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老若日記-その25-20代の考える、リアルなお葬式への疑問

コロナの勢いはとどまることなく、新型コロナウイルスが日本で初確認されてからすでに一年経ってしまいました。
生活様式も変わり、価値観にもたくさんの変化があった一年間でしたね。

個人的にコロナの影響を大きく感じたのは、おじいちゃんのお葬式でした。福島の叔父の家近くにある介護施設に入っていた78歳のおじいちゃんが、昨年の9月に亡くなりました。
元々患っていた病気により何度か危ない時期があり、もう駄目かもしれないと言われる事数回。
数年前から、これが最後かもしれないと思いながら会いにいっていたので、多少は心の準備ができていたのは良かったのかな、と思っています。
元気な内に伝えたいことはたくさん伝えることができました。

現在26歳の私は、今までお葬式に出席したことがなく生まれてはじめてお葬式というものを体験しました。
しかもコロナ渦の中のお葬式です。イレギュラーなことも多かったとのこと。

出席者への感染が心配されるため、少人数の家族葬で行われました。
また、現在東京に住んでいる私や父母が出席することで、福島の方にコロナを感染させてしまうのではないかという心配の中での参加でした。

幸いお葬式のあった9月は緊急事態宣言下ではありませんでした。
葬儀場は自粛要請対象ではないので、万一外出自粛要請が発令されていても葬儀を行うこと自体は可能です。

実際にお葬式を体験してみて分かったこと、気づいたことが多くありました。
せっかくですので、おじいちゃんのお葬式を通して素直に感じた疑問や感想を深掘りしていきたいと思います。

コロナ禍でお葬式事情は変わったのか?

三密を回避するために、最近のお葬式は一日葬・家族葬が一般的になってきました。
そもそもお葬式自体がはじめての私のように、通常の流れを知らない方もいるのではないかと思い調べてみました。

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通常のお葬式の流れは下記です。

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一方、コロナ感染のリスクを考えた一日葬はこのように変化します。

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参列者が多い一般的なお通夜を省略するため、親族は故人と過ごす時間をゆとりをもって確保することができます。

また、1日で葬儀を終えるため、同じ場所での長時間滞在を回避することができます。
日帰りの参加が可能になるため、近辺に宿泊する必要がなくなり遠方の親族でも参加がしやすくなるメリットもあります。
私も仕事が休みの日曜日に日帰りで参加することができ、急な忌引きをすることもありませんでした。

お通夜での食事の場での感染リスク避けるため、おじいちゃんのお葬式ではお弁当をもらい、各自が自宅で食べるようになっていました。

事実「コロナ渦におけるお葬式の実態調査」によると、家族葬・一日葬が上昇トレンドとのことです。
この調べで印象的だったのは、葬儀の規模は「今後回復すると思う。」が14.2%も、「縮小すると思う」が依然80.8%というアンケート結果です。

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コロナの影響を受け、お葬式に対する考え方も変わってきているのではないかと思います。様々な形式やしきたりも多く、今後省略されていく過程も増えていくのではないかと考えられます。

ただ、お葬式に参加した私の素直な感想としては、お葬式はやって良かったと思います。
普段なかなか一同に顔を合わせる事が減っていた家族や親族に会うことができました。はじめて会う親戚にも挨拶ができました。
家族・親族との暖かい時間をおじいちゃんがつくってくれました。

コロナはお葬式に対して、変わらずに大切にしていくべき価値観と新しいお葬式の在り方を考え、見直す良い機会なのではないかと感じます。

【葬儀】第2回 コロナ禍におけるお葬式の実態調査 「自粛による最小規模の葬儀」 は緊急事態宣言下のピーク時と比較して緩やかに。 
出典:鎌倉新書

これって必要?お葬式への素直な疑問

ここからは私個人がお葬式に対して感じた率直な疑問点、これって必要?な点をシェアしていきたいと思います。

●豪華すぎる装花のお花
祭壇にいっぱいに飾られた菊やユリの花たち。
とても豪華で華々しく飾られているのが一般的かと思います。
見送る側としては少しでも寂しくないように、華やかにしたい気持ちもわかるのですが、もし自分が故人だったら、こんな豪華にしなくてもいいな〜と思ってしまいました。

装飾を半分にして、その分のお金を残された遺族に好きに使ってもらった方が嬉しいな、と思いました。
私は前職、花屋で結婚式の会場装飾を経験したことがあります。
ですので、こういう場での装花がどれくらい破棄されるかは大体想像がつきます。もちろん参加者や遺族にもお花は配られかと思いますが、それにしてももったいない気がするのは私だけでしょうか…

●後飾りが大きくて場所をとる!
結構立派な祭壇だけど、使ったあとの処分を考えると…これは必要?
後飾りとは、四十九日法要が終わる忌明けまで遺骨や仮位牌を安置する場所、として使われます。
その他にも、故人を偲び冥福を祈る場所にもなります。ただ、このお葬式のプランにある、後飾りの豪華さにびっくり!
家に置くにはかなりスペースをとるし、ずっと使うものではなく一時的なものでもあるので、買い取りというのもなんだかな〜と思いました。

これからのお葬式を予想してみた!

最後に、実際に参加した感想とそこから湧き出た疑問から、私なりにこれからのお葬式について想像してみました。
コロナ後のお葬式、20代の自分がもし何十年後かにお葬式を挙げるとしたら、どんなお葬式にしたいか。

これからのお葬式への期待と予想をまとめてみたいと思います。

●自己プロデュースするお葬式
どんな人に参加してほしいか、どこでどんな風に見送られたいか・・・
すでに終活で行われていることかもしれませんが、今後はより終活が一般的になっていくのではないかと予想します。

そこで、形式通りのお葬式だけでなく自分らしいお葬式の需要も高まると思います。
「海が好きなので、海辺でお葬式をしたい」
「パーティーのように、皆で楽しみながらお別れしたい」
といった一人ひとりの願いを叶えることができるようになってほしいと期待します。

近年、結婚式業界ではそういったオリジナルな結婚式がトレンドになってきてもいます。
お葬式業界にもそういった波がくるのではないかと期待しています。

●お葬式プロデューサーが活躍する時代
オリジナルの結婚式をプロデュースする専門の方がいるように、お葬式業界にもそういう方が現れるのではないかと予想します。

結婚式と違い、お葬式はいつになるかということは誰にも分からないものですが、自分が元気な内に大方のプランを一緒に考えて手配しておくお手伝いをしてくれるような方や、職業があってもいいのにな、と思います。
現状、調べてみるとこういった要望を少しでも叶えようと動き始めているお葬式会社もありました。
これからのお葬式がどう変わっていくのか、興味津々です!


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