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事業の「選択と集中」を決断するまで

私たちは現在、「LINE」を活用したBtoC企業向けの顧客コミュニケーションツール「MicoCloud」を提供しています。

BtoC事業者がLINEを通じてユーザーとつながることで、オンラインでの顧客コミュニケーション体制の構築を実現し、LINE上で行われるマーケティング活動の全てをサポートするサービスです。

今ではマーケティング領域でSaaSプロダクトを展開する私たちですが、これまでは今とは全く異なるHR領域サービスを運営していました。それぞれの事業の年間売上は1億円を越え、収益も年々伸びている状況でしたが、この度他社へ事業売却し「MicoCloud」へのリソース集中を決断しました。

では私たちがなぜ「MicoCloud」事業に一本化したのか。

その理由は「Micoworksを世界で戦える企業に成長させるため」そして「MicoCloudは広大なマーケットに挑戦できる、大きな可能性を秘めたプロダクトだと確信しているため」です。

事業一本化を決断した背景をマーケットの将来性や、事業戦略に触れながらお話していこうと思います。


「LINEで就活」を実現するHR事業からスタート


創業当初はHR領域を主軸に、新卒マッチングサービスと新卒採用管理ツールを運営していました。

「LINEで就活生と企業間のコミュニケーションを実現する」をコンセプトとし、情報提供やLINE上のチャットコミュニケーションを通じた就活生と企業のマッチング創出を目指していました。

約2年にわたり順調に売上を伸ばしていましたが、私自身は成長の天井を感じるようになりました。

新卒採用市場はマーケット規模が限られており、すでに先行するプレイヤーが多数存在している状況です。
また、プロダクト自体もニッチな需要を突いたサービス展開で一定の認知度は得ていましたが、他社と差別化できる圧倒的な価値を提供しきれていないと感じていました。

「Micoworksに集ったメンバーと一緒に切磋琢磨するフィールドは、ここを主戦場としたままでいいのだろうか?」「代替可能ではなくオンリーワンの価値提供を行うことで、もっとお客様に喜んでいただき、世の中に大きなインパクトを残していくべきではないか?」

徐々にそう思い始め、さらに大きなマーケットに挑戦できるプロダクトに向けて、新規サービスの構想に取り組み始めました。


「MicoCloud」開発までの背景


「MicoCloud」を始めたきっかけには、一つの出会いがあります。

あるとき、株主から「今の採用管理ツールの機能は、マーケティングでも活用できるのでは」とコメントをもらいました。その言葉を受けて「MicoCloud」のプロトタイプを作成。作ったばかりのモックを携えて、大手ブライダルサービスの社長と相談する機会がありました。

私からサービス概要を説明する中で、社長と同席していた現場マネージャーの方から「こんなサービスを使いたかった」とポジティブなフィードバックが返ってきたんです。既存の他社サービスでは満たされない現状を伝えてくださり、私たちのプロトタイプへの高い評価と期待を目の当たりにした瞬間でした。

「こんなサービスが存在するならすぐに使いたい」と意思表示をもらえたことで、顧客コミュニケーションサービスとしての潜在的需要の強さを感じ、その後リリースまで駆け足で歩を進めます。
そして、3ヶ月後に「MicoCloud」の提供をスタート。HR事業からマーケティング領域でのサービス展開に向けて舵を切ることになりました。


世界で戦える企業になるために、選択と集中を決断


「MicoCloud」リリース開始後一年半の間は、3つの事業を同時に運営する方針をとっていました。
当時の組織体制は社員が30名前後、BizDevは5人程度しかおらず、セールスも数名という状況。その中で3事業の運営を続けることはリソースの分散を招き、全ての事業を継続的に成長させるのは至難の業でした。

当時は「少人数の体制で各事業1億円ずつの売上を出せているので、売上効率は悪くないのでは?」と甘い自己評価をしていましたが、客観的に考えるとどの事業も物足りない成長率でした。
新卒マッチング領域ではニッチなサービス展開の戦略に止まってしまい、採用管理ツールの事業はMicoCloud事業と比べて収益性が半分以下の状況です。

「リソースが十分に割けない状況で事業運営を続けても、全てにおいて中途半端になる。」

これは薄々感じてましたが、それぞれのサービスで事業拡大のために本気で向き合うメンバーの顔や、私たちを信頼してくれた数百社にのぼるクライアントの姿が脳裏に浮かび、不都合な現実を直視できない自分がいました。

しかし、累計4億円程度の投資を受ける会社フェーズに差し掛かったこともあり、社会に大きなインパクトを与え価値を創造するスタートアップへと、社長である私自身の思考を含めて大きく転換しなければなりませんでした。

「Micoworksを世界で戦える会社に成長させられるか」という判断基準で考えた際、事業の選択と集中を決断し、グローバル市場での展開が見込める「MicoCloud」にリソースを集中してプロダクトの価値を高めることが最善の選択だと、結論を出しました。


アジアNo.1のBtoCチャットコミュニケーションプラットフォームへ


昨今はコロナの蔓延により、社会全体がメールや電話でのコミュニケーションの難しさに直面し、DXの流れが押し寄せ、変革が必須な状況に追い込まれています。

オフラインビジネスの環境は未だ厳しく、コロナ禍以前と比較して「オフラインでの接客機会が5割以上減少した」とする調査結果も出ています。

そして、これは決して国内に限られた話ではなく世界的なトレンドです。

社会背景も相まって「MicoCloud」はますますお客様にとって必要不可欠なプロダクトになると確信しています。

実際に、サービスリリースから2年が経過した現在、すでに各業界におけるトップ企業から選んでいただいています。月次継続率は99.5%以上を安定して維持しつづけ、未だに解約数がゼロの月も存在します。ひとえにお客様に徹底して向き合うメンバーがいるからこその結果であり、いつも本当に感謝しています。

「MicoCloud」はまずは国内市場における圧倒的No.1を目指し、3年以内に「アジアNo.1のBtoCチャットコミュニケーションプラットフォーム」となることを目標に掲げています。

その上で、すでにテスト導入をしている台湾を皮切りに、徐々にマーケットインしている海外市場獲得のための投資を加速させていきます。LINEでのサービス提供を押さえた後、海外市場を見据えてあらゆるチャットアプリでのプロダクト展開を行う予定です。

世界のあらゆる場所で企業とユーザーのコミュニケーションを繋ぎ、価値を届けることができる世界。

「MicoCloud」を通じて実現するため、今後も邁進していきます。


▼もしもMicoworksに興味を持っていただけたら、弊社採用ページを覗いてみてください。


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