『推しは心のストロングゼロ』 崖っぷちに立たされがちなオタク新卒が生き残るためにやったこと
この記事は Feedforce Group Advent Calendar 2021 の 24 日目の記事です。
昨日は弊社のにしじまさんによる、広告でのコミュニケーションについての記事です。アメリカに住んでいた、にしじまさんならではの観点で書かれていて、とても面白く社内でも大反響でした!
まだ読んでない方はぜひ読んでください!
今日は素敵なクリスマスイブですね。皆様はいかがお過ごしでしょうか?
私は毎年、ニコ生でサンタのコスプレをした推しを見ながら
「今年も健やかに生きてくれてありがとう…」と
感謝の言葉をしたためています。
その後、冷静に考えて気持ち悪いなと思い、結局何もコメントを送れないままクリスマスイブが終わる人生です。
感謝による幸福度の向上効果は科学的に証明されていますし、自己心理学という精神分析の世界でも、自分が理想とする対象を誇りに思っている時に人の心は満たされるといわれています。
つまり、推しがいるだけで人生がキラめきます!
物理的なものだけでは満たされない現代に生きる私たちには、一人に一人以上の推しが必須と言っても過言ではないのです。
仏さまも、人生のデフォルトは苦だと仰っているので、何らかの癒しがないと人間は生きていけません。
推しとは?
身体に優しい心のストロングゼロです。
推しの作り方
「推しが欲しいけどどこから探せばいいのか分からない…」という方は、
とりあえず流行っているものや周りの人にオススメされたアニメ、漫画、ゲームから探しましょう。
同じコンテンツが好きな人がいるコミュニティに属することで、私たちの幸福度はさらに上がるからです。
もちろん、スポーツ選手、アイドル、俳優などを推すのも全然アリです。
ただし三次元の人間は自我を持って行動しているため、理想とかけ離れていってしまう危険性があります。
特に4B(美容師、バーテンダー、バンドマン、舞台俳優)は極力避けましょう。
私の友人はバンドマン、舞台俳優を推した結果、2人とも結婚→引退してしまい、心に深い傷を負ってしまいました。
なので、最初はいくらでも都合の良いように解釈できる、二次元のキャラクターから推すことをオススメします。
「二次元はちょっと…」という方には、
実力派2.5次元俳優・荒牧慶彦さんがオススメです。
2.5次元(ミュージカル)とは?
好きな2.5次元俳優ランキングでは第2位!
皆さんが知ってるものだと、舞台サザエさんのカツオ役をしていたり、
CanCamの企画では彼氏を演じてくれたりしてます。
来年には主演のオリジナルドラマも放送されます!
顔良、性格良、演技良、すべてを持った最高の俳優さんです。
高い人気を得ているにも関わらずファンサも非常に厚く、
面接の一週間前、彼の握手会で頭ポンされながら「就活頑張ってね」と言っていただいた言わせたおかげで、私は今ここにいます。
本当にありがとうございます。
推しを宣伝しただけでもう満足してしまったのですが、次の日が阿部さんなのでちゃんと書こうと思います。
崖っぷちの経緯と現在~自己紹介を添えて~
アナグラムのクリエイティブチームに所属している西尾と申します。
社会人になってもオタク活動を満喫できる給与と自由度、それに見合ったスキルを得たいという理由で、大学3年生の冬に生インターンとして入社した今年の新卒です。
タイトルを回収するために、まずは少しだけ自分語りにお付き合い下さい。
アナグラム入社前は特にマーケティングの勉強をしていたわけではなく、メディアを立ち上げてお金を稼ぎ、それをすべて推しに投資していただけのオタクでした。
なので、入社〜半年ぐらいはバリューを発揮できず、同期が褒められているのを見たり、上司からのメッセージを知らせるSlackの「スッコココ」が鳴るたびに胸がキュッってなる日々を過ごしておりました。
「このままじゃヤバい…」と思い続けているうちに入社半年が過ぎ。
