「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」
こんにちは!今回私たちは神戸市立博物館で7月16日から9月25日の間開催されている、「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」を取材してきました!
世界的に名高い西洋絵画コレクションを所蔵する世界最高峰の美術館の一つ、スコットランド国立美術館。この特別展では、そんなスコットランド国立美術館が有する、ルネサンス期から19世紀後半の西洋絵画史を彩った巨匠たちの作品が約90点展示されています。中には日本初出品の作品も多く、西洋絵画に詳しい方は驚きのあまり目が飛び出てしまうほど貴重な作品もあるのではないでしょうか。
そんな名品づくしの「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」を、私たちが特に印象に残った作品を中心にレポートしていきます!最後には鑑賞後のくつろぎにぴったりなカフェの紹介もしているので、楽しみにしてください!
それでは行きましょう、壮大な美の旅へ
入場すると広がる青い空間、プロローグとルネサンスのエリアのはじまりです。
プロローグには、スコットランド国立美術館の建物と街並みを描いた作品、館内を描いた貴重な作品が展示されており、ルネサンスには、フィレンツェ、ヴェネツィア、ローマを中心に芸術文化が花開いた、ルネサンスという偉大な創造性の時代の作品が展示されています。
すぐ目に飛び込んでくるのが、プロローグの「アメリカ側から見たナイアガラの滝」です。この作品では壮大な滝に圧倒され思わずのみ込まれてしまうのでは…などと考えていると、右端にはうっすら虹がかかっていたり、細部にまで注目するポイントがあるので、この作品で5分も足が止まっていました。また写真で見ての通りとても大きな作品で、私たちの身長よりも大きく、衝撃を受けました。
プロローグを抜け、ルネサンスのエリアの作品を鑑賞していると、ある作品に目が留まりました。コレッジョの「美徳の寓意(未完)」です。この作品は、とても高度な仕上がりなのですが、中央の女性だけが輪郭のみで、未完成だからこそのロマンを感じました。また、輪郭だけの女性がどのように緻密に描かれていくのか、色々と想像力が掻き立てられて、他の作品とは少し違った見方で暫く鑑賞していました。
数々の作品に目を奪われながら先へ進むと、壁の色が赤色へと変わりました。次のチャプター「バロック」のエリアに来たようです。
このエリアでは、革新的な画家たちが従来の世界観を覆そうとした17世紀のヨーロッパの作品が展示されています。
臨場感を感じさせる作品達に圧倒される中、私たちはある小さな額の中に描かれた緻密な絵に心が引きつけられました。
アダム・エルスハイマー「聖ステパノの石打ち」。聖ステパノはキリスト教最初の助祭(キリスト教における教会職務の一つ)の一人であり、キリスト教最初期の殉教者(信仰のために死んだ信者)です。この作品には、多くの人に囲まれて石打ちの刑に処される聖ステパノと彼が幻視した神の姿が細かく描かれています。写真では伝わりづらいのですが、この作品はおおよそB4ほどの大きさで、特別大きくありません。しかし、枠の中にこれでもかと言うほど描き込まれたディティールは、まるで目の前にその光景があるかのような迫力を感じさせます。
この作品を描いたエルスハイマーは、同時代の人々から「小型の作品を描くことに関して並ぶものがない」と言われ、彼の描いた緻密な絵画は称賛されていました。現存する絵画には、トランプカードより小さいものもあるそうです。
次のチャプター会場にはエレベーターで移動します。普段なら少し面倒だと感じそうな移動ですが、今回に関しては巨匠たちに圧倒されて高ぶった心を落ち着かせるのにぴったりな時間でした。
エレベーターを降りると、柔らかな紫色の壁に飾られた大きな作品が私たちを迎えてくれました。
次のエリアは「グランド・ツアーの時代」。パリでは幻想的な理想郷を描いた絵画が好まれ、英国では肖像画が発展し、「グランド・ツアー」と呼ばれるコレクターたちが美術品の購入や文化的教養を深めるための大規模なヨーロッパ旅行をした18世紀の作品が展示されています。
ニコラ・ランクレ「おもちゃの風車」。この作品では男の子と女の子が風車で遊ぶ様子が描かれています。私たちが感じたこの作品の魅力は「かわいい」の一言に尽きます。全体的に柔らかく可愛らしい色合いと木の下で風車で遊ぶシチュエーションは「かわいい」としか言いようがありません。さらにこの作品には、かわいいポイントがまだあります。それは、風車を持つ男の子が実は風車に細工をして回りにくくしており、女の子をからかっているということです。このことを知ると、男の子の少し笑いそうな表情と女の子の頬を膨らます一生懸命な姿により愛らしさを感じ、ますますこの作品を「かわいい」と思わずにいられなくなります。
この作品を描いたニコラ・ランクレは、鮮やかな色彩と物語性の強い主題を描くという独自の様式を確立していました。彼の作品は王侯貴族から愛され、ルイ15世は彼の晩年10年ほどにわたり作品を注文し続けたそうです。
