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神社仏閣めぐりの書

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生八橋モナカソが行く神社仏閣めぐり。御朱印集め趣味から西国巡礼に出て先達になるまで一年足らずの深すぎる沼を眺めるマガジン。Todaiji-TempleやJishu-Jinja-S… もっと読む
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記事一覧

西国三十三所第29番 松尾寺 病気平癒・交通安全、馬頭観音のお寺

前回のあらすじ。 城崎(きのさき)の温泉寺で三十三年に一度まみえる奈良の長谷寺(はせでら)と同じ霊木の観音様を見、トラブル続きで中断したGoToトラブ……ゴホン、GoToトラベルキャンペーンの一時(いっとき)の恩恵で豪華老舗旅館に泊まり、お布団でキンドルオアシス(電子書籍端末)に入れたBL書籍を読み明かした一日目、外湯めぐりで宿泊旅館の温泉は使わなかったが入湯税を取られた。 二日目は、日本海側を東へ行き、成相寺で観音様の化身かもしれない鹿と会ったその夜、牛肉を食べた口で家族へ

西国三十三所第28番 成相寺 願いが成り合う寺

前回のまとめ。 兵庫・豊岡の城崎温泉、温泉寺(おんせんじ)で三十三年に一度の御本尊を拝覧した。GoToトラベルキャンペーンの恩恵もとい策略により価格帯を見誤り女一人旅にしては見るからに立派すぎる構えの老舗旅館の広すぎる和室で一人ぼっちを満喫し、一夜明けた。 食事は天ぷらが絶妙に揚がっていたが、味は割と普通だった気がする。数年前の旅行で友人と泊まった旅館の料理が別格だったのか、それとも思い出補正だったのか、今となっては確かめようもない。 今回は、二日目の様子をご紹介する。 こ

西国三十三所番外 温泉寺 城崎温泉守護のお寺

今となっては記憶も朧げだが、かつて政府がGoToキャンペーンを実施していた頃、西国三十三所第二十八番札所の成相寺(なりあいじ)と第二十九番札所の松尾寺(まつのおでら)に一泊二日でお参りに行く計画を立てていた。遠方であるのと、特に松尾寺はアクセスがあまり良くないため、一度目の参拝はバスツアーを利用したが、このところは人数が集まらず、不催行が続いていた。私が愛してやまない、お寺も、その周辺のお土産物屋さんも、もちろん旅行会社も鉄道会社も、危機に瀕している。平日の、空いている時間を

西国三十三所第19番 革堂 猫のいるお寺

革堂。こうどうと読む。昔の表記ではかうだう。正式には行願寺(ぎょうがんじ)。西国三十三所唯一の尼寺である。 山号は霊麀山(れいゆうざん)。麀の字は雌鹿(めじか)の意である。 開基の行円(ぎょうえん)上人は狩人だった。行円が射て亡くなったはずの雌鹿から仔鹿が生まれるのを見て、殺生を悔い、仏門に入ったという。行円がその雌鹿の皮を身につけていたことから革聖(かわひじり)と呼ばれるようになり、革堂という名が通るようになった。 「革堂観音」の大きな提灯(ちょうちん)が印象的なお寺である

西国三十三所第33番 華厳寺 満願のお寺

「華厳寺」で検索すると、先頭に京都の鈴虫寺が出てくる。 参拝者が一堂に集められ、たくさんの養殖鈴虫の大合唱に囲まれながらご住職のおもしろいお説法を聞いた。 翌年から新型感染症が流行するとは知る由もない秋、阪急京都線 桂(かつら)駅で阪急嵐山線に乗り換え、上桂(かみかつら)駅から徒歩で紅葉を見に竹の寺 地蔵院(たけのてら じぞういん)に行き、その足で鈴虫寺に行った。鈴虫寺のみ行く場合、最寄りは松尾大社(まつおたいしゃ)駅のようである。景観がよく、しっとりと落ち着いた雰囲気の場所

西国三十三所第31番 長命寺 延命長寿のお寺

五代に渡り天皇に仕えた武内宿禰(たけのうちのすくね)。この地の柳の木に長寿を祈願し、約三百歳まで生きたという伝承がある。延命長寿の御利益のあるお寺、西国三十三所第三十一番札所、長命寺(ちょうめいじ)へ。 前回のおさらい。 観音正寺の裏参道(林道)を登り、車の道から降りてきた。 JR能登川(のとがわ)駅から近江八幡(おうみはちまん)駅へ行き、バスで長命寺のバス停へ。 さて、長命寺まで八百八段の石段だが、移動中座っていたにもかかわらず、バス停に着いてもまだ疲れて歩く気になれな

西国三十三所第32番 観音正寺 人魚の伝説が眠るお寺

一度目はバスツアーで行った。 お土産屋さんの前で大型バスからタクシーに乗り換え、観音正寺の駐車場へ。 駐車場から徒歩十分程で到着。ラクラク参拝であった。 爽やかな風を受けながら、見事な眺望を楽しんだ。 令和元年十一月に満願を果たし、現在二巡目をしている。 ところが新型感染症の流行により雲行きが怪しくなってきた。バスツアーが中止になり、緊急事態宣言が出、今は再開しているようだが何だか気軽に団体旅行に参加しにくい世の中になった。 前向きに捉えよう。これは自力で向かうチャンスでは