「今の状態では内定出せないから、就活した方がいいと思う」的なフィードバックを上司からいただき、まさに崖っぷち状態。
(※情勢的に就活も大変な時期だったので、切るなら早く切ったほうが私のためという優しさゆえのものです)
私はどうしてもアナグラムに入りたかったので食い下がったところ、運良く他の運用チームに拾っていただき、2人目の上司の下で内定を頂きました。
そこで約1年間、運用・コンサルティング以外にも、クリエイティブやLPの制作・ディレクションなど、目の前のチャンスに全部食いつき、色々経験をさせてもらいました。
その結果、運用よりも制作のほうがやりがいを感じる&バリューが出せそうだということに気付きました。
そして、ちょうど時を同じくして、直属の上司が「山で蜂蜜を作るから会社を辞める」と言い出し、また居場所がなくなります。
最終的に、今の上司がクリエイティブチームに誘ってくださり、運用チームから異動、制作やディレクションをしている今です。
生き残るためにやったこと
というわけで、ツラい時期があったり、上司が2年間で3回も変わったり、推しが増えたり、色々あった私が、アナグラムで生き残るためにやったことを書きます。
周りがスゴすぎて心がツラい、どう生きていけばいいのか分からなくなってしまった新人さん向けの内容を意識しました。
実務よりもメンタルを重視した内容になっているので、実務的な内容が知りたい方は森さんのnoteを読んでください。
1.ちゃんと息抜きする
アナグラムに入ると周りが凄すぎて、追いつく為に頑張り過ぎてしまう人が多いのですが、私の過去の経験上、一線を越えると間違いなく病む&頭の回転が遅くなるので、無理にでも定期的に息抜きをしましょう。
当時大学生だった私は、卒論以外の単位をすべて取得していたので、自宅に引きこもり、平日は在宅勤務、休日は卒論書く、ストレスは食べ物で発散、コーヒーがぶ飲みなどをして、「目の前のやらないといけないこと」ばかりに全力投球していました。
結果、半年で10kg太り、仕事の質も激落ち。
典型的な悪例ですが、とにかく長時間稼働することでどうにかしてました。
メリハリ大事です。当たり前のことなのですが、必死になればなるほど判断力が鈍り、気づけなくなります。
今は以下のことを習慣化して、メンタルを養いつつ、仕事のパフォーマンスも維持できるようにしています。
人と交流する
リモワが多い状態だと自分だけの世界でぐるぐる悩んでしまいがちなので、人と定期的に会って話すことで安心感を得ています。毎日8000歩歩く
健康やストレス発散はもちろん、脳にも良いそうです。自然の中を歩くとさらに効果が上がるらしいので、私は退勤後に近所の川を歩いてます。最低週2は筋トレする
やり過ぎると逆にストレスになるので注意ですが、筋トレも脳の働きを活性化してくれます。背筋、足、胸筋などデカい筋肉をローテしてます。ちゃんと寝る(最低7時間)
夜は寝ましょう。カフェインは元気の前借りなので乱用厳禁。寝たいのに眠れない方はマグネシウムとメラトニンのサプリがオススメです。
以下は私の愛用品。
プライベートで新しいことに挑戦する
1年前まで休日はほぼ引きこもっていたのですが、阿部さんの新卒向けの記事を読んだりお話を聞いたりした結果、もっと色んな体験をしようと思い、最近はアクティブになってます。
ゴッホ展に行きましたが、私には50年早かったです。
推しカクテルが最近のハイライト。推しの概念に思いを馳せることで、ドーパミンがドバドバ出ます。
心がツラくなったら推しを浴びる
最も手軽かつ高パフォーマンスです。副作用は推しに何かあったとき仕事に支障が出るのと、出費が増えることぐらいで、お酒やタバコと比べると人も迷惑が掛かりません。
この行為の本質は健康に悪くない方法で没頭状態を作り出し、「自分は使えないと思われてるかも…」「このままじゃ将来が不安…」などの反芻思考を止めることで自分を追い詰めないようにすることです。
