見出し画像

従業員が”B面”でつながる社内コミュニティ

古き良き日本人的資本経営をオンラインでアップデートする

オシロではクリエイターさんやブランドさんに、ファン向けコミュニティ運営に特化したツールと運営サポートまでを提供しているが、最近では企業の従業員向けのコミュニティのお引き合いもいただいている。それも日本を代表する大企業さんからのお問い合わせが目立つ。

追い風のひとつは、2023年から上場企業は非財務情報の開示が義務付けられたこと。非財務情報とは決算書や財務諸表に含まれない情報のことで、その中でも求められているのが「人的資本」。そこには、組織風土・健康・幸福などの領域があり、エンゲージメント、従業員満足度、離職率といった指標の開示が求められている。

かつて日本企業は、従業員のモチベーションが高く、従業員同士は家族のような関係だった。誰に強制されるでもなく、「あのひとがいるから頑張ろう」と社員一丸となって働いていた。代表的な例として「出光」(現:出光興産株式会社)がある。

出光の伝説的な創業者・出光佐三をモデルにした小説『海賊と呼ばれた男』(百田尚樹著、講談社)が有名だが、

出光は
・大家族主義
・タイムカード、出勤簿、定年なし
という組織文化の中で、社員はみな生き生きと働いていた。

戦中には売るべき商品である石油が手に入らず、戦後は国内外すべての事業を失った時期もあった。しかし、出光は決して外資に頼ることなく、同族企業を貫いた。売上がなく、2000人の従業員を解雇しなければいけない状況になっても、一人も解雇しなかった。また、従業員の出来が悪いからといって、辞めさせることもしなかったという。

ぼくはこの物語に、現代人が忘れてしまった古き良き日本人の美意識を感じている。

かつて会社は条件や待遇ではなく、関係性で成り立っていた。ところが昨今、ジョブ型雇用といった欧米的な組織に寄っている会社が増えてきている。それが悪いというわけではないが、待遇・スキルだけを重視していると離職率が高くなる。

従業員同士の関係性がいいほど、創造性、生産性、売上の増加や離職率の低下につながり、なにより社員の幸福度が高まることがわかってきたいま、従業員同士のつながりを取り戻すことが大事だと思っている。

だからといって、組織全体をかつての日本的なものに戻すことは難しいし、今となっては悪しき風習があったことも事実だ。そこで失われた家族的な関係を、業務とは関係のないB面活動のためのオンラインコミュニティで補完しアップデートする。それがOSIROが提供するソリューションだ。

「B面」でつながる社内コミュニティ

レコードにたとえて、A面は仕事、B面は趣味。会社の業務ではA面のつながりしかない人でも、非業務である趣味のB面でつながることで絆はぐっと深まる。また、普段のコミュニケーションや接点の少ないほかの部署や支店の人でも、共通のB面を通して出会い、日本全国の社員同士が交流できる。

さらに、オンラインのよさは、肩書や部署も関係なく、支店・支社の壁をフラットにしやすくしてくれることだ。それにより従業員同士の仲良くなるきっかけが生まれ、企業全体で心理的安全性が担保された組織風土が醸成される。結果的に業務でのコミュニケーションも円滑になり、業績にも好影響する。

マサチューセッツ工科大学(MIT)組織学習センター共同創始者のダニエル・キム氏が提唱した「成功の循環(Theory of Success)」という組織開発モデルが世界的に支持されているように、人と人は仲良くなることで、高い成果を出せるようになる

具体的には、B面にあたる趣味や偏愛するモノ・コトをテーマとして社内向けコミュニティをOSIROでつくる。同じ企業の従業員しか入れない専用の場所だ。同じ会社の人という大事なアイデンティティが共通している前提であるため安心安全な状態から関係構築が始められる。

OSIROは、人と人が仲良くなり、感情共有ができるよう、コミュニケーションの効率化ではなく高質化という思想のもと、プロダクトを磨き込んできた

そのため、機能としては充実したプロフィールページからはじまり、ブログ、グループ、チャット、イベント、EC、ポイントなどのコミュニティを醸成するために必要な機能は一通り揃っている。それだけじゃない。コミュニティ内でフローとストックの情報がなめらかに行き来できること、同期と非同期という時間軸でもコミュニケーションが分断されない工夫も施されている。ここには書ききれないが、ほかにもOSIROの哲学に準じた独自の機能の掛け合わせで、人と人が仲良くなっていく。
このようなコミュニティが活性化するOSIROシステムは特許を取得している。

「離職率を下げたい」からOSIROを検討する

最近相談いただいた企業からの声は、「離職率を下げたい」がダントツに多い。ほかにも「企業合併で異なる企業文化の従業員同士を仲良くさせたいがなかなかうまくいかない」とか、「リモートで社員同士の人間関係が希薄化してるので、なんとかしたい」などなど。各企業の課題は切実だ。

そのような声を聞いてきたからこそ、OSIROを利用した社内専用コミュニティは従業員同士が仲良くなるソリューションになると考えた。確信が持てたのは、自分たちがOSIROシステムをオシロ社員専用コミュニティツールとして7年以上も利用して、良好な関係が築けている実績があるからだ。実際、社員はオフィスで月曜日から金曜日の朝から晩まで一緒にいるのにもかかわらず、週末も一緒に遊びに行くほど仲がよい。

ぼくは、人と人はもっと仲良くなれると確信している。大事なのは、経営者やコミュニティを主宰される方がそう思っているかどうか。機会損失をしているだけで、安心して心を開く場と仕組みがあれば、人と人はもっと仲良くなれる。

ぼくは、社員の好きなこと・偏愛している趣味嗜好を知っている。どんな芸術文化に触れて、どう感じたかも知っている。ぼくだけじゃない。そう、社員たちみんなが、お互いの好きなこと、偏愛していることを語れるのだ。それはなぜか? OSIROのツールがあるからというのももちろんあるが、ツールだけ導入しても豊かなコミュニティは醸成できにくいし、企業文化がしっかりできていればツールはなんでもいいかというと、そんなことはない。企業文化とツールの両軸を大事に考えてきたからこそ、ぼくたちはよりよいコミュニティソリューションを提案することができる。

その結果、クリエイターはコミュニティにエンパワーされ活動を継続できるし、創作の孤独を解消することも可能になる。ファン同士の関係が深まれば深まるほど、ファンのウェルビーイングにもつながる。社員向けコミュニティならエンゲージが高まり、なにより社員の満足度や幸福度、帰属意識も高まる。結果的に、コミュニティは、すべての人にプラスになるのだ。

次回は、コミュニティとアイデンティティの関係について綴ってみたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?