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オーディオブック なぜ僕らは働くのか

タイトル:なぜ僕らは働くのか 君が幸せになるために考えてほしい大切なこと
著者:佳奈、池上彰、モドロカ
出版社:学研プラス
出版日:2020/03/19

この本は、小学校高学年から、中学、高校生を対象として書かれた本だと冒頭で言っていた。
それならばと気楽な感じで聴くことにした。

最初の話題は、働くとはなんだろうというテーマ。
雇用形態の話や、個人事業主の話などの説明が丁寧にされていて、大人の私には答え合わせのような内容だった。
自分の認識にずれがないかや、こういうことは新聞に載っているなとか、安心して聴いていることができた。

次はお金がテーマ。
生きるためにはどういう所にお金がかかるのかを説明してくれる。
また大人はどういう風にお金を管理、運用しているかを具体的に聴くことができる。

この先から精神というか、働くことへの心構えの話に移っていく。
好きなことを仕事にすべきなのか、仕事にしてから好きになるのかなど。
すぐに結果を求めず続けることの大切さや、しかし苦しい思いや心を壊してまで続ける必要はないということも伝えてくれる。
どうやって好きなことを見つけたらいいのかについても触れてくれる。

それから未来について。
SDGsを意識している企業はどんなことをしているのかや、この先AIが導入されていったらどう未来は、働き方は変わるのかなどだ。
時代が流れることで価値観や求められることは変わっていくことについても言及してくれており、この部分は非常に興味深くて、まだ見ぬ近い未来について思いを馳せた。

私が一番なるほどと納得したのは、ライフワークバランスについてだ。
仕事と生活のバランスのことだが、どちらも大切に「しなくてはならない」だと思っていた。
この本では、バランスは自分が決めることであり、本人が仕事に重きを置くと決め、それで満足が得られているのであれば問題ないと言っている。
(家庭がある場合はまた少し違うと思うが)
自分の概念の偏りに気付くことができたことと、一生懸命仕事に没頭していいんだと背中を押してくれた。

前半部分は子ども向けに感じられたが、章が進むにつれて大人が聴いても実になる内容になっていた。
大人が知っているであろうことから、未来についても触れており、非常に為になる。
こうした本を子どものうちに読むことができれば、大人になるときの指針となってくれるのだろう。

しかし大人へのハードルが高くも感じた。
お金や仕事について、今大人の人たちは、そんな心構えで生きてはいないだろうなと。
ここまで立派でない大人な自分が少しつらい。
だからこそこうした本が出版されるのかもしれないが。

また、こうした仕事を選ぶことができる環境にいない子はどうしたらいいだろうとも考えてしまった。
この不安定な世の中で、果たして誰しもが仕事を選べるだろうか。
では私には何ができるのだろうと考えると、直接的にはなにもできない。
敢えてできることがあるとすれば、それは人生を楽しむことだと思っている。
大人が一生懸命仕事して、一生懸命遊んで、楽しく人生を歩んでいれば、自ずと子どもたちも大人って面白そうだと思ってくれる。
だからこそ仕事なり、趣味なりで好きなことを見つけて熱中するためにも、こうした本で考え方を学ぶことは必要なのだと思う。

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