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誕生日の決まりごと

またひとつ歳を重ねた。

今日は誕生日だ。

私は毎年自分の誕生日に、母に花を送る。
産んでくれてありがとう、と。


実はこの習慣は父が作ったものだ。

誕生日は君が産まれた日。
お母さんが、1番頑張った日。
だからこれから君の誕生日は、お母さんに感謝を伝える日にしよう。

中学生になったあたりだろうか。
今までは、ただ祝われるだけだった誕生日。
そうだな。
母があの日、痛みに耐え私を産まなければ今日はただの何でもない日。
不思議と私の中にその「あたりまえなこと」はストンと落ちてきた。


それからは、毎年毎年この日は母に花を送った。

去年までと違うこと。
私のお腹に、子供がいるということ。
私もまた、母になるんだ。


今日は悪天候で、実家に戻ることができない。
帰るよ。と母に電話したら、こんな雨の中妊婦が1人で危ない!帰ってくるなら明日、夫と一緒に帰っておいで!と。
笑えるほどに過保護だなぁ。
だから明日、夫とふたりで花を買って帰ろうと思う。


そして、産んでくれてありがとう。私も頑張るね。と伝えよう。


私は母を、母の愛をいろいろな面で裏切ってきた。

大学の中退
専門学校の中退
自傷行為
自殺未遂
会社の休職
そして鬱


ずっと許せない、過去の自分たち。
ひとつひとつを許して前に進もう。
いや、進まなきゃいけないんだ。


母から受け取り損なった愛を、ひとつひとつ拾いながら、私もまた母親になるんだ。

とはいえ、ネガティブな気質も鬱もなかなか治らない。
はてさて、困ったものだなぁ。

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