引きずり降ろしワード

行動しようとするあなたに襲いかかる!「引きずり降ろしワード」にご用心

「場づくり」の動機は、一人ひとり違います。でも、既存の日常に変化を加え、新しい何かをつくり出す。

この点では、共通していると思います。

そういう取り組みをしている人は、「引きずり降ろしワード」に遭遇することがあるのではないでしょうか?


「もっと経験を積んでからにしたら?」 

もう本当によくあるのはこれ! 親切心の衣をまとった「もっと経験を積んでからの方がいいんじゃない?」という、引きずり降ろしワードです。

バリエーションとしては、

「もっと勉強してからやったら?」(毎日勉強してるよ)
「どこかできちんと学んでからにしたら?」(お前が学べよ…)
「まずは師匠について修行したら?」(噺家か!)

など、いろいろあります。「遠回りを促す系」です。

次のステージに移行しようとしている相手に対して、「まぁまぁまだここにいなよと」気勢を削ぐのです。

この「気勢を削ぐ」というのは、場づくり的にはかなりダメな行為です。
もちろんもっと勉強するのも、いますぐ始めるのも、完全にあなたの自由です。もし「自分にやる資格があるのかな…?」と迷われたら、こちらの記事を読んでください。

「たまにだからいいんだよね」

こんなのも、隠れた引きずり降ろしワードです。

「たまにだからいいんだよね」

しあわせな体験をしているのに、それがたまにだからいいんだと、自分に言い聞かせるだけでなく、あなたにも同意を求めてきます。

こうした「日常の虚しさを正当化する系」の引きずり降ろしワードも、意外にたくさんあります。

「毎日だったら、きっと飽きるよね」(試してみたら?)
「いつもがんばっているからこそ、楽しいんだよね」(そうなの?)
「ステキだけど、私たちには似合わないよね」(あなたには似合わないかも)

旅行やお祭りなど、非日常的な体験の終盤にさしかかり、それが素晴らしいけど、日常はいまひとつ…。

そんなときに、気持ちを落ち着けたくて、出てきてしまう。

お祭りを毎日出来なくても、お祭りで出会った何らかの「要素」を、日常に持ち帰って、大切にすることは出来ます。

せっかくの素晴らしい体験を活かして、日常を再編集するのか。日常を諦め、我慢を続けるのか。それは完全に自由です。

「将来はどうしていきたいの?」

あなたの計画をいろいろ聞き出して、相手を理解可能な状態にしたいという、「切り揃える系」の引きずり降ろしワードというのもあります。

「これからはどんな計画があるのかな?」(なぜあなたに説明を?)
「この場を、全国に広げたいと思ってるの?」(コンビニか!)
「うんうん、将来は大きな事業になるんだろうね」(さあね!)

穏やかな衣をまとっていることが多いこれらの言葉は、大抵、若い人たちに対して、彼らの上の世代から向けられます。

いろいろ質問して、「なんだまだまだだな」という話を引き出して、一刻も早く「ほらみろ、やっぱりこいつは自分より下だ」と安心したいのです。そのくせ、思ったより相手が有望だと分かると、「様子次第では一枚噛みたい」と密かに目論んでいます。

だいたい、こちらから求めてもいないのにアドバイスしてくる人は、こちらを思っているのではなく、相手の都合でやっているのです。

「引きずり降ろしワード」を自分に向けて使わない

この「引きずり降ろしワード」に遭遇したら、スルーしましょう。笑顔でさようなら! それでOKです。

むしろ怖いのは、知らないうちに、自分で自分に、「引きずり降ろしワード」を投げつけてしまうこと。それでは、動けなくなってしまいます。先へ進めなくなってしまいます。

過剰な謙遜も、やめた方がいいですよ!

「すみません、わたしバカなんで!(笑)」──。本心でなくても、こういう言葉は使わない方がいいです。

言葉を発するということは、話し手としての自分と、聞き手としての自分と、両方がいるのです。話し手としての自分は自覚されていますが、聞き手としての自分というのは、ふつう無自覚です。ここが怖いのです。

話し手(つまりあなたの顕在意識)が、本当じゃない、これはただの謙遜と思いながら、「わたしバカなんです」と言っています。意識がとらえているのは、ここだけです。

でもそのとき、聞き手としてのあなた(つまりあなたの潜在意識)は、じっと耳を澄ませてあなたの言葉を聞いています。「わたしバカなんです」という言葉は、深く深く、あなたの心に染み込んでしまいます。

だから、たとえ嘘でも、自分で自分を悪く言わない方がいいのです。自分で自分に「引きずり降ろしワード」を投げつけてはいけないのです。

削り合う? それとも励まし合う?

そもそも動き出すために考え始めたのに、

「熟考を重ねた結果……、やめます!」

では、なんのために考えたのかわかりません。いつ始めても、課題はやってきます。いま始めても、3年後に始めても、必ず課題には取り組むことになります。

僕は、必要なのは「励まし」だと思っています。あなたに向けられた言葉に、励ましではなく、引きずり降ろそうとするエネルギーを感じたら…。

軽やかにスルーしましょう!

もし、いっしょに場をつくる仲間が元気を失っていたら、アドバイスよりも、励ましをあげてください。

「なにか手伝えることない?」

と、声をかけてください。
自分自身に対しても、励ましや助けを受け取ることを、意識的にやってください。

削り合うか、励まし合うか、それで「場」は大きく変わります。

\Question/
あなたは、なにか「引きずり降ろしワード」に遭遇した経験がありますか?


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