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読書を楽しむ

本を読む。

この数年、
読書といえば啓発本ばかりを読み漁ってきた。
自分を変えたくて
成長したくて
もがいていた時期だ。

『啓発』
——人々の気がつかないような物事について教えわからせること
大辞林より

本を読み、
著名人の考えや問題の切り抜け方
自身の立ち振る舞い方などを教わってきた。

視野が広くなったと思うし
予期せぬことが起きた際に
今をどう切り抜けるのか、
相手をどう理解させ納得させるのか、
そういうことを冷静に考えられるようなった気がする。

そしてそんな方向への
成長のことばかりを考えてきたと思う。


自分と向き合うことを避けてきたと気付いたのは
そうした啓発本を読む過程だっただろうか。

あれ、私って本当にやりたいことやれているの?
楽しくなくもなくて、
やりがいがなくもなくて、
でもいつも苦しいのはなんでだろう?
すぐ背を向けて逃げ出したくなるのはなんでだろう?

考えて考えて
自分が本当にやりたいことを
見つけることができた。
これも啓発本の賜物だ。
ありがとう。

それまでの生き方を変えるべく
数ヶ月前から生活を整理して
近頃ようやく落ち着いたところだ。

そしてふと小説を久しぶりに
読んでみたくなって、
啓発本以外の本を何年かぶりに手に取った。

どうだろう
なんて楽しいんだろう

頭を使う部分が違う。

啓発本は全部吸収してやるぞという気負いで
メモをとりながらがつがつ読んでいく。
喰らうような感じだ。

小説、随筆は頭に染み込ませるように
情景を思い浮かべながら
ただ受け身で読み進めていく。
温かいお茶が
じわじわと体を温めてくれるように。

頭が凝り固まっていたのが
解けていくかのような感覚だった。

読書ってこんなに気持ちのいい行為だったのかと
初めての体験だった。

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