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初対面の相手が望むものをピタリと当てる会話術

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 さて、このコラムでとうとうマジの恋愛テクニック的なものが出てきた。

「女性と仲良くなりたい、でも、どうしたらいいかわからない」

 そんな男性のためのコラム。今回も会話のコツだが、前回よりもっとモテに繋がる具体的な方法を学んでいこう。

「そんな便利なものがあるなら、もっと早く教えろよ!」

 なんてツッコミを入れている男性はいるだろうか? いやいや、ずっといっているが、あなたたちは女性を口説く「スタートライン」にすら立っていないのだ。いままでのコラムは、まずそのスタートラインを理解する下準備みたいなもの。

 これから解説する会話術は、その下準備が終わっていないと役に立たない。例えば以前書いた「最低限度の清潔感」などができていないのに、会話だけこのやり方を用いたって、そもそもあなたは恋愛対象からは外れてしまっている。

 この記事だけ読んだ方は「それっていわゆる『イケメン』ってやつ? じゃあ、俺には無理じゃないか」と思うかもしれない。全然違う。

 小手先だけでこの会話術を教えても意味がないので、今回の記事では前回までのおさらいなども含め、このマガジンシリーズの知識を総動員して、「初対面でも会話が盛り上がる方法論」について語っていこうと思う。

 おさらいは簡潔にいくので、詳しい内容を知りたい人は個別のリンクから元の記事を読んでもらいたい。

 まず第1回で書いた、女性と接する最初の一歩

1度、出会う全女性を「恋愛対象・性対象」として見るのを辞めてみる。

~「ほとんどの男性は女性を口説くための『スタートライン』にすら立っていない」より~

 会話の前にまずこれを基本として頭に入れないと、あなたたちは女性たちとまともな会話すらできない。女性を「個人」ではなく「女」として見ている時点で、すでに相手との認識のズレが始まっている。

 それを踏まえて、いつものこの図を見てみよう。

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 多くの女性は、出会う男性全員が恋愛対象になる可能性のある「普通の人」なんて思っておらず、まず「警戒すべき対象」として見ていることを理解しようという図だ。

「もう何度も聞いたって、早くモテテクを教えてよ!」

 いやいや、ここでやるおさらいが最後には全部生きてくるので、ぜひ我慢して読んで欲しい。勉強には復習が大切だ。で、この警戒心を取り去るために、まずは女性と会話する上で「やってはいけない最低限のルールを覚えよう」と述べたわけだ。その方法がこちら。

・いきなり容姿に言及しない
・身体に触らない
・大きな声や大きな音を出さない
・パーソナルスペースに立ち入らない
・相手から見た「必然性」を意識する

~「女性と会話する上での最低ルールを覚えよう」より~

 さて、これを守ることによって、女性はあなたに「とりあえず話しをする分には大丈夫そうな人だな」という安心感を持つ。最後の必然性とは女性からあなたに話しかけたり、なにか話し始めるきっかけがあったときのような「あなたと私が話すのは普通のこと」という認識を女性が持っているかということだった。

 そして、「会話の内容にも必然性があるかどうかが大切」という内容を別の記事で紹介した。持って欲しい基本の考え、「会話は連想ゲーム」だ。

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 連想ゲームと同じで、「なんでこの話からその話に飛んだんだろう」と相手に思わせたらゲーム終了。だから、相手の女性がまずあなたを「恋愛対象」として見てないうちから、あなたが「女だ! 付き合いたい!」と思って話をすると、そもそも会話にズレが生じる。

 だって、あなたはそんな関係でもないのに、いきなり女性に「好きだ」とか「ホテル行こう」とか言い出してしまうから。よく女性から「キモい」と思われてしまう男性は、「現実認識に女性とのズレがあって怖い」からキモいのだ。

 だから、ちゃんとこの連想ゲームが互いに通じ合うと、会話というのはストレスなく行われる。

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~「女性とまともに会話ができるだけで男はモテる」より~

 このように「暑い→8月→夏→海→沖縄……」と、同じ話をしているように見えてどんどん会話が別の話に展開していることがわかるだろう。また例えば仮に、「俺は沖縄に海のイメージなんてないよ」という人がいるとしたら、その人にとってはこれもおかしな会話に見える。しかし、大体の人には伝わるから、彼らの会話は成立している。

 この会話のチグハグ感がなく、スムーズにお互いの共通認識を交換し合えると、人はあなたへの安心を高める。なぜなら、あなたは「自分の言っている言葉が理解できる」と思われるからだ。

「やめてください」という言葉を「やってください」と解釈する人がいたら危ないし、そばに置くのも危険だろう。だから、あなたは女性と連想ゲームの会話を繰り替えしながら、互いの認識のズレを失くす努力をしなければならない。

