とある女勇者(38)の帰還
世界平和を探した人の話
世界平和を探して旅してたら
それを見つけたその女の子は
アラサーから旅を始めました
アラサーから、たくさんの裏切りや
野山を越えたり
ときには人前で汚さを演じることが必要でした
男のように戦い それでも平和を求める心を失わずに進んでいました
出かける前に埼玉の神様にお祈りしたので、普通の人が見えないその悪を見つけることができました
その時に、旅人がとれたことは三つでした
1 自己利益のために黙殺する
2 自己利益のために加担する
3 止める
女勇者は、3を選びました
3は自分が最悪死ぬこともありました。
でも、道中色々な別のパーティーがいて、支援しました。
魔王は「今は○さないから」と
言って去って行きました。
女勇者は旅を終えようと思いましたが、勇者とはいえ無職になってしまいます。
次に進む道が必要でした。
悪を告発した時、勇者の祖国の追いかけてきた兵士たちは、それまでたくさん勇者のことを悪人だと誹り、勇者の妨害をたくさんしていました。
だからここは祖国ではない、と勇者は思い戻ることは考えませんでした。
次に、勇者はもう一方で戦っていた戦士の集団にも声をかけました。
ところが、「お前だけ抜け駆けは許さない」
と言われてしまいました。
勇者はどこに行けばよいか、悩みました。
一年くらい悩みました。
その間にも、自己利益のために勝鬨をあげたものが、どんどん褒賞を手にしていました。
でも女勇者はそんなもの求めませんでした。
ただ、冠はいらないが、その事実だけが欲しいと思いました。
しかし、「お前だけが良いところを持っていくことは許さない」 と他の戦士たちが言いました。
「お前の顔、ごついんだよ。女のくせに」
女の勇者はふと鏡を見ると、戦い疲れて顔はゴツゴツ、そして腕は丸太のように太く、
男のようないでたちになっていました。
勇者が旅を終えたのは、女としての盛りもすぎた38歳でした。
女勇者の受勲の代わりに、他の戦士たちが擁立した24歳の金髪の王女様がその役割を担うことになりました。
「おお、彼女こそが平和な使者である。アリーナ姫様!」
世界はアリーナ姫のことを讃えました。
女勇者は、剣を握り続け、ふしくれだって醜く変形した自分の指を見つめていました
そして、女としての喜びも捨て、旅立った時の気持ちを抱き締めた涙を流しました
「ただ、顔が悪いから」
そう、戦士たちの集団は言いました。
「年いってるし。あと、お前の性格、嫌いだから」
女勇者は擦り切れた服と、もはや帰る家もないほど遠くに来ていました。
現実世界では、誰もお金をくれないので、お金もありませんでした
アリーナ姫は、戦士たちの中で一番美しい金髪の騎士を婿に迎え、
王国中に祝福されて凱旋しました。
一方の女勇者は、いくあてもなく、ぼろぼろの服装で街を彷徨いました。
「ねえ見て、あの女の人ブスだね」
街の中を歩けば、勇者のことを人々は侮蔑の目で笑いました。
自分が守ったはずの世界は、そこまで美しかったのかと勇者は今でも時々自問します
旅から帰ってくると、剣は折れていて、すぐに質屋に手放しました。
もう一つの剣も、もう古いので質屋に手放しました。
家は、誰も住みたがらないカビの生えた小さな1人用のアパートでした
女勇者は、それまであった旅のことを覚えていました。
普通の人が決して知ることのない世界がそこにあった、と。
それでも、結局誰にも愛されることはなかった。
戦後、平和な世界に向けて、アリーナ姫を中心として
王国の今後のあり方が会議されることになりました。
女勇者はいなかったものとして、そこに呼ばれることは決してありませんでした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?