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自由詩、言葉

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2023年5月の記事一覧

白よりも白く

白よりも白く

公園で見つけたシロツメグサ

あたたかな風が記憶をなでて

映し出されたのは

かんむりを編む

幼き日のわたし

女の子は誰だって

お姫さまになれると

疑いもしない

真っ白なわたし

無限の

無限の

汚れが剥がれ落ちるかのごとく
心からあなたが剥がれ落ちた

憑き物が取れたように
心が軽くなった

決して嫌いになったわけでもなく
軽蔑したわけでもない
ただ私はあなたへの執着を手放したのだ

いつか読んだ本の中に
愛は無限とあった

私があなたへ向ける愛は限定されていて
もはやそれは愛ではなく執着だったと気付いた

それをたった今、手放したのだ

そしてどこまでも
あなたを愛していけると思った

そして、逝く

そして、逝く

どうしてこんなにも

儚いものは魅力的なんだろう

線香花火を見守っている時のような

祈りに似た気持ちで

散っていく花を見ていた

誰が為

誰が為

過去の自分が書いた言葉に

驚かされることがある

励まされることがある

今日もまた

私というたった1人を救うため

言葉を紡いでいこうと思う