 さあ、ここからだ。ぶっちゃけ、いままでの内容は「というか、これができなかったら同性の友だちすらできないんじゃ……」というレベルの話だ。だが、コミュ障という言葉があるように、ぶっちゃけ本当にこんなレベルの人は無数にいる。

 ついでにいうと、女性にもコミュ障はもちろん存在する。――だが、恋愛だけでいえば、コミュ障の女性は彼氏ができる可能性があるが、コミュ障の男性は彼女ができる可能性がほとんどない。なぜなら、ずっといっているようにこの世には「女性ではなく女体を求めている男性」がわんさかいるからだ。

「セックスがしたいから彼女を作る」なんて男性もいるわけで、大事にされるかは別の話だが、とりあえずそこまでは男性のコミュ障と違っていけてしまう場合がある。

 しかし、多くの女性は妊娠や出産のリスクもある中で、「誰でもいい」なんて思わず、できる限り相手がヤバい奴でないかを吟味する。大体男性より女性のほうがコミュニケーション能力に秀でていることが多いのは、対話することで「自分の敵は誰か」を確認するためだ。だから、あなたたちがまともな会話ができない限り、女性たちからは距離を置かれまくる。

 そして、ごく普通の話し方を覚えたところで、今度は「女性からの印象を良くする5つのポイント」というさらに上の段階を目指す方法について触れたのが、1番最近の記事。内容はこちら。

・最低限度の清潔感がある
・相手の目線に立った会話ができる
・なんでもかんでも否定しない
・繊細な話題は繊細な話題として扱う
・感謝と謝罪ができる
~「最低限これだけできれば女性にモテる5つのポイント」より~

「最低限度の清潔感か。俺は毎日風呂に入ってるから大丈夫だ!」と思った方は、まさにこの記事に書いてあることが理解できていないので、元のコラムを読むことをオススメしたい。

 一例挙げてみよう。例えば「繊細な話題は繊細な話題として扱う」だが、これは連想ゲームで関連性がある話題でも、「私、家遠いんです」といわれて、「そうなんだ。どこらへん?」という会話は控えたほうがいいというようなことを述べている。

 もちろん必然性としては「家が遠い→家の場所」という発想は、おかしくない。こう尋ねられた女性側も「まあ、家が遠いって話したもんね」くらいは理解してくれる。だが、ぶっちゃけ「うーん、デリカシーはないな」という気持ちも同時に抱く人が多い。冒頭の図のように、女性は男性に警戒心を持って接しているので、大して仲良くもない男性にズケズケと家の場所を訊かれるとあなたへの好感度は下がってしまうのだ。

 そういったことを踏まえておくだけで、あなたは普通の会話ができるだけでなく、不快じゃない会話まで身に付けることができる。スムーズでストレスのない会話は不快じゃないだけでなく、女性側も楽しい。

 このマガジンシリーズでずっと主張してきた趣旨通り、これらのことができておらず、女性との接し方を間違えているせいで、周りの男は話すだけで女性を不快にし、恋愛対象どころか友だち枠からも脱落していく。正直この部分までできていれば、大部分の男性より何ランクも上のステージにいけるので、基礎の基礎として覚えておこう。

初対面の相手が望むものをピタリと当てる会話術

 お待たせしたが、ここからが今日の本題。「初対面の相手が望むものをピタリと当てる会話術」に移っていこう。筆者は普段女性の格好をして暮らしていて、元々男性の姿では見えなかったことがわかるようになったという話をよくしているが、この会話術を使うようになった軽い経緯を話させて欲しい。

 筆者は現在の作家業になるまで、かなりの仕事を転々としてきた。19歳でバーテンダーを始め、そのあと就職して営業マンになったが退社、黒服、コールセンタースタッフ、マッサージ店員、いまも週に2度飲み屋のカウンターに立っている。一見バラバラのように見えるが、全部接客業であることがわかるだろう。しかも、コンビニの店員さんのような種類の接客業ではなく、わりと「お客様と長々話すタイプの業種」ばかりだ。

 バーテンダーなんて1日に何人ものお客様と長時間会話をする。1回しか来たことがない人もいれば、常連の人もいて、男女関わらず全員に「このバーテンダーとの会話は楽しかった。また来たい」と思わせなければいけない。初対面で相手の趣味や好みもわからずに会話を始めて、数分後には相手が「楽しい!」と思っている状態に持っていくスキルが必要だった。

 19歳当時では以下にあるような会話術なんて身に付かなかったが、その後色々な接客業を経験するうちに、どうすれば初対面から相手の興味のある話題を見つけられるかを編み出し始めた。まずはその方法論を理解するために、ダメな会話例を見ていって、では実際どうすればいいのかという話に移っていきたいと思う。