※あくまで私にとっての最適解であっただけなので、人によっては映画鑑賞とか読書とかでも代用できます。
全部を一度にやる必要はありませんが、息抜きの仕方が分からない方はどれか一つからでも始めてみて下さい。
推し、メンタルに効くハーブなど色々紹介できます。
2.ポジショニングを意識する
私は上でも書いた通り、運用者の道は不向きと判断して、需要がある&やっていて楽しいこと(クリエイティブ周り)に注力しました。
優秀な方が多いアナグラムの中では、他の人が普通にやってることを普通にやるだけでも大変です。
特にそれを実感したのはグロースハック(案件の改善施策を時間内に考えて、つよつよ運用者と同じ場でアウトプットを発表・議論する、新人にはありがたくもツラい時間)。
入社からある程度経っても、私が運用に関して1時間頭をひねったところで出せるアウトプットはたかが知れていて、良くて他の人も思いつくもの、悪くて自己満アウトプットしか出せませんでした。
もちろん他の方のアウトプットを振り返って自分の糧にする努力はしましたが、ただそれをなぞるだけでは、いつまでも誰かの下位互換にしかなれないし、先が見えてしまって私はつまらないなと思いました。
そこで、運用以外の面に詳しいプレイヤーになればプロフェッショナルの集うアナグラムの中でも居場所ができると思い、運用・コンサルの仕事はしっかりやりつつ、
見様見真似で自分の案件のバナーや動画広告を作る
今までやったことのない仕事でも一旦引き受けて、その後に気合でどうにかする
ランディングページ周りの相談に乗ってもらえるように、本や他社事例を参考にしながらお客さんに改善提案をする
上司から教えてもらったイケてる会社の制作物を定期的にチェックし、何が良いのかを言語化
ほとんど誰もやってない記事型広告の制作にチャレンジし、そこで得た知見をもとに勉強会を実施
など、いろいろ藻掻きました。
結果、広告運用・コンサルで得た知識を生かしながら、制作まわりのフィードバックやディレクション、制作実務ができる汎用性の高いプレイヤーになり、興味の幅が広い私には心地の良いポジションに就くことができました。
特定の媒体、プロダクト、業種、他チャネルにめちゃ詳しいとか、メインの仕事以外にも何か一つ、個性を磨くと生存率が高まると思います。
「自分は得意なことが何もない…」という場合。
やる前から自分が何をどこまでできるかなんて自分も上司も分かりません。とりあえず好き嫌いせずにやる、ダメだったら上司に助けてもらえばいい。ぐらいの図々しさで、とりあえず引き受けてリソースは後から作るスタンスで仕事をすると、世界が広がると思います。
ただし頑張り過ぎて病んだら元も子もないので、メンタルケアと同時並行で実践してください。
3.自己分析する
私はいわゆるツイ廃なのですが、色んな本を読んだり実体験の中で、Twitterは仕事にも自分のメンタルを整えるためにも、結構役立つと気づきました。
役立つ理由は、何かしら自分のことや推しへの愛を叫ぶことによって、その時々の感情を客観視したり、言語化する訓練になるからです。
「最近、唐突に自分の人生を悲観するツイートが増えてるから結構メンタル追い詰められてるな」とか、
「今、推しのこういうセリフに惹かれるのは、自分がこういう状態だからそう感じるんだろうな」とか、
ツイートを介して自分のことを把握できるようになります。
ちょっとツイートから話は逸れますが、
例えば今年ハマった推しからも自己分析できます。
推しの説明
神羅カンパニーという巨大企業の特殊工作員。
外見的特徴は、やせ猫背、肩が前に出ている、顎がしゃくれている、着ているものが派手。
内面的特徴は、飄々としていて計算高い、カリスマ性がある、新鮮な環境を求める。
過酷な労働環境の中でも、『どんな仕事も楽しむのがプロフェッショナル』という信念を持って働く。
相棒とのコンビネーションが抜群で、チート級に強い主人公たちを相手に善戦する強さを持つ。
