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ミラクル道東紀行 1日目まで

360度写真が撮れるカメラRICOH「THETA SC2」(シータ)と、見た目は一眼レフ型のデジタルカメラCANON「COOLPIX B700」、そしてスマホのカメラ。この3台のカメラで撮影した写真を交えて、今回の道東の旅をここに綴りました。

驚きの価格のピーチ航空

「旅くじ」で話題になったピーチ航空。そのピーチ航空が24時間限定のデラックスセールを打ち出したとネットのニュースで知った。一体どんな価格なのだろうと調べてみると、北海道や関西、九州、沖縄へ2千円台から3千円で販売していた。
陽性者数が激減したことと、この価格に、このご時世で「旅」を封印していた私の心は、激しく動いた。


妻に了解を取り、一人旅立つ決心を固め、「さてどこに行こうか」と方面ごとにプランを立ててみる。1日臨時休業を追加して2泊3日、11月初旬と言うこの季節。成田空港までの早朝移動、観光コース、夜遅くなるような帰宅時間など無理のない往復のフライト時刻も検討しなくてはならなかった。

どこへ行こうかな?

行ったことのある場所は今回は除外だ。
北海道は寒さが厳しくなるなぁ。でも海の幸は魅力的だなぁ。
宮崎はどうだ。会いたい友達が沢山いるぞ。いや、今はまだ迷惑をかけてはいけない。
奄美大島?暖かくて良さそうだ。那覇もいいなぁ。石垣島は行ったことあるけどここもいいなぁ。もう頭の中では何度テイクオフをしたことだろう。あの離陸の時のGがかかり、体が後方に倒れ、窓からの景色が斜めになるあのひと時がたまらない。

そんな事を考えていたら、あと1時間でタイムセールが終了してしまう。行き先を決めねば。

そうだ!今年不漁で高騰してしまっている生筋子。毎年仕込んでいるいくらの醤油漬けの現地での取引が見たい。いや、何ならキロ当たり1000円違うのなら向こうからクール便で送ったって安いはずだ。仕入れも、現地の味の研究も出来るぞ。他にも沢山の海の幸山の幸、野生動物にも会える。本格的な冬を迎える前の道東。いいじゃないか!レンタカーを借りてドライブして・・・。

行き先は決まった。ホテルも候補が出揃った。日程も2週間後だ。

元旅行会社社員の力量が試される

やきとり屋を始める前に7年弱小さな旅行会社務めていたので旅程を組むのは得意だ。しかも好きだ。旅の骨格が出来た時に「これは一人で行くにはもったいない」と息子を誘ってみたら「行く!」と。男二人旅。女満別空港までの往復のチケット。一人片道2,490円。そこに諸税空港使用料を含めると2,940円。所定の理由でもしも飛行機に乗れなかった場合のチケットガードと言う保険470円にも加入する。自宅から成田空港までスカイライナーを利用した運賃よりも航空券代の方が安いとは。

インターネット利用しクレジットカード払い。タイムセール締め切り前の10分前に予約は完了した。セール終了した同日出発の価格は1,500円高かったと記憶する。レンタカー予約、ホテル予約、京成スカイライナー予約と旅の手配は整った。

心配な天気予報

ヤフー天気の2週間先の天気予報は1日目は晴れ、2日目曇り、3日目は雨。そこから出発当日まで、予報が変わる度に一喜一憂した。しかし当日の予報も2週間前とは大きくは変わらなかった。1日目はほぼホテルへ行くだけ。2日目は保って欲しいな。3日目はほぼ車窓からとなっても仕方がない。本来ならここで諦める人も多いだろうが、私には「お天気の神様」が付いているのだ。神様とは30年前近くに他界した従兄弟なのだが、心の中でお願いしたり、仏壇に手を合わせたり、お墓に行ってお願いしたりすると、雨予報が尽く改善される事が一体これまでに何度あった事だろう。今回は「自宅の近くで空を見上げて」、「仏壇に手を合わせて」、「お墓参りをして」とお願いしまくった。

1日目ウトロへ向けて

ついにその日がやってきた。
妻に駅まで車で送ってもらい京浜東北線日暮里駅に行き、京成スカイライナーに乗車。成田エクスプレスは朝夕のみしか運行しておらず、20分毎に運行している京成電鉄様々だ。予約した車両には私達2人以外には誰もいない貸切車両。成田空港第1ターミナルまでの44分間コンセントありWi-Fiありの快適な車両だ。

成田空港第1ターミナルに着くと国内線の出発ロビーへ向い、搭乗手続きを済ませる。国際線南ウイングは22歳だった私が初めて海外に旅立った思い出の場所だ。期待と不安、親元を離れた孤独感、とても感慨深い場所だ。
出発案内の掲示板を見上げると沢山の旅客機が世界各地に出発している。入国制限がされていてものの、日本からの出国は制限されていないからのようだ。ただこのように閑散としている。

まずは腹ごしらえ。五右衛門のパスタ。ここまで来て五右衛門という訳ではなく、これから先「海の幸山の幸」なので洋食とは暫しお別れになるからとの息子のチョイスだ。私達二人は無類の麺好きだ。

