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CreatorZineさんの連載と、noteでの探求の行程

企業で働くクリエイター向けウェブマガジン『CreatorZine」にて、私の連載がスタートしました。

連載タイトルは「デザイナー五年目からの教科書」。

一定のスキルを身に着けたデザイナーが、デザイン外部との境界で貢献できる能力を身につけ、さらに上のレベルで活躍できるようになる。そんなコンセプトの連載記事です。


連載のきっかけは、編集者が私のnoteを読んでくれたことでした。

noteを書き始めた1年半前は、このような企画の記事を自分が書くとは、まったく想像がつきませんでした。デザイナーのスキルアップに関する情報で誰かの役に立てるなんて。自分としては意外な方向です。

当初は、私の仕事である「デザインマネジメント」に関して、執筆を通して自分なりの研究していこうという心持ちと、コンセントという会社の広報になれば良いなという下心も含めて、noteを書いていました。

デザインマネジメントとは、経営の視点でデザインを組織的に活用する手法のこと。そんな内容を日々の気づきをもとに記事を重ねていきました。

ただ、noteの体験は不思議です。

習慣的に書いていくうちに、「研究」のようなスタンスの隙間から、自分の日常の声が無意識の文体として漏れ出てくるようになってきます。

私はときおり外部メディアに寄稿することはありますが、その時は、よそ行きの文体と言いますか、かしこまった論調になることが多かったように思います。

しかしnoteは、言ってみれば自分のメディア。何度も書いていると、思わぬ言葉も出てくるようになっていきます。

意外な角度から意外な文体でこう書くのかと自分で自分を知るような感覚。自分の視点や意見だけでなく、自分の背景や語り口や語彙も含めた「自分」が発露してきました。


ある時、ふと思いついて、デザイナー個人のキャリアについて記事をあげたことがありました。

それは、それまで書いていたデザインマネジメントという「組織」の視点ではなく、デザイナーの「個人」に焦点に当てたものです。

その記事は、意外にも反響を多くいただくことになりました。そして、だんだんと「個人が抱く思いや行動」にも着目してみようという気持ちが高まっていきました。

基本スタンスはデザインマネジメントに置きながらも、組織の視点と個人の視点の両方を等価に置いてみたい。組織の力学と個人の感情を並列したい。むしろ、それらを衝突させたら、どんな融合が起こるのか見てみたい。そんな風にも思うようになりました。

組織と個人を等価にしてデザインのあり方を考える。やがて、それが書くことの軸にもなっていきました。

私は20年デザイナーをやってきましたので、場面場面の自分の気持ちを思い返すことができます。そんな感情というか情念を組織の冷静なしくみやロジックと対比するとどんなコントラストが生まれるか。その補色関係は、全体の主張の中でどんな意味合いとして作用するのか。そんな好奇心も顔を出してきます。


漫画家は連載するから跳躍できる。葛飾北斎は連作するから枠外の美に到達できる。

書くこと、というよりも、書き続けることで、意外な場所にたどり着く書き続けるから隙が生まれる。隙間に自己が割り込んできます。いや、自己というよりも、新しい兆しのようなノイズが入ってくる感覚かもしれません。

noteにスキを押していただいたり、反応をいただくことで邂逅がある。そんな恩恵の中で、意外な要素が自分の考えに混入し、別の主張や貢献に変転していきます。

その変転の成果物の一つが、CreatorZineさんの連載です。

企業の構造の中で奮闘するデザイナーに届いたら嬉しいものです。これからもnoteは書いていこうと思います。ありがとうございます。




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