西国三十三所第27番 圓教寺 ロケ地で有名なお寺

西国三十三所のうち、東が第三十三番 谷汲山 華厳寺(たにぐみさん けごんじ)なら、最も西にあるのが第二十七番 書写山 圓教寺(しょしゃざん えんぎょうじ)である。西の比叡山(ひえいざん)とも呼ばれている。 書写山へは、姫路駅から神姫(しんき)バスが出ている。 一番から十八番まである姫路駅北口の大きなバスターミナルの十番乗り場から、書写山ロープウェイ行きのバスに三十分程度乗る。一時間に三本程度ある。 続いてロープウェイに乗る。一時間に四本の頻度で運行しており、混雑時は増便もあ

西国三十三所第26番 一乗寺 人里離れた名刹

平成三十一年から令和元年にかけて西国三十三所札所を一巡し、申請をして、令和元年十一月末に札所会公認先達になった。 先達登録とともに送られてきたオレンジ色の袈裟、軸装納経帳、頭陀袋を持って、二巡目を始めている(氏名と登録番号の書かれた名札は恥ずかしいのと女一人旅の防犯上、頭陀袋の中に仕舞ってある)。 お参りの日々で記事を書く間もなく月日が経過してしまい、時系列で追うのが難しくなってしまった。気が向いたところから書くことにする。 朝、日も出ぬうちに家を出た。大阪府の北部、京都府

西国三十三所巡礼、満願。

二〇一九年二月三日に巡礼を開始し、三月、四月、五月の桜の時期に大方の寺院を巡り、自力(公共交通機関のみで日帰り)では行けない青岸渡寺、成相寺、松尾寺、華厳寺の日帰りバスツアーを待って、十一月一日に満願いたしました。現在、新規先達の申請中でございます。 登録に一ヶ月ほどかかり、袈裟、頭陀袋、軸装納経品など授与品が送られてくるとのことでした。札所にて、札所番号のついた三十三箇寺のみ御朱印の確認があり、番外は確認されませんでした。法起院、元慶寺、花山院に関しては、必ずしも巡礼しな

西国三十三所第21番 穴太寺 病気平癒のお寺

西国三十三所、全てに行けるとは、このときまだ考えてもいなかった。 「行けるところはどんどん行こう!」 桜がまだ綺麗な頃、季節柄無鉄砲だった私は、善峯寺(よしみねでら)参拝後に穴太寺(あなおじ)へ向かった。 穴太寺はJR亀岡駅から京阪バスが出ている。 善峯寺から穴太寺へ向かう場合、JRで向日町(むこうまち)から京都で嵯峨野(さがの)線に乗り換え、亀岡まで行くと、片道三十分少々で五百円。おそらくこれが一般的なルートである。 阪急東向日(ひがしむこう)から桂で嵐山線に乗り換え、嵐

西国三十三所第12番 岩間寺 雷除けのお寺 +建部大社

普段は最寄りのバス停から一時間近く歩くようである。 意欲的な方は石山寺から登山をする。 毎月十七日のみ、JRおよび京阪石山駅前から岩間寺前に着く直通のシャトルバスが出ている。私はこの十七日のバスを目指して向かった。早めにバス停に到着したが、すでに行列ができていた。 第十三番札所の石山寺とセットで行く方が多いようである。意欲的な方は第十四番札所の三井寺も同日に巡られるようだが、初めての参拝でゆっくり見たいならあまりおすすめできない。石山寺も三井寺もともにかなり広く、建造物もべ

西国三十三所第20番 善峯寺 神経痛・腰痛に効くお寺

西国三十三所でお気に入りのお寺といえば、京都・烏丸近くでアクセスのよい六角堂や、滋賀・大津市の琵琶湖を展望できる広大な三井寺(みいでら)をすでに紹介しているが、もうひとつある。 善峯寺(よしみねでら)である。 庭園の美しさが群を抜いている。善峯寺は桜と紅葉の名所となっている。私は桜の頃に行ったが、それはもう見事であった。 まずは境内から庭園を一望でき、色づく山の木々の様子や遊歩道に咲く花々を眺めることができる。京都の街並みや比叡山も見渡せる素晴らしい景観である。さらに、一

西国三十三所巡礼 まとめページ

それぞれの紹介ページのリンクを貼ったまとめページを設ける。 第一番 那智山 青岸渡寺/和歌山県・那智勝浦町 2019年7月 第二番 紀三井山 金剛宝寺(紀三井寺)/和歌山県・和歌山市 2019年4月 https://note.mu/osakanom/n/n9b463a6d904c 第三番 風猛山 粉河寺/和歌山県・紀の川市 2019年4月 https://note.mu/osakanom/n/n1478d92fee22 第四番 槇尾山 施福寺/大阪府・和泉市 2019