました。

その言語室自体も変わった作り。

2部屋それぞれに入り口があり、奥に続いている扉を開けると一つの大きな部屋に繋がっていました。

その大きな部屋の隣にも一つの個室があります。

その頃は、3人の言語聴覚士が働いていて、それぞれに個室が設けられているという感じでした。

ただ、私が指導してもらった先生はあまり個室は使われず、大部屋でリハビリをしていることが多かったです。

当時はわからなかったですが、先生にはきっとなにかお考えがあったのだと思います。


印象に残った指導


実習に行った学生には、学校から課題が出されています。

それを一通り終わらせないと成績がつけられません。

短期実習では、症例さんを1人担当させて頂いて、評価をしてまとめるという課題がありました。


当時、担当されてもらったのが構音障害(発音が不明瞭な障害)を持つ患者さん。

評価のために検査をしようにも全く言葉を聞き取ることができず苦戦しました。


その時に、バイザーから言われたのが

「分からなかったら素直に聞き取れませんでした、ごめんなさい。と言いなさい。そのあとでしっかり練習をして、聞き取れた時は一緒に喜べばいい」

ということでした。

もう10年以上も前なので、そっくりそのままは思い出せませんが、内容はこんな感じ。


聞き取れず曖昧な返答やなんとなくわかったような返事をしていたのをしっかり見られていたんですね。


患者さんには常に誠実でありなさい。


そう教わった出来事でした。


とても感銘を受けたので、就職して臨床に出てからも常にこの言葉は私の中にありました。


わかってないのは絶対に相手にも伝わってしまっているんですよね。

これは子供を相手にする時も一緒だと思っています。


聞き取れなかったらごめんなさい。

わかった時はしっかりと「わかりやすかった!」とフィードバックをする。

これを繰り返すだけで、かなり患者さんとの信頼感も深まります。

たった2週間でしたが、とても大事なことを教わりました。


はい。
ということで、今回は短期実習について振り返ってみました。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


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