見出し画像

街と自然と亀と

驚いたことに
今日、亀が歩いているところに遭遇した。

都会の住宅地にある公園の脇の道を
自転車で通っているときに
道を横切るように亀が歩いていた。

自転車を止めてしばらく眺めてみると
のしのしと
(のったりと?)
道を歩いていた。

——なぜ、亀?

ペットとして飼われていたのが
逃げ出したのか、
公園に住み着いていて
ただの散歩なのか。
でもこの公園に池はない。


少し前に子の国語のテキストを
読んだ内容を思い出した。
鳥についての説明文で
なんでも街に鳥が戻ってきている、
増えてきているのだとか。

理由は自然保護の賜物など色々あるようだが、
その中でも特に興味深かったのが
街ができてから時間が経過し、
街に植えられた木々が
育ってきたためという記述だ。

——なるほど、面白い。

確かに辺りを見渡せば
この街にも背の高い木が非常に増えた。
子どもの頃と比べて倍近くに
なっていたりするのではないだろうか。

人が成長するのと同時に
人工的に作られた自然が育ち、
やがて街に馴染み、一体となる。

場所によっては鬱蒼と生茂る草木がある。
決して見栄えのいいものではないから
整えればいいのにと思うことがある。
しかしそれが「自然」になったからなのだと
言われてしまえば確かにそうで、
これは受け入れなくてはいけないのかもしれない。

未来を描いたポスターなどで
巨木に街を融合させたような絵を見かけるが、
融合という観点で見ると
似通った感じがしなくもない。
かなりファンタジーではあるものの、
行き着く先は本当にあぁいう未来なのかもしれない。


亀の話に戻るが、
それから1時間ほど経ってから
同じ道を逆方向に通った。
既に亀の姿は全くなく、
お迎えがきたのか
遠出することにしたのか。

いずれにしても
亀がこの地に暮らすと決めたのならば
自然調和の象徴として
馴染んでもらいたいものである。

怖い部類のカメではなかった。
外来種かは私にはわからなかった。
居着かれては困る種類もいるため
一概に言い切れないのが残念ではあるけれども。

よろしければサポートお願い致します。 製作の励みになります。