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日本の未来が明るい!? - 「ドラえもん」を参考にした未来の日本のエネルギー

この記事のあらすじ

 ドラえもんがいる未来の世界では、ワクワクするような技術が実現しています。大好きなひみつ道具辞典をパラパラとめくっていると、それは未来の技術の宝箱をのぞいている感じがします。「天気の子」を見たことをきっかけに、天気に関連するひみつ道具を見てみると、やっぱりドラえもんはすごかった。

   天気をコントロールできる

   台風は保存して再利用できる

 そうした夢の技術を眺めていて、ふと思ったのです。

「ドラえもんのいる世界で実現されている技術が本当に実現したら、日本のエネルギー事情がすごく明るくなるのでは?」

 今は夢の技術でも、未来で本当に実現される可能性は十分ある。とすれば、「ドラえもん」の世界での、日本のエネルギー事情を考えることは、以外に未来予測として有効かもしれません。今回は、そんな考察です。


今から晴れるよ!!!!!

天気の子が流行して以来雨が降ると「願うだけで晴れたらいいのになぁ」と、天気を操りたいという欲求が以前よりも強まったような気がしています。

フィクションの力は偉大で、こんなこといいな、できたらいいな、と私たちの想像力を掻き立ててくれます。

最近では、SFとAIの関係性を追求するという研究テーマが、国のプロジェクトとして採択されたりもしています。

フィクションの力で想像力を掻き立てるといえば、やはり私にとってはドラえもん。今回は「ドラえもん」に登場する天気やエネルギー全般に関連するひみつ道具を調査し、まとめてみようと思います。

調査方法について軽くまとめておきます。調査対象とするひみつ道具は、2008年初版のドラえもん最新ひみつ道具大辞典に掲載されているものとしました。まず、同書に掲載されているおよそ1600個のひみつ道具のうち、エネルギーに関連のある単語を含む名前のひみつ道具を100個選出し、その効果を調べました。そして、実際に利用されたひみつ道具のうち関連が高かったものをピックアップ・グルーピングし、グループごとに考察をしました。

天気全般に関連するひみつ道具

・アメダスペン: 好きな場所を好きな天気にできる。金色のペンで囲むと晴れ、青色だと雨、気温をあげるときは赤のペンなどいろいろできる。
・お天気ボックス: のぞみの天気のカードを入れると、そのとおりの天気になる。
・天気決定表: この表に天気を書き込むと、その通りになる。

・・・UI違うだけで、全部一緒!!!笑

って思ったけれど、Google HomeもAlexaもClovaも売ってる現世に生きてる僕らが言えたことではないですね。とりあえず、天気は制御できるみたいです。

・気候集中装置: 1km四方の天気を、ホースでかんこんだ中に集めることができる。
・テルテルコート: これを着ると、周りの雨をコートが吸い寄せ、雨はピタリとやむが、中の人はびしょ濡れになる。

天気を変えられるだけでなくて、外の天気の力を集めたりすることもできるみたいですね。

他にもこんな道具があります!

雨男晴れ男メーター, 雨そうじ機, , 気象シートとアダプター

風・台風に関連するひみつ道具

風ため機:この機械で貯めた風を袋につめて、コックをひねると、空を飛ぶことができる。
台風トラップと風蔵庫:台風の一部をつかまえて、しまっておく機械。台風のエネルギーを、色々利用できる。

とりあえず、風はエネルギーとして貯めておける様子。台風が多い日本にとっては助かりますねぇ。。。ちなみに力を蓄えておく電池という意味では風以外にもこんな道具もあります。

太陽電池, 力電池, 蓄電スーツ

風に関連する道具は他にも・・・

風乗りヨット, 吸音機, 強力うちわ風神(風神うちわ), 台風チャート, 台風ネット, 台風の卵, 台風の複眼, 台風発生機,, ねじ式台風, たつまきストロー, ジェット気流発生器

思っていた以上に、台風に関連する道具が多かったですね。「ドラえもん」の世界では、台風は完全にコントロールしている様子です。

明かり・太陽に関連するひみつ道具

人工太陽:小型の太陽で、必要なときに出すことができる。ちゃんと、東から昇り、西に沈む。

太陽までも手中に納めていたか・・・

暗くなる電球:普通の電球とは逆で、この電球の光が当たったところは、暗くなってしまう。

光に関する物理学がいろいろ発展していれば、暗くなる光を出すこともできる未来があってもおかしくないかも?