ピーチ航空の3ランクある航空運賃の一番安いチケットは制約も多い。チケットの払い戻しや変更は不可。手荷物を預ける場合は別料金(帰りの便ではお土産で荷物が多くなる予定だったので事前予約で1,800円)、機内持ち込み手荷物は2つまで、1つ当たり7キロも越えてはならず、2つ合計でも7キロまで。機内に持ち込めるサイズのスーツケースに入った荷物が7.3キロと少々オーバー。ここからリュックサックに衣服を移動させて、なんとか追加料金なしで通過出来た。
593便女満別空港行き。保安検査場を抜けターミナルからバスにて離れた駐機場まで移動。定刻通りに成田空港を離陸した。

女満別空港に到着

もっと狭いと思っていた機内。176センチの私でもそれほど窮屈は感じず。ほぼ1席起きに配列された乗客。密にならず。乗客数は40%と言うところか。通路側の私はシートベルト着用のサインが消えるとCAさんに断りを入れて、空いている窓際の席で写真を取らせてもらう。福島から宮城辺りの山や街並みが見てとれる。雪を被った山はどこだろうと。

女満別空港に到着。小雨。ニッポンレンタカーの事務所までワゴン車で移動。手続きを済ませて待っていたのは自分の愛車と同じトヨタライズ。これから3日間の心強い相棒だ。アクセルワーク、ハンドル捌き、ドライビングポジション、操作ボタン等全てにおいて不安がない。

午後3時40分。1日目の予定としては真っ直ぐホテルに向かうだけ。途中通過する網走刑務所やオホーツク流氷館も寄りたいが、ウトロのホテルまで96キロ。1時間45分のドライブ、日没も5時頃と言う移動なので諦める。道の駅「流氷街道網走」にて停泊中の砕氷船おーろら号を見る。いつかこれに乗る事も夢見て網走の観光は見送りだ。

鈍色のオホーツク海を左側に見て海岸線を走る。斜里に着く頃には真っ暗。そして更に東へと進む。ウトロ温泉の手前に観光名所の「オシンコシンの滝」もあるが、6時前とは言え真っ暗では仕方がない。翌日が知床横断道路の最終日。この日は凍結で通行止めだが、翌日通行止めが解除されているとここには来ないので、網走市内と同じ諦め観光スポットになる。

今回お世話になるウトロの「北こぶし知床 ホテル&リゾート」。その目の前にあるセブンイレブンで今夜の部屋でのお酒を仕入れに駐車場に入るとそこには犬が。
すると息子が「違うよ!キタキツネだよ!」
「えっ!写真撮って!」と。

どこかで出会えたらいいなぁと思っていたら、まさかのコンビニ駐車場とは。

北こぶし知床 ホテル&リゾート

夏や秋の紅葉の時期、また冬の流氷がやってくる時期から比べるとシーズンオフとなる知床。だからこそのお値段で宿泊出来た。豪華なフロントに客室。大浴場は最上階に位置し低温、高温の2つの浴槽、露天風呂、水風呂、打たせ湯、サウナと楽しめる。夜間につき、大浴場の窓からの景色は時折光る灯台の灯りのみ。深夜0時までで、翌日5時からは男女入れ替えになると言う。明日の朝の入浴が楽しみだ。

一泊二食付き一人12,500円。夕食も朝食もブッフェスタイルで品数も多い。消毒や手袋での感染対策で北海道の海の幸山の幸を頂く。ビールはアサヒクラシック。そしてふらのワインを楽しんだ。

部屋に戻り、ここへ来る途中のセイコーマート(北海道各地に点在するコンビニ)で仕入れた芋焼酎「喜多里」をちびりちびりとやりながら翌日の計画を立てる。途中の目的地標津町まで、知床横断道路経由で羅臼峠、羅臼国後展望塔からの北方領土国後島を望むルート。知床横断道路が通行止めならば一旦斜里町まで戻ってから標津町へ向うルート。明日朝にならないと決まらないが、ホテルのフロント係やお土産屋の店主は恐らく通行止めになるのではないかと。

フロントのある1階には流氷テラスと言う一角があり、夜10時まで足湯を楽しめる。今回の旅に持参した360度写真が撮れるカメラ「THETA」(シータ)の出番だ。この文章を読んで下さっている方にはぜひ下の写真をタッチして、指でグリグリ動かして見て欲しい。

外気は3度。足湯に浸かっていれば浴衣のみの体でも不思議と寒さに耐えられる。雨は止んでいて、時折雲が千切れているのが見える。少し星も見えてきた。満点の星空を見たかったが仕方がない。翌日からの天気の回復を星に願った。

予報に反して満天の星空が・・・

部屋に戻りちびりちびりやっていると、コンビニに行った息子が戻ってきた。「空、星がすごくキレイだよ」と。まさに星空撮影にうってつけのTHETAに一脚スタンドを持って外へ出た。ホテル前はとても明るい。どこかに見通しがよく、足場がしっかりしていて、暗がりはないかと港側を歩いた。そして見つけた護岸の先端にカメラを備え、何度も何度も設定を変えて撮影した写真がこれだ。

キタキツネ遭遇、満天の星空と大満足の1日目が終った。翌日の天気予報は曇りだ。旅に備えて早く寝よう。

ミラクル道東紀行2日目に続く

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