オレの師匠
はじめに
夏休みは生徒と接する機会が少ないので、「先生スイッチ」みたいなのが、軽くoffになりかけている。そんな中Twitterを眺めてたら、甲子園の賛否がどうのとか、修学旅行のバス待機がどうのとか…なんかもやっとする話が目について、ちょっぴり先生スイッチがonになった。なので、今日は教師の仕事の中でも、メインといえる授業についての記事を書こうかなぁと思う。実はオレの国語の授業には、勝手に師匠と崇めている先生がいる。学校の先生ではないんだけど…今日はその方について書いてみようと思う。
青木邦容
この方と出会ったのは、自分が大学受験のために、代ゼミに通いはじめたときのこと。国語はどちらかというと得意だったんやけど、その教えが自分にとってあまりにも衝撃的だった。少し派手な服に、ライトセーバーをもった先生にオレは釘付けになった。青木先生のすごさを簡単にまとめさせてもらおうと思う。ちなみに、オレもこの方の影響でライトセーバーをもって、授業している。
1 論理的な国語の授業
前述の通り、オレはどちらかというと国語が得意だった。でも、正直「なぜ答えにたどり着けていたのか?」はよくわからない。感覚とでも言うんだろうか。母親が昔、オレに「どうしてこの答えを選んだの?」と聞いたときには「光って見えた」という超人的な解答をしたらしい(笑)しかし、大学受験勉強をし始めたとき、国語の得点がどうしても安定しなかった。そこで、青木先生の授業を受け、「文章には読み方がある」ということを教えてもらった。論理的に構成された文章を、的確に読み取る。どんな文章でも同じように読んでいく。その文章でしか使えない、答えありきのものだったオレの知っていた国語の授業とは次元が違った。「青木式」と言われる読解方法は、目から鱗だった。もっと早く「文章の正しい読み方」を知りたかったと感じた。その想いが、オレの国語の授業の原点になっている。青木式などを参考にしながら、「読解バイブル」を作り上げ、授業で継続的に用いている。オレの国語は、青木先生からの学びがスタートである。
2 圧倒的なユーモア
青木先生の授業は知的好奇心がくすぐられて面白いことはもちろんながら、シンプルに笑える。授業の合間でする雑談は芸人さんかと思うクオリティーだし、説明に出てくる比喩なんかもすごく、ユーモラスでありながら、分かりやすい。とにかく話が聞きたくて、いつも講義のときには、真ん中の最前列を取りに行っていた。ぶっちゃけ下ネタもあるけど…それも含め、毎回授業が楽しみでならなかった。「聞きたくなる」というのは、授業としては最強だ。この経験も自分の授業構成に多大なる影響を与えている。
3 溢れ出るカリスマ性
青木先生はイタリアが大好きで、とてもおしゃれ。ちょっと悪そうな感じもたまらない。オレがARMANIが好きなのは、少し影響を受けているのかもしれない。しかしながら、講師室に質問にいったときには、とても丁寧に対応してくれる。記述問題もロジカルに説明してくれる。様々なことにアンテナが高く、尊敬できる。教師になった今でも、会いたいとか授業を受けたいと思わせるエネルギーはよっぽどのものだろう。もう15年近く前に受けた授業、しかも1年に満たない期間だったのにここまで思わせる力は、オレには到底たどり着けない領域だ。
おわりに
この記事って分かりやすく「お墨付き」ってタイトルつけるんだけど、これは本来は権威ある人が保証するって意味なんだよ。だから、えらそうに感じたらごめんなさい。キャッチーさを優先しています。ホントにこの記事に書いている内容にはリスペクトしかない。その想いは過去最長となったこの記事から伝わると信じています。これを読んでくれている人には、中学生もいれば、社会人もいる。なので、もう授業を受ける機会はないという人が多いだろうから、YouTubeにあがっている動画をいくつか載せておくね。
これよりも魅力的な授業が出来るように精進します!国語に困ったら、受験生はこの方の授業をおすすめします。
今日のおまけ(名言&TikTok)
今は文化として残っているかわからないけど、当時はカリスマ講師から、テキストにサインをもらうという文化があった。講師室で質問するときに、表紙にサインをもらう。青木先生が出した現代文単語集にもサインをもらった。そして、入試の直前の講座で「入試当日に向けて、コメントを書いてください」とお願いしたら、「当日まで絶対に見るなよ」といいながら、表紙の内側になにかを書いてくれた。オレが「どうせ下ネタですよね?」と言うと「まぁな」と笑っていた。真面目なオレはそう思いながらも、当日までそこを開かずに、入試会場にテキストを持っていった。そして会場で開いてみると、上の言葉が書いてあった。ホントに力をもらった。だから、オレも大事なときにはこの言葉をこどもに伝えている。いちいちかっこいい青木先生の印象的なエピソードである。
それでは、今日も一緒にいい日にしよう。
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