こんなだから俺達負けたんだよな

私は高校時代、野球部のマネージャーをしていた。選手90人にマネージャー3人。中堅校と言われ続けてきた。

2年生の夏を終え、自分たちの代での初めての公式戦、秋季大会が行われた。予選は勝ち進んだものの、本大会で1試合目に強豪校とぶつかる。その試合にコールド勝ちをした。そのままの流れで2回戦へ挑んだものの気の緩みが出たからなのかあっけなく負けてしまった。

その日、チーム全体はこっぴどく監督に怒られた。私は怒られて当然だと思い、長い冬を乗り越えて絶対に春は勝ってやると監督の顔を見て心に誓った。

帰り道、選手8人と一緒に帰っていると、4番打者を中心となって楽しそうに選手達は談笑していた。

昨日のバラエティーが...。隣の組のあいつが告ったらしい...

怒りが湧いたが、その時は負けた悔しさから目を背けたいだけなんだとそう思うことにした。


翌日の朝練、監督は練習場に姿を現さなかった。昨日の試合に呆れて来なかったんだと思った。私はあることに気がついてしまった。

キャプテンが練習場に来ているものの、サボっている。

私は許せなかった。マネージャーという試合に直接的に関われない立場だからこそより腹を立てたのだと思う。




時は過ぎ、3年最後の夏。

甲子園出場校に負け、私たちの高校野球生活は幕を閉じた。


負けた次の日、選手全員と話していた時にキャプテンが言った。

こんなだから俺達負けたんだよな




私は今でもその言葉を忘れない。

何故こんな昔話をここに書いているかというと、昨晩の夢にその光景がそのまんま出てきたからだ。


努力をしてもなせないことはある。でもその努力をなかったものにしたり、蔑ろにする必要は全くない。


私たち、頑張ったじゃん。


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