【ダメな会話例①】
女性「今日は暑いですねー」
男性「そうだね」
女性「気温が39度もあるらしいですよ」
男性「そうなんだ」
女性「……」
男性「……」

 これは「女性とまともに会話ができるだけで男はモテる」という記事でも書いた『一方通行の会話』だ。相手の話したことをそのまま返すと、会話を続けることができない。もしこれで会話が続くとしたら、相手の女性が気をつかって話題を提供してくれていただけだ。あなたは「今日いっぱい話せたなー」とウカレ気分でも、向こうはドッと疲れている可能性がある。

 これでは当然相手が話したい話題なんて察することもできない。そうならないために、まずは「会話は連想ゲーム」という感覚を持って、「暑い→最近の天気→雨」みたいに会話を続けられるようにしようという話。これはもう大丈夫だろう。

 続いては、こんな例。

【ダメな会話例②】
女性「今日は暑いですねー」
男性「そうだよね! 暑いっていえば、俺さ、この前海行ったんだけど、最近の子たちってバーベキューのやり方も知らないんだね。しょうがないから、俺が火起こししたんだよ」
女性「そうなんですか。すごいですね!」
男性「周りの女の子もそんな反応でさ、『○○さん頼りになりますね!』とかいって、やっぱ男はアウトドア能力くらいないとね」
女性「たしかにー。私じゃ火起こしなんてできないかも」
男性「だろうね! ま、俺と一緒なら大丈夫だろうけど(笑)」

 こちらは一応会話は続いているし、相手がいった言葉から連想される「暑い→海」みたいな話題の関連性もある。正直、これはあなたが客で相手の女性が接客する側のキャバ嬢の方とかだったら、まあ、別にこの程度の会話能力でもいいかもしれない。

 こういう話し方は「俺はトークスキルがある」と思い込んでいる人ほどやりがちだ。ひたすら自分語りをして、聞いてもいないエピソードトークを長々話し、躊躇なく自慢話も始める。別にあなたの話をしてもいいが、女性にまずあなたの話を聞きたいと思わせてからにしないといけない。

 これで会話が盛り上がっていると思っているなら、さっきと同じ、女性が気をつかっているだけ。盛り上がっているんじゃなく、盛り上げてくれているのだ。お店の女性相手ならまだいいが、一般人にまでこれをやらせるのはいただけない。世の女性は、みんながあなたの話を聞くためのコンパニオンではないのだ。

 あなたはひたすら自分の話をして大満足でも、「女性にモテたい」と思っているのなら、女性のほうからも「この人に私の話を聞いてもらいたい」「私もあなたの話が聞きたい」と思わせなければいけない。

 だからこそ「最低限これだけできれば女性にモテる5つのポイント」では、女性にそう思ってもらう下地作りを書いたわけだ。まず初めから不潔そうな見た目だったり、なんでもかんでも女性の言葉を否定したり、自分目線の返答しか選ばない人には、そもそも「話をしたい」なんて思わない。

 だが、《女性ばかり、ただ話しをさせる》のでは、【1つ前のダメな会話例①】と同じになる。相手を楽しませるためには、相手が話したくなる話題を見つけなければならない。このあと出てくる会話術は、それを見つけるのがグッと楽になるやり方だ。

 だがその前に、ダメな会話例を最後にもう1つご紹介しよう。

【ダメな会話例③】
女性「今日は暑いですねー」
男性「そうだね。夏は好き?」
女性「遊びに行けるし、好きなほうかな」
男性「趣味はある?」
女性「キャンプですかね」
男性「1人? 複数?」

 これは実際の会話よりも、LINEなどでやりがちだ。質問さえしていればいいと思っているタイプ。僕が高校生くらいのときにも男性ファッション誌のモテ特集なんかで、「メールの最後は質問で返すと会話が続く」というやり方が載っていたことを思い出す。他人とのコミュニケーションはそんなに単純ではない。

 たしかに質問すること自体は会話法として悪くない。だが、相手が投げた話題を広げておらず、これではただ一問一答を繰り返しているだけで、永久に話が盛り上がらないし、相手も疲れる。質問能力なら、アキネーターのほうがまだ優秀だ。

「だって、相手のことよくわからないし……」

 そう思って、あなたがずっと質問だけを続けても、結局【ダメな会話例①】と同じ、一方通行の会話になる。質問をしちゃダメなのではなく、適切なところで適切な質問をする必要があるのだ。

 そこで以下の図を見て欲しい。

フローチャートで理解する

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 このコラムシリーズの目的は、できる人にとっては《なんとなく》でできてしまう他者とのコミュニケーションを、誰にでも理解できるようにするために制作しているので、こういったフローチャートを使って説明しようと思う。

 では、詳しく解説していこう。

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