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(戯言)将棋/囲碁界にまつわる他愛もない発見


将棋や囲碁の中継を観るのが結構すきです。

藤井聡太(あえて「先生」とか、つけませんが)の降臨以降、将棋界の方はそれまで無縁だった年配女性なんかも巻き込んで、世間的にも耳目を集めて「観る将」なる人種も出てきてすっかり一般化しました。
かたや、囲碁の方は中邑菫ちゃん(こちらも「ちゃん」呼び失敬)が登場したり、遡るとアルファ碁がイ・セドルや柯潔を叩きのめした時にニュースになったりしましたが、もう一つメジャー化しないのは個人的には残念。

棋界の動向そのものを書きたかったわけではないので前置きはこのぐらいにして、さてさて本題。

このコロナショックで囲碁も将棋も対局そのものがほとんど延期や中止になっていて、その中継もとんとなくなってしまっているのは寂しいことですがしかたがありませんね。「うちにいよう」でいろんな楽しみが制限されてしまっている状況で、対局中継なんかは好きな人にはうってつけだったんですが。
で、こうした中継番組についてちょっと気づいたことがあったというのが、今日の話題でした。

囲碁・将棋の対局中継って、棋士の出演だけで賄っているんだな。。。

はい。なんのことはない気づきでした。m(_ _)m
でも、たとえばスポーツだとかF1、競馬、大相撲、はたまたプロレスの中継なんかだと、大概はアナウンサーが実況(進行)をしながら、元選手が解説について番組を進めていくというスタイルがふつうだと思いますが、囲碁・将棋の場合は司会(聞き手)も解説も棋士で(聞き手は女流がやるケースが多いですが、棋士には違いなく)、アナウンサーはいないんだなということをふと思ったわけです。

日本のタイトル戦は伝統的に持ち時間(※)が長く、棋戦によっては対局が二日間にわたるので、アナウンサーをずっと拘束するのが難しいという事情もあると思います。また、従来は対局を終始中継し続けるという習慣はなく(逆にそんなに長時間の視聴ニーズもなかったでしょうし)、開始・中間・終了ぐらいで短時間の番組を設けるぐらいだったということもありますね。その頃はアナウンサーも登場していた気がします。

※持ち時間:対局者が各々の手番で読みを進める権利がある考慮時間
  逆に時間以内に指さないと/打たないと負けになる)

将棋(や囲碁)中継が長時間化したと言っても、対局の進め方が変わった訳では当然なく、番組の大部分は「何も起こらない」時間が延々と続きますw
先ほど挙げた「観る将」たちは、この「シーーーーーン」とした時間と空間で棋士が延々と読み耽る様子を眺めているのを楽しんでいる(味わっているという方が近いでしょうか)わけです。まさに和、侘び寂びな世界ですなw

将棋に興味がない人も、TVのワイドショーなんかで、やれ藤井君が昼飯にチャーハンを頼んだとか、騒いでいるのを目にされた覚えがあるのではないでしょうか。
放送的にはあまりにも何も起こらない中で、いろいろと話題を掘り起こしては盛り上がっているという側面もあります。侘び寂びとはいえ、何もせずにただじーっと眺めているだけではなく、何かと楽しみのポイントを開拓しているんですよね。

それで、囲碁・将棋の中継は棋士だけで完結している という今回の気づきに戻ると、大変な長時間におよぶ番組を、対局内容の解説や検討だけではなく関連する様々な話題(前夜祭や検分の様子、対局カードの戦績や棋風解説、「例の」勝負飯の好み、棋界の逸話や歴史、はては棋士という人種の生態や個人的な生活談まで... )をトークで繋いでいく技量まで身につけている、ということに感嘆の念を抱かざるを得ません。

もちろん、場数を踏み経験を重ねるうちに徐々に築かれたスキルだとは思いますが、本業で常人離れした思考力を持ち合わせている上に、こうした芸人的な能力まで磨いていくのは本当にすごいなとあらためて感じた次第。

放送の番組を「回す」ことまでできる、何かの専門家って、他にはあんまりいないんじゃないかな、と。

そんな他愛もない発見のお話でした。
戯言にお付き合いくださり、ありがとうございました。(_ _)


Stay Homeな昨今、「無観客試合」とか「無観客ライブ」などのイベントが人気や話題を集めていますが、そういえば囲碁将棋も元から「無観客対局」みたいなものですね。
そもそも対局自体が実施できないのは辛いことですが、ぜひ早く再開して、中継を観る楽しさや味わいもさらに広がっていくといいなぁと思います。


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