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15000円の本を読んでみたよ

前回10000円の本を読んでみたので、
今度は15000円の本を読んでみました。

前回の10000円の本、
「会社と社長個人のバランスシートを合算する連結バランスシート経営で会社を強くする (社長の極秘情報シリーズ)」の続巻です。
しかしスゲエ名前のシリーズですな。

今回は薄めのハードカバーで、表紙は細布仕立てというのでしょうか。
前作とはまた異なった高級感です。
428ページは前作とほぼ同等。
専門分野の事典をのぞけば、私の買った一冊の本としての最高額です。

前作の「連結バランスシート」をよりわかり良く「合算バランスシート」と呼び名を改め、
今回はその合算バランスシートを実際に作ってみること、
そのできたシートを見て、社長がどう事業と自らのふるまいを改善させていくのか、ということに踏み込んでいます。

前作に比べると、具体的な例が多く、読み進めやすい。
これは作者海生さんのお友達という設定のT社長の功績でしょう。
この本を見ていると、うまくいく会社の社長はこんな風なのか―
と違った世界を背伸びして覗いているような感じもします。

そしてその背景には、
「持たざる経営をして社長はお金の流れと事業をコントロールすべし」
「社長は自らの事業に専念しなければ会社は成功しない」
「株式投資に使う時間と才能は自らの事業に使え」
という海生さんの主張と、
一方で清濁併せ呑むことも厭わない現実主義が表れていて、
読んでいて海生さんの人柄に触れられるようです。

私はつましいひとり社長なので、
この本のターゲットになるような存在ではありませんが、
でも自分の興味はあれこれと散逸しがちなので、どう自分を律していくのか、というところを教わるような感じがいたしました。

で、前作と今作、海生さんの10000万円超の著作を読んでみました。
内容としては、良い本だと思います。
とくに今作は読みやすさもあり、内実もある本です。
しかし一体だれを読者として考えているのか、、、

日本の企業数は400万と言われます
99.7%が中小企業なので、まあ400万の中小企業があり、社長がいるわけですが、
この大部の本を買える人、そして買って読もうという人はかなり限られるでしょう。
社長が100人いて、その中の大部分は読書で学ぼうとはしないと思うし、
この本に巡り合うかどうか、そして経理を自分なりに理解しようとするか。
いくつもの低からぬハードルがあります。

読むのは海生さんのファンであるか、
私のようなもの好きか。

世の中には名刺代わりの本というやつがありますが、
たいていは2000円しないビジネス書で、こんな高額の本は珍しい。
それとも私のような凡人の知らないところにはこういう世界があるのかな?

ともあれ、
そんな私にはあんまり縁がなさそうな世界の、でも根底に通じるところはわかるなー、という本でありました。

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