ほかにもこんな道具があります!

夜ランプ, 昼ランプ, 夜昼ランプ, 日光ゴケ

水に関連するひみつ道具

ざっくり、こんなひみつ道具がありますね!

海水コントローラー, 海水の素, 架空海水巻き添えガス, 水圧銃, 水圧砲, ウォータークリーンシップ, 即席海作り機, あめんぼう,モーゼステッキ  

はい、ざっくりでした!全般的に、水と仲良しな印象です。

雷系ひみつ道具

・カミナリ雲:雷を出せる
・カミナリだいこ:雷を出せる。

雷は出せるんですね!!!

雲に関連するひみつ道具

雲固めガス, 雲ぐつ, 雲コントローラー, 雲スキー, 雲製造機, 雲作りマシン, 雲とりバケツ, 雲のしん, 雲の素, 雲戻しガス砲, 雲ボート, 雲やきなべ, 雲よせ機, 雲ローラー

雲に関連するひみつ道具はこんなにたくさんあるんですね。(もしかすると、一番多いのでは・・・?)
ちなみに私の欲しいひみつ道具は、雲固めガスです。

かなり自由に雲も制御できそうですね。

季節に関連するひみつ道具

オールシーズンバッジ :好きな季節のダイヤルに合わせてつけると、半径三メートルいないをその季節にすることができる。
季節カンヅメ:ふたを開けると、それぞれの季節が八時間だけ出てくる。

季節も、保存して取り出せると考えて良さそうでしょうか。

空気に関連するひみつ道具

エネルギー節約気球:ライターの火だけで、どこにでも自由に飛んでいける。

・・・どんな技術が実現したのか、個人的にすごく気になるところであります。

他にも!

エアコンスーツ, エアコンフォト, エアコンボール, エスキモー・エキス, 強力ハイポンプガス 

地面・地球・重力に関連するひみつ道具

地震訓練ペーパー:本当の地震のときに落ちついて行動するための訓練ペーパー。震度の調整もできる。

これがあるということは、流石に「ドラえもん」の世界でも地震はあって、災害のようですね。

その他では・・・

地震なまず, 重力調節器, 重力ペンキ

原子力に関連するひみつ道具

原子力潜水艦型ゼンマイ式潜地艦, 原子おはじき 

色々ありますね!

そもそも、ドラえもん自体に原子炉が積まれているという設定がもともとありました。最近知り合った方に聞いた話では、ドラえもんが食べ物からエネルギーを得ているということは、いわゆる今ある原子力発電的な方法ではなく、核融合という新たな技術である可能性が高いんだとか。新たなエネルギーとして注目されそうですね。(ひみつ道具からは離れてしまいましたが!)

これらを踏まえると、原子力は安全性向上の努力がなされ、個人が利用できるレベルになっているということでしょうか。

その他のエネルギーに関連するひみつ道具

感情エネルギーボンベ:相手の感情を吸い取り、それを、エネルギーとして、いろいろ役立てる。
カッカホカホカ:怒っている人のお腹にプラグを差し込むと、怒りエネルギーが、熱エネルギーに変わって、その人はすっきりする。

感情のエネルギーを再利用できたら、嬉しい人は結構いそうですよね。感情に限らず、今は気づいてもいなかったような物をエネルギーとして利用できる時代が来るかも・・・?

日本のエネルギー事情を簡単に

主な発電方法として、火力発電、原子力発電、再生可能エネルギーを取り上げます。これらは今の所メリットとデメリットがある状態といえます。簡単にまとめると、

■火力: 安定した発電が可能で、出力の調整がしやすいが、自給不可能(自国に燃料がないため輸入に頼らなければならないため)で、CO2を排出する。

■原子力: 自給可能で、CO2を排出しないが、安全性の確保が求められる。

■再生可能エネルギー: 自給可能で、CO2を排出しないが、高コストで、不安定(自然現象に依存した発電であるため)。

資源がない日本はそもそも火力発電のデメリットをどうすることもできないように見えます。一方で日本は地震が多いので、原子力は高いレベルで安全性を確保しなければなりませんし、台風も多いので風力発電へのデメリットが大きくなったりもします。こうしてみると、日本の現在のエネルギーは普段生活して感じる以上に深刻なのかもしれません。

「ドラえもん」の世界のエネルギー事情は?