自己分析
少し仕事へのモチベが落ちていたので、自分を鼓舞する何かを欲していた。
異動直後でチームへの帰属意識が低く寂しかったので、自分ではない誰かが強い絆で結ばれているさまを見て、心の隙間を埋めていた。
チーム異動が多く、自分の足元がふわふわしていて行動指針を見失いかけていたので、自分が共感できる信念を与え、体現していたキャラに好感を持った。
2番目の上司が6種体癖だったので、いなくなった人間と同じ体癖のキャラに惹かれた。
とかをTwitterでブツブツ呟いてます。怖い
こじつけと言われたらそれまでですが、まずは仮説立てないと何も始まりません。
忙しくてもある程度自分を見失わずに行動する助けにもなるので、自己実現欲求をしっかり満たし幸福度UPも図れます。
なにより、自分や自分の好きなことを言語化・理解出来ない人間が、赤の他人(エンドユーザー)の気持ちに寄り添うことなんて出来ないと思うので、より良いアウトプットを出すためにも自己分析は大事な気がしてます。
結局、自己愛を満たすことが大事
色々書きましたが、上記3点は自己愛の充足に帰結します。
なぜなら、新人が病む理由は周りの人に追いつけない焦りによる、自己愛の低下が原因のことが多いからです。
自己愛は、一般的にはナルシストみたいな意味合いで使われますが、ここでいう自己愛というのは自分自身を愛する感情という意味合い。
自己肯定感や自尊心を包含するイメージです。
自己心理学的には自己愛を満たす方法は3つあるのですが、その中の2つを紹介します。
ベストなのは他人を移し鏡にして自己愛を満たす方法です。
1.他人を移し鏡にして自己愛を満たす
誰かに必要とされる、褒められる、挨拶を交わす、ごはんを一緒に食べるなど、自分がひとりの人間として社会に存在していることを認められている感覚の積み上げが該当します。1のポジショニングもその一環ですね。
ですが、最初は仕事で褒められる成果を出したり、出社が難しく交流機会が少ないなど、上記が難しかったり、これだけではまだ欠乏感があることも。
そんなときは推しの出番です。
2.理想の対象を介して自己愛を満たす
自分自身への称賛ではなく、理想の対象に称賛、尊敬などを向けることでも同様に自己愛が満たせます。
つまり、自分自身に価値を感じられない時でも、推しさえいれば強く生きることができます。
1でしか満たせないものはありますが、空っぽの状態では何も進まないので、苦しくて身動きができない方は2から始めてみましょう。
好きになるも、嫌いになるも、全て自己完結なので、1のように他人に振り回されることもありません。推しは身体に優しいストロングゼロです。
とはいえ、自分と他人どちらで自己愛を満たすにせよ、理想が高すぎると自分を満たしきれません。
自己愛が未熟な人ほど、自分にも他人に求める水準が高いです。自己評価の低さは、自分への過度な期待の裏返しみたいなやつです。
自分がやりたいからというよりは、何かに追い立てられるように努力する人はこの傾向が強い気がします。
そういう人は、誰かと挨拶を交わしたり、身近な人にちょっと褒められたりする程度では到底足りないため、理想や憧れを持続的に引き受けてくれる『推し』に救いを求めるのかもしれませんね。何の話ですか?
なので以下の2つを定期的に行い、自己愛の器を適切なサイズに保つことも忘れずにしてください。
適度な息抜きで判断力を保つ
自己分析を行って自分を冷静に見つめなおす
以上、オタクによる推しのススメでした。
にわか知識&個人的見解強めで一般性に欠ける部分が多々あるので、あくまで参考程度に留めて頂けると幸いです。
明日、アドベントカレンダー最終日を飾るのは阿部さんの記事です!
内容はまだ未公開でワクワクです…。きっとタメになる記事だと思いますのでお見逃しなく!
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