華やかな作品達に心を躍らせながら先に進むと、落ち着きと力強さを感じさせる深い緑色の壁が見えて来ました。最後のチャプター「19世紀の開拓者たち」のエリアに近づいたようです。
「19世紀の開拓者たち」のチャプターでは、肖像画や風景画が引き続き好まれる一方、革新的な画家やそのグループが登場して、芸術の実践とその影響力に大きな変化をもらたした19世紀の作品が展示されています。
壮大な美の旅もとうとうクライマックス。私たちは気持ちを引き締めて最後のチャプターである「19世紀の開拓者たち」のエリアに足を踏み入れました。
ジョン・マーティン《マクベス》。ジョン・マーティンは、壮大な自然や街並みを舞台とした劇的な宗教画や物語の場面を描いたことで人気を博していました。この作品では、シェイクスピアの戯曲「マクベス」の中の、スコットランドの将軍マクベスとバンクォーがこれからマクベスに国王になることを予言する3人の魔女と出会う場面が描かれています。中央に描かれているのが将軍マクベスとバンクォーが、左端にぼんやり見える人影が魔女達です。この作品の魅力はパッと見ただけでは何が起きているのかわからない、少しシュールさを感じさせるところだと私たちは思います。山々の真ん中に見慣れぬ格好をした人が2人、それだけでもこの作品に描かれた状況に首を傾けてしまうのに、左をよく見ると明らかに変な感じの人が不思議なポーズをとっており、しかも3人いる。そんなシュールな光景が画面いっぱいに広がっていることに面白みを感じずにはいられませんでした。
今回私達は特別展だけでなく、神戸市立博物館内にある「TOOTH TOOTH 凸凹茶房」さんを取材させていただきました。
「TOOTH TOOTH 凸凹茶房」さんは、現在「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」展とタイアップしており、スコットランド(イギリス)にちなんだスイーツに和のテイストを組み合わせたオリジナルスイーツと、お茶を味わうことのできる期間限定の凸凹茶房のアフタヌーンティーセットが楽しめます!
まずセットのウェルカムドリンクがやってきました。ザクロの微炭酸は、程よい甘さで、後味もすっきりしていました。
そして、スイーツタワーがやってきました!
それでは素敵なスイーツ達とサンドウィッチを1段ずつ紹介していきます!
今回はタイアップということもあり、ヨーロッパの様々なお菓子をいただいたのですが、私たちは初めてのお菓子が多かったので、名前や特徴などをたくさん教えていただきました!さらに、店員さんに紹介していただいたお茶をオーダーし、ドキドキしながら待っていると、テーブルに運ばれてきた急須やティーポットに入ったお茶の良い香りに包まれました。お菓子もお茶もどれも本当にとっても美味しかったです!なんといっても、最中がお花になっていたり、ショートブレッドの形が鳥の形になっていたり、タータンチェックのショコラ!!!もう、見た目が可愛いので終始食べ終わってしまうのが惜しい、、とずっとみんなで言っていました。
<凸凹茶房詳細>
・ -凸凹茶房アフタヌーンティ―セットー / お一人さま ¥3,900〜[¥4,290〜税込]
・オフィシャルサイトURL > https://toothtooth.com/restaurant/decoboco-sabo
・Instagram URL > https://www.instagram.com/tooth.decoboco.sabo/
・店舗営業時間:火・水・木・日曜日 9:30-17:30[L.O16:30] 金・土曜日 9:30-19:30[L.O18:30]
※月曜:休館日※祝日の場合変動 (博物館に準ずる)
私たちは展覧会の取材は初めてで本当に緊張しました。しかし鑑賞が始まると天海祐希さんの音声ガイドのもと、絵からは想像もできない面白いお話を聞くことができたり、最後まで本当にワクワクが止まらなかったです。さらにはアフタヌーンティーまでいただけて、こんなにご褒美があっていいのかと思うほど楽しくて幸せな取材でした!
この「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」は東京・神戸・北九州の3つの都市を順番に回っています。そして今回取材させていただいた神戸では7月16日から9月25日までの間鑑賞することができます。
スコットランドが誇る至宝の数々を日本で鑑賞できる今、神戸の旧居留地に、是非足を運んでみてください!旧居留地ならではの綺麗で落ち着いた街並みを楽しみ、THE GREATS展を鑑賞した後に、振り返りながらこのアフタヌーンティーを楽しむのはいかがでしょうか?
最後に
今回取材にご協力いただいた皆様全員が、質問にも丁寧に詳しく教えて下さいました。とても貴重な体験になりました。本当にありがとうございまいした!
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