さて、長くなりましたが、「ドラえもん」の世界のエネルギー事情はどうなっているのでしょうか。

もちろん、フィクションなのであらゆることが辻褄があっているわけではありません。(「ドラえもん」の矛盾してもご愛嬌みたいな思い切りの良さも好き)
そこで、エネルギーに関連するひみつ道具から私が想定した、「ドラえもん」の世界の技術事情をまとめました。

技術1:自然を圧倒的にコントロールすることができている。

たくさんのひみつ道具がこれを実現していましたから、きっとこれは間違い無いでしょう。

技術2:多くのエネルギーは貯蓄することができる。

こちらも間違い無いと思います。意外と現在の蓄電は高コストすぎて採算が合わない部分が大きいですが、この点も解消できるかもしれません。

技術3:原子力は安全性向上の努力がなされている。

パーソナルロボットが個人レベルで「原子力」という名前のついたひみつ道具を使っていることを考えると、そんな気がしますね。

できていなさそうなこと

地震のエネルギーに関してうまく使っているようなひみつ道具は今回はみつけられませんでした・・・

地震のエネルギーもうまくポジティブに変換できたら、素晴らしいですよね。

未来の日本のエネルギー事情は?

上記で考えた「ドラえもん」の世界で実現しているであろう技術が、実際に日本にあったらどうなるのでしょうか。

再生可能エネルギーは調整可能なエネルギーに!

再生可能エネルギーのデメリットは、不安定で高コストだったことでした。それは、自然のエネルギーを使うため、天候次第で発電できたりできなかったり、時には発電されすぎたりもするようです。

ところが、「ドラえもん」の世界では、天気自体を調整できますから、今まで調整不可能だった太陽光発電や風力発電が、調整可能なエネルギーになります!もしそうなれば、再生可能エネルギーは今よりずっと優秀なエネルギーになります。

ただし一つ注意しなければならないのは、生み出したエネルギー以上に、生み出すためのエネルギーを使っては意味がないということです。再生可能エネルギーを安定稼働させるために、天気を変えるのはどれくらいコストパフォーマンスが見合うものになるでしょうか。今は想像もつきません。それこそ、願うだけで変わればいいんですが。。。

というわけで、全てを再生可能エネルギーで賄えるというよりは、今よりも使い勝手がよくなった上で、他のエネルギーとうまく組み合わせるのではないでしょうか。

自然災害のエネルギーを保存して再利用

蓄電の技術が大幅に向上すれば、これもまた大きくエネルギー問題を解決できるようです。コストが低い時に作れるだけエネルギーを作っておいて、コストが高い時はためていたエネルギーを使えばいいわけです。現代の再生可能エネルギーの不安定性を解消する手段にもなり得ます。

特に、台風や地震が多い日本は、これまで災害の多さが欠点でしたが、もし自然のエネルギーを集めて、貯めておき、いつでも利用できるようになったら、もしかしたらそれは日本の弱みが、最大の強みに変わることになり得ます。

調査の範囲では台風を保存できるようなので、台風が来るたびにエネルギーを大量貯蓄して使えそうです。これは本当にすごい!今回は見つけられませんでしたが、今後地震のエネルギーも吸収して、溜め込むようなことができれば、地震の多い日本にとっては革新的なことですよね。

安心安全の原子力にむけて

安全性さえ高ければ、資源のない日本にとっては特に有効なエネルギーだと思うので、一歩一歩安全性を向上させた先に、広く認められていく可能性もあるのかなと。

まとめ

天気がコントロールできたら・・・という発想から、ひみつ道具を改めて整理してみて、そこから未来のエネルギー技術事情を考えてみたら、今では自然災害が多くて資源がないというハンデを背負っている日本が、むしろ自然の力と最大限に協調して圧倒的エネルギー強者になる未来もありうるのでは?という結論にたどり着きました。

もちろん、細かい考察が抜けていたりとかはあると思うのですが、こうやってフィクションの力でポジティブな未来をイメージすることができると、なんとなくそっちの方向に進んでいける活力も一緒にもらえる気がします。

ドラえもんが好きでよかった!!!

参考文献



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