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野人岡野雅行物語

集英社 週刊ヤングジャンプ 原作 福嶋行雄

ヤングジャンプで描きたいという思いは高校時代から。プレ創刊号を本屋で買えず、エロ本が売ってる自動販売機で買い、絶対にこの雑誌で連載しちゃると夢を見てました。

そのチャンスが来た!

でもその前に読み切りでワンクッション置いてからとの事で、この野人岡野雅行物語を描く事になる。

押山初めてのドキュメンタリーもの。しかもサッカー!しかも浦和レッズ!

しかもレッズで大人気の岡野雅行選手!!

サッカーの有名選手は講談社に権利をほとんど持って行かれてたのだが、大のレッズファンの副編集長が岡野選手だけは譲らんとばかりに立ち上がった企画。

そして大の岡野選手ファンの原作者の福嶋さん。そして実はマリノスファンだった押山(^◇^;)

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まずヤングジャンプに本誌に高校編が掲載。

この時は取材でさいたま市の大原サッカー場へレッズの練習風景と岡野選手へのインタビュー。念入りな福嶋さんの取材能力に圧倒されまくりで、私はほとんどそれを見てるだけでした(^◇^;)

もちろん練習場内は一般の立ち入りは厳禁。そこに私ら3人が普段着でのこのこ入って行って練習を見ていたら、レッズファンのおばちゃんらしき人が、いつの間にか後ろについて、こんなに近くで見るのもいいもんだねぇとww

そして島根県の松江の高校にも取材。岡野選手が通った道を直に歩き、教室、グラウンド、学生寮、全てを体感し、街の図書館にも赴き、当時のサッカーの試合結果をことごとく調べまくりました。

す、すごいな。これが原作ある漫画か、とあらためて感動(笑


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そしてサッカーワールドカップ増刊号に、そこに大学編。Jリーグ&日本代表編とまとめて掲載。

大学編では岡野選手が住んでいた学生寮を取材。あの伝説の犬と競争して勝ったという道を、あ、ここだなwと笑いながら写真撮影。

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そして実家の母親への取材も!子供にこの坂はキツイだろうなーという実家への坂も体感。この母親へのインタビューの時に、岡野本人から電話がかかってきて、日本代表でオーストラリア合宿に行くとこだったのだが、スパイク(だったっけ?)忘れた!とwww

まったくもうあの子は、、と呆れ顔の母親の顔が印象的でした(笑

取材はもちろん浦和レッズの試合や日本代表の試合観戦も。こうして足を運んでいくうちに、いつの間にか私もレッズファン、岡野選手ファンになっていきました。

レッズファンって荒っぽい印象があると思いますが、実際は近所のお爺ちゃんお婆ちゃんまでがレッズのユニフォームを着て応援している姿に、なんかほのぼの感を味わいます。

他にも浦和から仙台へ行った水内選手へのインタビューも誘われましたが、生憎執筆作業中で抜け出せず、原作者にお任せする事に。この後、水内選手がこの漫画を読んで、これは岡野物語じゃなくて水内物語だwと言っていたとか(笑

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まだ高校編を描いている頃は、岡野選手がジョホールバルで決勝ゴールを決めていなかった。日本代表がフランスワールドカップに出場が決まったので、増刊号が立ち上がり、この野人岡野物語も続きが描けたのでしょうけど、あの決勝ゴールシーンは、、、運命的な何かをもってるねぇ、、と福嶋さんと驚きまくり。

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このシーンは私が魂込めて描いた!

実際テレビの前で号泣した!!

先頭に飛び出しているのは岡田監督。そしてフランスへは行かれなかったカズもこのシーンには入れたかった。このシーンのためにこの漫画のエンディングが描けたようなものです。

野人岡野雅行物語は、ちょうどコミックス一冊分になって刊行。

諸々権利問題でデジタルにはなっていませんが、古本ならまだ出回っているみたいです。プレミア付いていますが(^◇^;)



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