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告白雨雲、糖度高め【ショートショート】

「ねぇ、この飴、食べてくれない?」
「いいよ?」

言いたくないことを言ってしまうらしい。

そんな飴が
空から降ってくるわけないだろうに。

キミがあまりにも真剣に言うから、
思わず食べてしまったが、どうせ都市伝説だろう?

「あのね、ずっと聞けなかったこと聞いていい?」
「いいけど何?」

意を決したように、
見つめてくるから、息を呑んでしまった。

「わたしのこと、好き?」
「好きだよ」
「どのくらい好き?」
「えっ、何と比べたらいいわけ?」

比べる対象がわからない。
好きなんだから、それで良くない?

「わたしが死んだら、いや?」
「嫌に決まってるだろ?」

ここまで何も告白したつもりはない。
いつもは、はぐらかすけど、
都市伝説に乗ってあげてるのだから。

「わたしと結婚したい?」
「したいよ?」

「いつ?」

えっ、仕事もあるし、
キミも転職したばかりだし、
落ち着いたらでいいと思ってるんだけど。
はじめて口が勝手に動いた

「今」

キミは、音もなく泣き出した。
そんなキミが愛しくて思わず抱きしめたのだ。



こちらの作品から読むと、
糖度が高いのがわかるかもです!
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